らんかみち

童話から老話まで

うっかりフナムシのバジル炒めを

2007年10月01日 | 酒、食
 バジルソース仕立てのゴーヤチャンプルを作っていたら「はまんぼ」が台所に上がってきました。「はまんぼ」というのは、世間でいわれる「フナムシ」のことです、世界中の海に住んでいるらしいですから、繁殖力は相当なものなんでしょうね。

 しかしこの一見すると14本足のゴキブリみたいな連中を、親愛の情など込めて「はまんぼ」と呼ぶのは、うちの島周辺だけなのかもしれません。ネットで「フナムシ」はたくさんヒットしますが「はまんぼ」だとほとんど駄目なんです。でも、お隣の島のPRページで「はまんぼ御膳」なるものを見つけて驚きました。

 あれが食えるって? そんなの嘘だろう! そりゃゴキブリのから揚げを食うアメリカ人が「イエ~ス、フライドコックローチ、ベリーグッドねぇ」と言ったとか。そいつはきっと、アメリカ人の皮をかぶった、生きて動くものは何でも食べるらしい中国人じゃないかと邪推しております。

 蛮族と大和民族を同列に並べてものを言うなど持っての外ですが、ぼくがあえて暴挙に出たのは、蛮族由来のバジルソースなどを使って豚肉とゴーヤの卵とじなんか作った負い目があるからです。
 で、ネットでフナムシが食えるかどうか調べた結果、食ってるやつがいるんです。ですがその評価は概ね辛辣なものでした。曰く「ゴキブリの方がよっぽど美味しい」と。

 そりゃそうでしょう、やつらを食えるなら海のそばに住むぼくたちがとっくに食ってますって。と思っていたのですが、この辺では「亀の手」という磯にへばりついている貝の一種みたいなのは食わないのに、宇和島で食べたのを思い出しました。かなり美味しいものだったのに、どうしてこの辺りでは食べないのか不思議です。

 というわけで、もしかしたら中国とかでは「はまんぼ」の料理方法が発達していて、「生姜漬けはまんぼのから揚げ」なんてののがエビのから揚げより美味しいのかもしれません。近所の中国人と親しくなれたら聞いてみたいと思ってます。
 あ、もちろん「はまんぼご膳」にゴーヤは入ってますが、リアル「はまんぼ」は使われておりません。念のために。