朝日新聞のバッシングが続いているが(むろん、朝日の責任ではあるが)、これが、原発や東電の取材、また政府批判の自粛にならないことを祈るばかりだ。五大新聞のうち、3紙(読売、日経、産経)は財界・政府側の新聞だから、朝日が沈黙したら、あとは毎日のみ。毎日一社を沈黙させることなどスポンサーの財界にとってはかんたんだ。また、テレビは報道メディアとしてはすでに死滅。財界に牛耳られ、まともな報道番組はない。まさに、大本営発表の時代がきている。
最近、景気悪化の記事を見ない。アベノミクスとして大々的に報じられ、国民の世論調査でも、原発よりも憲法よりもなによりも景気・経済を安倍政権に期待していたのに、その検証がない。その効果は何も現れず、一時的に大企業や富裕層に利益を与えたが、物価高、増税で国民の生活は深刻だ。消費税10%を決定するまでメディアは、アベノミクスの破綻は封印するつもりなのか。
経団連が献金を再び始めるという。政党交付金を始めたのは、献金を廃止するためだったが、しかし、政党交付金はそのまま。
政党交付金、毎年、約300億円を超える。
自民党がこの半分近くで、民主党、維新、公明、みんなの党を含めるともう300億円になる。
これらの党(どれも原発再稼働、特定秘密保護法案、集団的自衛権をすすめようとする政党だ)を支持していない国民からもお金を徴収していることになる。
どう考えてもおかしい。
支持政党なしが、40パーセント近くはあるはずだが、支持政党なしの国民の税金も半分は自民党に献金していることになる。しかし、メディアが政党交付金の廃止を議論するのを目にしたことはない。
ついこの間、企業の震災復興特別税を前倒しで廃止したが、これは、企業に賃上げしてもらうためだ、と安部首相はいっていたが、いったい、どれだけの企業が賃上げしたのか、調査報告はない。
消費増税10パーセント、必ず、やるにちがいない。そして、軽減税率なども採用しないだろう。
ちょっと前、東京新聞が社説でこんなことを書いていた。
「政府が悪政に道を踏み外すのなら、私たち言論機関が起ち上がるのは義務の履行です。戦前・戦中のように犠牲を恐れて、権力に媚(こ)びるようでは存在価値はありません。日本を再び「戦前」としないためにも、悠々を偲(しの)び、その気概を心に刻まねば、と思うのです」
この言葉は空しく聞こえる。義務の履行をしていないからだ。
アベノミクスは失敗だった、と、なぜはっきり言えない。そして、なぜ、国民の今の暮らしの現況を伝えないのか。