虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

つたやのDVD無料お試し

2006-02-28 | 日記
ツタヤがDVDを配送してくれるシステムがあって(月2000円?、借り放題)、ひと月は無料お試し期間なので、加入した。めぼしいのをひと月借りてみてやめればいいと思ったから。カトリーヌ・スパークの「太陽の下の18歳」があったので、借りた。

「太陽の下の18歳」。ほんとにつまらないバカンス話(コメディ)で、イタリア男のナンパ話。内容はなにもなし。大昔、音楽とスパークがツイストを踊る場面だけに少年は心を奪われたのだな、と思った。

他にどんな映画があるのか検索してみたけど、見たいと思ってるワイダの「鉄の男」も「ダントン」もない。ソビエト版の「戦争と平和」もないし、時代劇もあまりそろってはいない。

ただ、ドキュメンタリーの「天安門」とか「モーターサイクルダイアリー」(ゲバラの青年時代の旅)などがあった。これは見たい。

2枚1組で借りることになっていて、「太陽の下の18歳」といっしょに借りたもう一つは、「リバティバランスを撃った男」。この2作とも1962年度の作品だ。
古いなあ・・・(笑)。

ロマン・ロランと陽明学と歯

2006-02-25 | 日記
ロマン・ロランの思想と陽明学とは、似たところがある。
思想は行動にならなければならない、自分の内面、魂に耳傾け、その成長、実現を図る、ということ、ロランのいう魂とは、陽明学でいう「良知」と同じかもしれない。

陽明学の生き生きした精神は、漢文のことばよりも、ロマンロランの小説を読んだほうがよく実感できる感じだ。
陽明学は、大塩平八郎が悪口言われたように、1歩まちがうと、自己中心のわがまま哲学になり、往々にして反抗者になり革命家になる。
ロラン・ロランの大作の主人公もまたそうだ。自己の思想、感情の赴くままに様々の人と恋愛し(クリストフも、アンネットも既婚者との道ならぬ恋にも陥る)、社会の変革への道を進む。

今日、歯医者へ行った。歯ももう悲惨な状態(老齢)。今日、差し歯の前歯の1本を急にぬかれた。「1本くらいいいでしょう」といわれた。
昔は、前歯がなくなると、威厳がなくなって首長を引退した豪族もいたはずだ。ちょっと待って!とは、しかし、なかなかいえない。ねかされたままだもの。

治療中、顔の上で医者とアシスタントの間でこんな会話が交わされる。「ね、ここ、ターミネーターみたいだろ?中をとったら、こんなの。ロボットだよ。みんな一皮むけば、こんなの」

わたしは、目をつむったまま治療を受けていた。差し歯の1本を切り落としていたみたい。

治療が終わったあと、歯の説明を受けたがそれが終わったあと、すぐ言った。
「一言いいですか。治療中に、ターミネターとかロボットとか、患者に対して言う言葉ですか。気持ちを考えたらどうですか」

「すいません、いつもこんな失敗をして、お客さんに文句言われるのです」と謝り、タミネーターとは、歯の構造のことを言ったのだと釈明する。

そうかもしれない。しかし、人の不当なる発言には黙っていられないのが、ロマンロラン主義者、陽明学徒のタイプなのですよ(^^)。単なる性格なんだけど、こういう性格の人は、ロマンロランの小説が好きになります。それはいわなくてもいいじゃないか、気にしすぎで、つまらない争いをおこすのは、愚かだ、という人はきっとロマンロランも陽明学も好きになれないかも(笑)

思ったことは(思想)は言う(行動)。歯医者さんで、このくらいのことしか実践できていないのですが・・・。

明日から、前歯のない口で人とどう対面しようか。笑うときには、扇子を口にあてることにしよう。オホホホ。



ロマン・ロラン

2006-02-22 | 日記
朝日夕刊の「ニッポン人脈記」は、今、早野透という朝日の看板スターといってもよい記者(編集委員)が、「市民と非戦」というテーマで連載を始めている。

この連載記事は、今まで、財界や政界、スポーツ界など有名人たちの人脈を政治的視点なしで書かれてきたが、ちょっと上流階級ばかりの記事でなんじゃいな、と、その意図がつかめなかったのだが、今度は、「市民」の登場?何を書きたいのだろう?

早野透という記者は、昨年の総選挙が終わったあと、無責任な総括対話をのせていたので、あまり期待(信用)はしていないけど(早野氏というよりも大新聞に期待できないということだが)、今日の記事は、政治学者の丸山真男とみすず書房の創立者の一人である小尾俊人が出ていた。

唐突だけど、丸山真男は、ロマンロランのファンだったようだ。そして、みすず書房は、創業して会社の全力をあげて取り組んだ事業が「ロマン・ロラン全集」。
今、ロマンロラン全集はまったく売れず、みすず書房の重荷になっていると思うけど、全集を出し始めたころはそれなりに売れたはずだ。

ロマン・ロランを好きな人って、(調べたことないけど)、ほんとはけっこういたはずだ(たしか、吉永小百合、加藤登紀子、本多勝一、鎌田慧、大杉栄、高村光太郎なども)。しかし、なかなか、人前で、好きとは恥ずかしくて言えないところもある。

あまりにも真摯で理想主義的で・・・。文学の玄人筋からは好まれない。たしかに、トルストイのようなリアリズムに欠けるし、一種、宗教的なメッセージ書にも感じるし、かなりくどいところもある。トロツキーを追放したスターリンソ連を擁護したり、政治社会の分析にも甘いところもある。文学者からも政治学者からも、無視されてしまっている。

でも、実をいうと、恥ずかしいけど、わたしもロマン・ロランのファンです。
しかし、なぜ、恥ずかしがるのだろう!ロマン・ロランのいうようには、生きていないからかもしれぬ。おお、なんと変わり果てた自分よ。かつて、ロマン・ロラン全集を買い求めた人々は、今、どうなってしまってるのだろう?

学生のとき、新聞でロマンロラン友の会があることを知り、訪ね歩いて会合に出たことがある。そのときは、「狭山裁判」の報告会で、なんでロマンロランと関係があるのだと思ってそれっきりになってしまったが、社会問題に目を向けるのは、ロマンロランの友としては当然だったのかもしれない。

京都の銀閣寺のそばに「ロマン・ロラン研究所」があるそうだ。今でも、ほそぼそと読書会を続けているそうだ。いってみたいな、と思うときもあるけど、やっぱり恥ずかしいな。





CDの曲とカトリーヌ・スパーク!

2006-02-19 | 日記
100均(ダイソー)で、よく100円のCDを売っている。たまに、お経のCDとか浪曲のCDを買う(笑)。100円は安い。

隔週刊の音楽CDもよく書店で見る。「クラシックCD」(980円)はたまに買う。ほとんど聞いたことがないけど。
最近、「青春のうた」という60年代70年代の隔週刊CDも出た。創刊号だけ買った(安いから)。しかし、これは1枚にたった6曲しか入ってない。これでは売れないよ。この企画は失敗するよ。消費者を馬鹿にするな。

まだ隔週刊の「ゴールデンポップスCD」のがましだ。これは10曲入っている。これも創刊号だけ買った(安いから)。特に、創刊号は1963年のヒットソング「サンライズツイスト」があるからだ。

「サンライズツイスト」、ジジレジーレーバーというみんな知ってる曲だと思うけど、そう、わたしにとっても思い出の曲、映画「太陽の下の18歳」の曲なのだ。

中学生だったと思う。札幌の「北海道劇場」(今はない)という3本立て100円くらいの安い映画館で見た。それまで女優なんてものには何の関心もなかったのに、完全にKOされてしまった。映画館を出て、まじまじとその女優の名前を見たことを今でも覚えている。カトリーヌ・スパーク。イタリア映画で、ほんとに夏空のような明るすぎる青春映画だったけど、カトリーヌ・スパークの魅力爆発の映画。

この映画がわすれられず、その後、遠くの町で上映していると聞き、わざわざ遠くの町まで映画館を訪ねて見にいったこともある。スパークの「恋のなぎさという映画も見た。スパークが歌っているレコード(恋のなぎさ)も買った。今でも、歌える。たしかノネニエンテ・・なんてことばだ(笑)。似顔絵をかくこともできる。まあ、フアンだったのだろう。「愛してごめんなさい」という映画もしっかり見た。このころ来日したはずだ。その後、「輪舞」とか「ホテル」とかに出たようだけど、あまり見てなくてお別れ。中学生時代の思い出。

ビデオ屋さんには、「太陽の下の18歳」は置いていないけど、DVDでは売っているようだ。カトリーヌ・スパークは今、どうしているのだろう。

ホテル・ルワンダ

2006-02-19 | 日記
最近、ネタ切れ、情熱切れ。

BS2の映画の放送予定を見てみたけど、BS映画というのは同じものをくりかえし放送するですね。また、「大いなる西部」とか「風と共に」などついこないだ放送したものなかりで、期待できるようなものはなかった。ただ、「大理石の男」も3月1日にまた放映するらしい。見逃した方は録画をお忘れなく。

大阪九条のシネ・ヌーボーで「ホテル・ルワンダ」をやっている。これにはちょっと心を動かされている。どうしようかなあ。遠いからなあ。最近、映画館へいく元気もない状態だ(笑)。





虎尾を踏む 義民碑

2006-02-12 | 一揆
画像は、車から写した三上山(近江富士)。
この麓に天保義民碑が明治28年に建てられた。銅鐸博物館へ向かう途中、道に「天保義民碑」という標識を見たけど、寄らずに通り過ぎた。

義民碑は、かなりの長文で、一揆の内容を要領よくまとめている。漢文だから読めないけど、現代文になおしたのを読んだ。その中に、苛政は猛虎の害にたとえられるが、誰が虎穴に入り虎尾を踏むか、という文がある。この義民もいわば虎尾の会の仲間というわけだ(^^)。

石山寺と近江天保一揆

2006-02-11 | 一揆
久しぶりに遠出した。
はじめは、三井寺、石山寺、草津本陣、野洲の銅鐸博物館、安土までと思っていたけど、やっぱり無理。
行きは一般道を通ったので、京都あたりで渋滞、三井寺はパスして、石山寺(大津)に。

駐車場に600円もとられる。これが印象を悪くした。さらに拝観料は500円。石山寺は、紫式部が源氏物語を書いたと伝えられるそうで、本堂には式部の人形もあった。多宝塔や式部の像なども見て回ったが、まあ、たいしたことない。インパクトなし。駐車場600円の悪印象だけ残った(笑)。

そこから草津本陣へ。古いアケードつきの商店街を車ですすむと、よこに草津本陣らしきものがあったが、車を止めるところもないので、そこもパスして通り過ぎてしまった。

残りは、野洲の銅鐸博物館だ。銅鐸には何の関心もないのだけど、昨年、義民サミットはこの野洲で開催されたので、そのときの記念パンフレットや史料があるかもしれないと思ったからだ。

銅鐸博物館、入館料200円。いろんな銅鐸が置いてあった。ここは、野洲の民俗歴史資料館でもあり、常設展示の一角に天保一揆のコーナーもあった。

思った通り、昨年の義民サミット開催記念に開かれた企画展「近江天保一揆とその時代」の展示解説書〈1000円)があったので、手に入れた。天保義民150年顕彰事業実行委員会発行の「夜明けへの狼煙ー近江天保義民誌ー」(大谷正彦)と第9回義民サミットのレジュメ(小冊子)も入手。今日の収穫は、この資料ですね。こういうのは、現地へ行かないとなかなか手に入りません。

ところで、女性スキャンダルで史上最短の総理となった宇野宗佑氏(すでに故人だが)、かれも、この地域(守山宿)の出身で、「庄屋平兵衛獄中記」という歴史随想の本も出しているのですね。庄屋平兵衛とは、この天保一揆のリーダー土川平兵衛のことです。

今年の義民サミットは、また長野県の青木村(宝暦騒動)で開催するらしい。信州青木村、日本で一番一揆の多い村で、第1回もここでしたそうだけど、なぜ、2回もするのだろう?もう他で開催できる土地がないのだろうか。姫路の夢前温泉、あの置塩神社の寛延一揆なんかもあるのに。

徳川時代百姓一揆叢談

2006-02-03 | 一揆
最近、新聞を読むのもいやになってきた。耐震偽装、ライブドア、ヤマハ発動機、保険会社の不払い、東横イン、防衛庁とゼネコンとの談合等々、企業の暴走をこれほど見せつけられると、怒りを通り越して憂鬱になってしまう。

サラリーマン一揆が起きてもおかしくないのだけど、ストライキなども、公の秩序を損ない、効率と利益を損じるという論理に簡単に組み伏せられているのかも。

大手の企業で作る財界(経団連など)がまた政府の各種の諮問委員会などにも加わって、子どもたちに道徳をなどと教育にも口をはさんでいるのだから、もうイヤッ。

本題にかえろう。古本屋ネットで小野武夫編「徳川時代百姓一揆叢談」(刀江書院)上下2巻を4000円で手に入れた。安いと思う。ネットで調べると2冊で1万円以上するところも多い。これは以前からほしかった。昭和2年が初版だが、昭和39年に増訂復刻版が出て、その時でも1冊3500円の値がついている。4000円くらい1回のみにいくとパッと消えてしまうから、いいもの買った、と思うことにしてる。

百姓一揆の史料集としては、日本庶民生活史料集成(三一書房)や編年百姓一揆史料集のようなものもあるけど、これは主に明治大正時代に各地の研究家がまとめた文献で(江戸時代に書かれた文献もあるが)、語りもの風になっているところもあり、ただの史料集よりも読みやすい。岩波文庫の「東洋民権百家伝」という百姓一揆伝に次ぐ貴重な力作だ。

一揆の文献は15件、付録に拷問の実態を記録した章も設けている。
以下、その文献の題名を書いておこう。
1、松木長操伝(若狭の松木荘左衛門) 熊川役所の編で、松木については、この文献以上のことは現在もわかっていないようだ。
2、天保快挙録(庄内藩の三方領地替え反対一揆。藤沢周平の「義民が駆ける」はこの一揆。
3、清介、角左事蹟(長門の国の二人の義少年)
4、民権操志(福沢諭吉も宣伝したご存知佐倉惣五郎の伝)
5、万石騒動(安房国、強訴)
6、天保義民録(近江の天保一揆。岩波新書でたった1冊出ている百姓一揆の本が松好貞夫「天保の義民」。これは名著です。松好氏は、本を書くにあたり、この天保義民録を最も参考にしたと書いています)
7、遠野唐丹寝物語(三閉伊一揆。小○の一揆として、これも大変有名な一揆)
8、武左衛門翁伝(伊予人は、武左衛門一揆に影響を受けています。武左衛門記念館も愛媛の日吉村にあります)
9、多田加助伝(信州松本藩の一揆。松本城をかたむけたという伝説も生まれた一揆)。
10、丹後の百姓一揆(これは長くて、おもしろいです)
11、浅川騒動見聞録(奥州白川の騒動)
12、夢の松風(奥州津軽藩の一揆)
13、郡内騒動(天保の甲州騒動。大塩平八郎も風聞を聞き、心悩ませた一揆)
14、党民流説(豊後の国の一揆)
15、議定論日記(三河国の百姓と町人の騒動記録)
16、拷問実記(江戸町奉行に勤めていた佐久間長敬氏(原胤照の実兄)が書いたもの)

分量は短いものもあればかなり長いものもあるが、どれも内容は濃いです(まだ全部は読んでない)。こんな本には古本屋さんでしか会えないのがさびしい。

6にあげた天保義民ですが、昨年の11月には、野洲で第9回義民サミットが開かれたらしい。知ってたら行ったのに、知らなかった。残念。近江富士といわれる三上山の麓で、湖東三山もあり、ドライブにはいいところだったのに。