虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

ここまできたテレビの劣化 朝生

2014-03-30 | 新聞・テレビから
公共放送の世界では、政治的な中立の立場を、というルールはとっくの昔に 反故にされているのだろう。

昨夜の朝日放送の「朝まで生テレビ」は、まさに政府広報番組だった。
テーマは「安部教育改革」。
出席者は10人。うち、半分の5人が安部教育改革賛成派。3人は人数あわせのどうでもいい人。2人が、若いだ大学院生とおとなしい教育学者。賛成派を5人集めるなら、明確な反対の意志を持つ論客を5人揃えるべきだろう。

まず賛成派。
下村文部大臣。八木秀次。藤原和博。竹田恒泰。乙武洋。

人数あわせのどうでもいい人。
辻本清美。冷泉彰彦。タレントの春香クリスティーン。

反対派らしき人。
古市憲寿(社会学者、大学院生)。荒井文昭(教授)。

5人の賛成派に対し、反対というよりも疑念を発言する若い人と、あまり強い発言力を持たない学者を対する。辻本清美は反対派として参加させたつもりだろうが、自民党に対抗して民主党を入れただけの話で、視聴者にはその言葉にはもはやなんの説得力もない。

出席者の中で最も発言時間が長かったのが、下村文部大臣。おそらく、全時間の4分の1以上は下村氏の時間だった。そして、司会者の田原氏が、賛成派を支援し、次に長い発言時間をとる。

これは、激論とか討論というものではない。討論を装った(いや、装うことすらやめた)、安部教育改革の宣伝番組だ。

朝日放送も、いや、テレビは、ここまで落ちてしまったのか。

ファシズムの国から

2014-03-20 | 新聞・テレビから

昨日か一昨日の新聞だけど、泉佐野市の教育委員会が、市内の小中学校の図書室から劇画「はだしのゲン」を回収していたそうだ。教育委員会が回収した理由は、市長が、「差別的表現があるので、回収せよ」といったからとか。「差別的表現」というのは、おそらくいいがかりで、「はだしのゲン」の反戦、反原爆の思想が気に入らなかったのだろう。市長も市長なら教育委員会も教育委員会だ。子供から自由に本を読む権利を奪っている。暴挙だろう。

トップが、文化なし、知性なし。まさに、これは、ファシズムの特徴だ。

しかし、こういう動きは今、日本各地で起きている気がする。そのうち、健全な市民が利用する町の公立図書館に、【安寧秩序を乱す」ような異端の本はよろしくない、といいだすお先棒担ぎが出てくるかもしれない。

沖縄の石垣島の教科書問題。教科書も、平気で国が強制しようとしている。

しかし、国民は黙っている。

大企業がどれほどに優遇され。自分たちがどれだけ無視されても、原発の恐るべき被害を受けても、国民は声をあげない。

テレビやラジオから真面目な報道番組が消え、政府批判をする言論が消え、アホ番組だらけになっても、国民はがまんする。

健全な市民は、政府の方針に反対なんかしない。政府に、トップについていくのが、穏健な紳士淑女。原発に反対したり、政府に批判的なのは、共産党、朝鮮、中国、テロリストということにされる。そう思われたくない「健全な」国民は、国会議員の90パーセントがそうである与党的位置にいるのだろうか。

まさにファシズムの国でなくてなんだろう。


今日のオピニオン

2014-03-13 | 新聞・テレビから
朝日朝刊に毎日(だったか?)、「オピニオン」という1面の三分の二のスペースを割いて、各界の識者の意見を聞くというコーナーがある。毎回、どこかの大学の准教授とかが多く、こちらが聞きたいという人はなかなか登場させない。このコーナー、だれが人選をしているんだ?。

さて、今日は、塩野七生。「ローマ人の物語」などイタリアの歴史を書く作家だ。

飛行機に乗ってわざわざイタリアまで行き、「仕事部屋のテーブルをはさんで4時間半、街に出てさらに4時間余」話を聞いたという。8時間以上だ。で、この内容。社費の無駄遣いではないのか。編集委員・刀祢館正明が聞いたということだが、質問力がないのだろう。

前半は、被災地の45歳以下の人には、投票権を一人2票(45歳以上の人は1票)にしたらいい、という無意味な話。ただ、若い人に期待するといいたいだけなんだ。

後半は、原発再稼働に賛成。原発がないと、産業が発展しない。お金をかせげないからという。ここでつっこんだ質問をしてもいいのだが、記者はいえなかったにちがいない。

8時間取材したあげく、記者の質問力のなさと塩野七生の無内容を表現しただけだ。

塩野七生はあまり読んだことはないのだが、あの「ローマ人の物語」でも、皇帝や権力者にはあこがれるが、スパルタクスにはまったく関心を示さず無視する作家だ。

原発については、何をいうかわかっているのに、飛行機に乗って聞きにいく必要があるか。