虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

成績評価主義と余計者

2005-04-25 | 新聞・テレビから
夕刊は脱線の大事故で紙面が占められているけど、朝刊の小さな記事をネタにします。

「成績悪けりゃ役人もクビ」という見出しで、鳥取県が勤務成績の低い職員5人を退職させた、というかこみ記事が出ていた。県では、実績や積極性、企画力などを見て職員を5段階に評価し、それによって、昇任、昇給なども決めるそうな。武士であれば、辞表をたたきつけてやめたい職場ですね。

産業界では、成績評価主義(要するに、経営者側にとって都合のいいリストラ策だろう)は声高に論じられているけど、近頃は、産業界に歩調を合わせようと、役所や学校などさまざまな職場にも浸透しているありさま。

大昔、保険会社のビルの清掃員をしていたとき、事務室の壁に張り出された成績表を見て、こんな会社には絶対就職しない!と思ったものだ。しかし、今は、どこの職場でもこんな環境。

営業なら成績は数字で出てくるし、それなりにわかるけど、営業以外の世界での成績って何だろう?必要のない仕事をどんどん作って実績(?)をあげる昭和の関東軍みたいなことにならなければいい。

だれが評価するのだろう?上司だと思うけど、上司に評価できるのだろうか?これでは上司とケンカもできない。
上司と上司を囲む官僚体制(職場)の奴隷になるだけではないか。そういえば、日本人って、みんなおとなしくなったもんな。

二葉亭四迷の「浮雲」は、役所つとめをしていたが、上司と合わず、クビになる余計者が主人公です。余計者だけど、しかし、まだ、その時代は、余計者が主人公になるだけの存在価値があった。

今日のJRの大事故、JRの職場環境ともおそらく無縁の問題ではないと思う。
子どもが危ない、といってるけど、大人の職場が危機的なんではないだろうか。