らんかみち

童話から老話まで

亡きペットをダイヤモンドに

2007年10月31日 | 社会
 近所のおばあちゃんが亡くなり、今日が葬式でした。あと少しで100歳でしたから、ご本人はもちろん親族も、大往生というよりさぞ無念なことでしょう。
 一方で友だちのうちでは、先ごろより患っていたペットが亡くなり、本日が葬式なのだそうです。

「どことん看取ってやる覚悟したんやけど、最後は口からいっぱい血を吐いて死にました。砂糖水だけで40日間も苦しげに生きていた姿が目に焼きついてます。フェレットにだってそれなりの尊厳があるなら、安楽死というより尊厳死をさせてあげれば良かったと後悔してます。7年間も飼い主を癒してくれたあの子を忘れないために、遺灰はダイヤモンドにしてあげたいです」

 彼は「もう二度とペットは飼わない」と心に誓ったらしいですが、そこんとこはぼくも前があって気持ちは分かります。それは分かるんですが、フェレットの遺灰でダイヤモンドが作れるんでしょうかね? そういう商売があるってのは知ってますが、一握りくらいの灰では無理だろうと思っていたら、100ccで作れるんだそうです。

 それより何より、費用は安いものでも40万円くらいから、高いもので数百万円かかるというじゃないですか。明らかにフェレットの購入金額を上回る莫大な費用にも驚くんですが、綺麗なダイヤモンドが出来たとして、「ホントにうちの子の遺灰から作ったの?」と疑い始めたらやるせないですよね。

 まあしかし、当事者にとってそんなこと問題では無いのかもしれません。なんといっても愛した者が宝石となっていつも一緒にいてくれるのだから素敵に違いありません。などと、宝石のホの字にも恵まれないぼくとしては、少しうらやんでいます。