虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

もう薄れ始めている原発事故

2011-04-27 | 新聞・テレビから
3・11の大震災、原発事故直後しばらくは、震災・原発事故を注視し、テレビや新聞もよく見てきたつもりだが、あれから40日以上たち、だんだんとテレビも新聞の記事も追いかけなくなってきた。もう気持ちが移ってしまったのか?もう関心がうすれ、忘れてしまったのか?まったく、自分にあきれる思いだ。日常生活が忙しく、その中で、関心を持続させることはほんとにむつかしい。為政者は、きっと国民のそんな忘れやすさ、いいかげんさをひそかに期待しているのだろうな。

朝刊の文芸時評、斎藤美奈子の「原子力村と文学村」は小林信彦「極東セレナーデ」、伊坂幸太郎の「PK]、川村湊の「福島原発人災記」、津村節子の「紅梅」を紹介しつつ、原発事故で作家も課題を迫られている、と書いていた。

今回の原発事故で作家が言葉を発表することは少なく、「多くはモゴモゴとした「文学的な」内省を語るのみ。文学の人は文学だけを追究してりゃいいんだよ、という態度は「文学村」の内部の言語である点において「原子力村」と同質ではないか?」と書き、「文学村から放たれるシュートを待ちたい」と表現者への勇気を求めていた。さすがいいこと書く。

大江健三郎は原発事故のあと、アメリカの新聞に英語で寄稿したそうだが、何を書いたか知らないが、なぜ、日本の新聞に日本語で日本人に向けて発信できないのだ?と思った。日本には表現の自由はないのか。あるいは、日本の作家には勇気がないのか?

いまや、日本全体が原子力村になっているのかもしれない。

テレビの専門家と同じこと言ってらあ

2011-04-24 | 新聞・テレビから
「ニュースがわからん!ワイド」は、対話形式でわかりやすく解説する記事のようだが、今日のテーマは「放射能、人の体への影響は?」だ。

こんな回答がある。

「日本人の3人に1人はがんで亡くなる。がん死亡の約3割はたばこが原因で、それに比べるとリスクはとても低い。100ミリシーベルトの放射線を浴びるよりも、たばこを吸う方が危険と言える」

いつか見たテレビの放射能専門家と同じこと言ってらあ。
がん死亡の約3割はたばこが原因って、これほんとなのか?だったら、すぐにタバコの販売禁止にすべきではないか。朝日はタバコ販売撲滅キャンペーンをするべし。
                            (やめられない男)

必見!「なぜ警告を続けるのか」

2011-04-19 | 映画・テレビ
今まで原発に無関心だったので、小出裕章という人をまったく知らなかった。
だが、原発事故から、ラジオ(毎日放送)で、ときどき「小出裕章先生に電話でお話を伺います」という番組が流れてきて、はじめて、その人の声と話し方を知った。人格を感じられるいい声だった。そして、わからないことは「わかりません」と明確な話し方をする。顔も年も知らなかったけど、すっかりファンになった。

オッペケペーさんのブログで「なぜ警告を続けるのかー京大原子炉実験所「異端」の研究者たち」(毎日放送 映像80)を紹介しているのを見た。ヤフーでもグーグルでも「なぜ警告を続けるのか」と検索すると、この映像が見られます。ただし、4月29日で、この動画は削除される、とあります。なぜ削除するのだろう。今こそ、多くの人々に見てもらう必要があるのに。

映像を見て、小出裕章さんは、ラジオの声で想像した通りの魅力的な人だった。もう還暦を過ぎたと思われるのに、まだ助手(今は助教という)の身分。国策である原子力政策に批判的な人は大学内では出世はさせないようだ。

余談だけど、これは原子力の分野だけではない。政治、経済、いや、文学、歴史の分野においてさえも、大学内の力関係において研究者の身分は左右される。いきおい、研究者は転向し、時の権力、流れに迎合した研究をする。近頃の学者の書く歴史のつまらなさは、どうだ!(って、知らないんだが)。余談おわり。

映像はちょっと長いけど、おもしろい。感動した。なんだか、小出さんたちが、現代の義民にさえ思えてきた(こんな言い方は迷惑にちがいないが)。

お見逃しなく!

あと、これもオッペケペーさんのブログで教えてもらったのだけど、「原発導入のシナリオー冷戦下の対日原子力戦略」という動画(NHK製作)も戦後の原子力政策の動きがわかっておもしろかった。これも、今月29日(あと、10日だ)で削除されるようです。よかったら、これもぜひ!


関西・反原発デモ

2011-04-17 | 新聞・テレビから
今日の朝刊。
朝日の記事 見出しは「反原発の声、大阪で2000人超」
記事は全部で4行。

「東日本大震災による原発事故を受け、反原発を訴える関西の諸団体が16日、大阪の御堂筋を淀屋橋から難波までデモ行進した。2千人を超える市民が参加し「エネルギー政策の転換を」などと訴えた。大阪市北区の中之島公園であった集会で京都大学原子炉実験所の元講師、小林圭二さん(71)が「汚染は海や空に広がっている。関西でも声を上げよう」と呼びかけた。」以上、これだけ。

市民デモを取材したのなら、少しは市民の声を集めるとか、せめて、プラカードに書かれたさまざまな言葉を集めて見るとか方法はいろいろあるのに、新米記者に申し訳程度の記事を書かせただけの内容。毎日では3000人の参加と書いているそうだ。

詳しくは、ここでもブックマークしている「オッペケペー」さんの報告がある。こちらは写真がたくさん出ていて、雰囲気がよくわかる。なお「オッペケペー」さんのHPには「だれも覗かないでほしい。ここは秘密の遊び場」と玄関に書いてありますが、気にすることはありません。覗いてみてください。

毎回、同じことばかりで・・・。

2011-04-16 | 新聞・テレビから
毎回、同じことばかり書いてるけど・・・。
土曜日、午後7時から午後10時まで、ニュースはNHKの7時からのニュース30分だけ。10時からは毎日テレビのニュースキャスターだけ。BSを入れて9局もあるのにだ。平和で何にもない日々だったらいいけど、原発事故はまだまだ予断を許さない状況であり、国民はみな注目しているのにだ。テレビ局、特に民放はこりゃだめだあと国民から判断されてもしかたあるめい。

新聞。朝刊は「復興財源消費増税が軸」がトップ。夕刊は「復興へ連帯G20声明」がトップ。原発事故の状況を伝える記事はトップにしなくなったようだ。昨日、作業員の被曝線量の限度を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げたという答申があったようだが、この記事も探したがどこにもない。この放射線被曝限度を審査する放射線審議会の委員には福島原発の副所長も委員になっているそうだ。

原発周辺の地下水の汚染も心配だ。
家の者が関東に仕事に出ることが多いので、原発問題は人ごとではない。毎日、記者会見をしているはずなのに、テレビも新聞も伝えてくれない。

夕刊には「反原発デモ 大阪は午後から」の記事。しかし、東京のデモは何人集まったかの記載はなく、大阪のは午後3時からやる予定と書くだけ。予定を書くなら昨日、書けよ。さて、明日は、このデモについての取材記事が出るだろうか。

戦争中、マスコミは戦争の真実を伝えなかった、と検証し、反省する記事が新聞に出たのは最近だったけど、今も、マスコミはまったく変わらないなあ。

明日(4月16日)、大阪での脱原発デモ

2011-04-15 | 新聞・テレビから
新聞にもテレビにも案内記事が出ていないので、出しておく。
わたしは、用事があって参加できないのだが、たぶん、友人のだれかは参加するだろう。どんなところが主催して、どんな主張なのかは知らないけど、そんなことはどうでもいい、市民が原発への不安の思いを訴える場を持つことは大切だ。
途中参加で、途中離脱の自由行動でよいと思う。
上方庶民のパワーがためされる。

原発いらん!関西行動」 集まろう!中之島 歩こう!御堂筋
集合:中之島公園・女神像エリア(大阪市役所・図書館南側川べり)
15:30~集会 その後デモ~5:30 淀屋橋-本町-心斎橋-ナンバ 
※体力に応じて、途中離脱OK




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今日、腹立った記事3つ

2011-04-12 | 新聞・テレビから
東電の社長が昨日、福島県庁で謝罪の記事。
原発事故後、1ヶ月後の福島入り。しかも、福島県民、被災民に謝罪するのではなく、県庁での記者会見。県庁で記者会見したって、ほとんどテレビでは放送しないのだから、謝ったことにはならない。知事は面会を拒否したとそうだが、当然だ。避難所には回らず、そのまま東京に帰る。

本来なら、(わたしが社長なら 笑)、石を投げられても、どんな罵詈雑言をあびせられようとも、各避難所を回り、土下座して謝る。そして、補償とは別に、億単位の生活援助資金をまず被災民に提供する。東電という企業がつぶれるのは覚悟の上で、福島県民のためにできるかぎりのことをする。なによりも、社長自身が福島原発の現場に立ち、作業員の安全確保に陣頭指揮をとる。そのくらいの誠意、態度を示さないと責任は果たせない。

だが、新聞では、このあきれた東電の社長の態度について批判する記事はなし。

夕刊に今度の原発事故はレベル7でチェルノブイル事故に匹敵する、との記事。とっさに浮かんだのは、事故後、テレビで「チェルノブイル事故の規模とは絶対ちがいます。深刻にみてもスマイル島程度、まあ、心配はいりません」とニコニコしながら話していた原発専門家の顔。専門家だけど、おそらく、何の根拠もなく、しゃべったのだろうか。ああいう専門家ばかりを解説者として招いたメデイアも問題だ。

最後にもう一つ、東北復興会議のメンバーを、発表していた。
議長が五百旗頭 真。政治学者で、小泉首相の諮問会議の委員なんかやっていた人だ。
副議長が、御厨 貴。政治学者。二人とも、御用学者。なぜ、東北を復興する会議の幹事役に政治学者を当てるのだ?
そして、建築家安藤忠雄。安藤忠雄については、よく知らないのだが、この人の建築は、役所が建てる記念館なんかが多いような気がする。わたしが見たのは五条歴史博物館、姫路文学記念館(だったかな?)だが、所蔵する資料よりも、近代的な建物の方が立派で(お金かけてる)、わたしはその建物は好きではない。政治が好きな建築家なのだろうか?

梅原猛が特別顧問(名誉議長)だという。いったい、梅原猛はいくつだよ?名誉議長ということだが、具体的な仕事はできず、せいぜいアドバイスくらいしかできないのに、そんな名誉職は必要ないだろう。

問題は、現実に具体的に事をすすめる人の人選。この会議の下には、研究者や財界、労働界などから19人を起用して検討する、とあるが、この19人を明らかにしてほしい。

とにかく、今日、発表があった16人の顔ぶれを見ただけでも、この復興会議にかける熱意と真剣度が感じられない。


東日本大震災・福島原発事故から1ヶ月

2011-04-10 | 新聞・テレビから
明日で、日本史上最大の災害が発生した日から1か月。
1ヶ月たったけど、先行きはまるで見えない。
これからどうなるのだろう、と気持ちは重い。

例年なら桜が満開で、桜の樹の下、酒を飲み、笑い会うところだが、今年ばかりはそんな気持ちになれない人々も多いかもしれない。

家のそばの桜の老木、まったく咲かない。周囲の桜は咲いているのに、まだ枝だけ。花を咲かす気持ちになれないのだろうね、きっと。

新聞・テレビも地震と原発事故をごっちゃにして報道しているので、いったい、被災地は今、どうなっているのか、も、原発事故の状況もわからない。新聞もテレビも必要な情報から、国民の目をそらすために、小賢しい知恵を絞っているように見える。

いまだ、新聞、テレビでは反原発の識者を登場させていない。原発事故の責任を問う記事もない。そういう意見はメデイアではタブーであり、それを国民にも押しつけているように見える。東電・保安院・原子力委員会・政府・学会・メディアがスクラム組んで、情報操作をしている。事故が起きて守ろうとしているのは、国民よりも自分たちであるかのよう。

この原発の大事故を経験しても、国民は東電・政府の言うことを信じ、なんとかしてくれることをおとなしく待っているのだろうか。いつから、気概のない国民になったのだろう。

花は咲いてなくても、まずはとりあえず桜の樹の下で酒を飲み、それから何をするか考えようっと。


デマに惑わされない?

2011-04-05 | 新聞・テレビから
環境にやさしい原子力発電といわれてきたが、その原発が放射能汚染水を海へ放出する。
今朝の朝日の見出しは、「汚染水1.1万トン海へ放出」。ただの汚染水ではない。放射能汚染水が、1万1000トンだ。これでも、まだ「ただちに健康に影響はない」と東電やメデイアは言っている。

先日だっか、放射能の専門家がテレビでこんなことを言っていた。「日本人の二人に一人はガンで死ぬ」「ガンの原因の三分の一は喫煙、三分の一は食生活、あとの三分の一はその他」。そのパネルまで表示していた。タバコはガンの原因の三分の一なの?そして、放射能100シーベルトの被曝でガンになるリスクは5%増すだけ、タバコなどの発がん率に比べると、微々たるもので、問題はない、ということらしい。

おそらく、数年後、将来、今回の原発事故による放射能汚染によって、ガンが発生したとしても、この専門家たちは、ガンは喫煙や食生活であって、放射能との因果関係は認められない、と言うつもりなのだろう。

福島原発事故が起きた当初、専門家たちは、「原子炉は壊れていない、大丈夫です」といっていた。でも、ちっとも大丈夫ではない状況ではないか。人間が放射能汚染水を意識的に海に流し続ける事態にまでなっているのだ。

大気、土、野菜、そして海にまで放射線汚染がすすんでいるのに、まだ「ただちに人間の体に影響はない」というのだろうか。「ただちに死ぬことはありません」にも聞こえてしまうぞ。

テレビの広告機構とかが、「みんなで力を合わせよう」「デマに惑わされないようにしよう」とくりかえしよびかけていたけど、デマって、何を意味しているのだろう?わたしには、テレビの専門家たちのデマに惑わされないようにしよう、と聞こえてしょうがないのだが。


東北の復興は東北の人々が

2011-04-02 | 新聞・テレビから
朝刊に菅首相が「復興構想会議」を立ち上げ、その会議の計画で復興を実施していく、と発表。

だれが、その会議の構成員か、それを注目したいと思う。
今、わかっているのは、東北の首長(知事)だけらしいけど、新聞では、有識者、土地利用の専門家、被災地関係者とか(テレビでは経済人ともいっていた)。

被災地関係者とは何者だろう?なんであれ、東北の地元の人々の希望を聞かずに、中央の、専門家だけの、参謀本部独走の復興計画だけはごめんだ、という気がする。

大規模な土地が流されたので、大規模な新たな土地利用の可能性もあり、事業チャンス、企業進出の好機と考える大企業もあるかもしれない。東北の農業も、漁業も、このさい、企業によって一気に近代化、未来化するなんてことはしないでほしい。

東北の津波の被害情報の地図が新聞で毎日のように出ていた(今も出ているが)。三陸海岸、北から久慈、田野畑村、岩泉、宮古、大槌、釜石から仙台まで。どこも、幕末の三閉伊一揆では、なじみのある地名だ。南部藩から仙台藩まで何万という農民達が「小○の旗」をかかげて進んだ道だ。
田野畑村の海辺にはこの一揆の首謀者、切牛の弥五兵衛の像も建っていたはずだが、津波で流されたのかもしれない。

また、福島は、慶應2年の信達騒動で、世直しを訴えた誇らしい歴史を持つ。
地震や津波で尊い人命が失われたが、それと共に、一揆をはじめ、東北の歴史や伝統までも押し流されそうな気がする。

東北に住む人々の意見にしっかり耳を傾けてほしいと思う。東北人は、西の人間のように変わり身は早くないが、動き出したらすごいパワーを発揮するのだから。

(東北人と一括してしまって申し訳ない。四国人といっても、4県それぞれ違うものね)。




「東電に嫌がらせ・抗議相次ぐ」だって?

2011-04-02 | 新聞・テレビから
3面に「東電 嫌がらせ続発」の見出し、その下に「抗議殺到「今は我慢」の記事も。
嫌がらせと抗議はちがうはずだが、嫌がらせ・抗議をいっしょにするこの奸計。

嫌がらせ続発、とあるが、18日、日雇い労働者の男性が本社の敷地内に小石を投げ込んだこと、20日の夜、東電のPR施設「電力館」にスプレーで「反原発」の落書き。31日、街宣車に乗った男が福島第二原発のゲートを壊し、敷地内に侵入したこと、この3件だけ。しかも、この3件はそれぞれ何の関連性もない。おじさんが、本社の敷地内に小石を放り込んだことまで記事にするのか?

東電の社員寮では、「社員と家族の安全を守るため」表札の社名を隠したことを書いている。社員寮に嫌がらせがあったわけではなく、電力館に「反原発」の落書きがあったことがきっかけだ。過剰反応だろう。しかし、記事を読むと、嫌がらせ続発のために表札の社名を隠したように読める。

東電のコールセンターには原発停電や計画停電への苦情・抗議が殺到していることを書き、「家族も相当まいっている。妻は「肩身が狭い」と嘆く」などと東電社員の声をのせている。抗議をすることが悪いみたいだ。

東電に苦情や抗議が殺到するのは当然だろう。東電は社の総力をあげて対応すべきなのだ。
この記事は、東電側から頼まれて書いた記事に思うぞ。

しかもだ。連日、東電本社前では、東電への抗議、デモの集会があり、200人くらい集まっていると聞く。海外からのテレビや新聞もこのデモ・抗議のようすを取材・報道しているのに、日本のマスコミだけはいっさい、取材しないという。毎日、東電本社には日本のマスコミ各社がつめているというのに。記者は見ない、知らないふり。むろん、朝日新聞にも、このニュースは報じない。
ああ、また、めまいがしてきたぞ・・・。