近くの図書館で「百姓一揆 幕末維新の民衆世界」(赤松啓介著 明石書店)を借りてきている。
今まで、何回も借り出したことはあるのだが、いつもろくに読まないままに返却してきた。おもしろい本ではないのだ。中身は、題名と違い、兵庫県の百姓一揆について書いてある。「兵庫県学術賞」をもらった本だけに、ちょっと学術的で、文章も硬い。しかも、書かれたのは1953年というから、50年以上前の著作。まだ終戦後だ。西部劇「シェーン」が作られた時だ(関係ないか)
幕藩的封建社会とかむつかしい言葉が続き、わたしなど読むことで肉体的な苦痛を感じてしまう。たとえば、山田屋大助の一揆についての文をひいてみよう。
「かくの如く北摂地方の一揆は、不遇な下級神官崩れや諸藩の浪人達が、封建的収奪と商業=高利貸資本の搾取に苦悩する農民と協同して、封建的社会体制を越えた新しい政治的経済的社会体制を希求しつつ、実力的抵抗を展開したところに従前の百姓一揆と異なる進歩性及び思想性があり、また幕府の精力的な反撃を受けた所以でもあっただろう」
どうです?こういう文章が1度ですんなり頭に入る人(頭がいいのだろう)と、受け付けない人がいると思う。わたしはダメ。だから、いつも読まずに返却した。
しかし、この時代は、こういう書き方がはやっていたのかもしれない。この難点を別にすれば、この本は良い本かもしれない、いや、今では貴重な本だと思う。
まず、兵庫県の百姓一揆史について書いた本はこれしかないのではなかろうか。徳川時代の百姓一揆について100件以上記し(内容は短いが)。そして、主要な百姓一揆については、史料をもとにして、かなり詳しく書いてくれている。
今回、借りだしたのも、ここに三田の一揆が書いてあったのを思い出したからだ。読んでみると、史料でわかることはちゃんと紹介してくれている。今も、これ以上のことはわかっていないと思う。
ちなみにこの本の第3章「主要な百姓一揆」に紹介されている一揆とページ数を書いておきます。
1、元文3年但馬・生野鉱山騒動(2ページ半)
2、元文3年但馬・生野代官領騒動(6ページ)
3、寛延元年播磨・姫路藩第一次大騒動(8ぺージ)
4、寛延2年播磨・姫路第二次大騒動(22ページ)
これが滑甚兵衛の一揆です。夢前町に義民社がある。
5、天明2年淡路・広田騒動(5ページ)
淡路縄騒動です。天明志士の碑が建っています。
6、天保4年播磨・加古川流域騒動(24ページ)
大塩格之助も奉行所役人として派遣され、大塩平八郎も嘆息させた一揆です。
「われらが命は万民の為」というスローガンを掲げました。
7、天保8年摂津・猪名川流域騒動(16ページ)
山田屋大助の能勢一揆です。
8、嘉永2年播磨・竜野藩騒動(10ぺージ)
9、明治2年摂津・三田藩騒動(8ページ)
10、明治2年丹波・篠山騒動(17ページ)
11、明治4年播磨・姫路県騒動(9ページ)
以上です。
今まで、何回も借り出したことはあるのだが、いつもろくに読まないままに返却してきた。おもしろい本ではないのだ。中身は、題名と違い、兵庫県の百姓一揆について書いてある。「兵庫県学術賞」をもらった本だけに、ちょっと学術的で、文章も硬い。しかも、書かれたのは1953年というから、50年以上前の著作。まだ終戦後だ。西部劇「シェーン」が作られた時だ(関係ないか)
幕藩的封建社会とかむつかしい言葉が続き、わたしなど読むことで肉体的な苦痛を感じてしまう。たとえば、山田屋大助の一揆についての文をひいてみよう。
「かくの如く北摂地方の一揆は、不遇な下級神官崩れや諸藩の浪人達が、封建的収奪と商業=高利貸資本の搾取に苦悩する農民と協同して、封建的社会体制を越えた新しい政治的経済的社会体制を希求しつつ、実力的抵抗を展開したところに従前の百姓一揆と異なる進歩性及び思想性があり、また幕府の精力的な反撃を受けた所以でもあっただろう」
どうです?こういう文章が1度ですんなり頭に入る人(頭がいいのだろう)と、受け付けない人がいると思う。わたしはダメ。だから、いつも読まずに返却した。
しかし、この時代は、こういう書き方がはやっていたのかもしれない。この難点を別にすれば、この本は良い本かもしれない、いや、今では貴重な本だと思う。
まず、兵庫県の百姓一揆史について書いた本はこれしかないのではなかろうか。徳川時代の百姓一揆について100件以上記し(内容は短いが)。そして、主要な百姓一揆については、史料をもとにして、かなり詳しく書いてくれている。
今回、借りだしたのも、ここに三田の一揆が書いてあったのを思い出したからだ。読んでみると、史料でわかることはちゃんと紹介してくれている。今も、これ以上のことはわかっていないと思う。
ちなみにこの本の第3章「主要な百姓一揆」に紹介されている一揆とページ数を書いておきます。
1、元文3年但馬・生野鉱山騒動(2ページ半)
2、元文3年但馬・生野代官領騒動(6ページ)
3、寛延元年播磨・姫路藩第一次大騒動(8ぺージ)
4、寛延2年播磨・姫路第二次大騒動(22ページ)
これが滑甚兵衛の一揆です。夢前町に義民社がある。
5、天明2年淡路・広田騒動(5ページ)
淡路縄騒動です。天明志士の碑が建っています。
6、天保4年播磨・加古川流域騒動(24ページ)
大塩格之助も奉行所役人として派遣され、大塩平八郎も嘆息させた一揆です。
「われらが命は万民の為」というスローガンを掲げました。
7、天保8年摂津・猪名川流域騒動(16ページ)
山田屋大助の能勢一揆です。
8、嘉永2年播磨・竜野藩騒動(10ぺージ)
9、明治2年摂津・三田藩騒動(8ページ)
10、明治2年丹波・篠山騒動(17ページ)
11、明治4年播磨・姫路県騒動(9ページ)
以上です。