らんかみち

童話から老話まで

こら! 本四公団、ちゃんと狸から金を取らんかい

2007年10月11日 | 社会
「瀬戸内の美味しい魚ばっかり食べられて良いね」と、関西の知人からメールを頂きましたが、アホか! と言いたいです。大阪なら黒門市場、京都なら錦市場の方がこちらよりはるかに美味しい全国の食材が手に入るに決まってるんです。
 ぼくの日記はそんな高級食材の影に隠れたマイナーな魚とかに光を当てて「美味しい!」と書いているだけなんです。

 なので彼らがこちらに来たら、最近出没するようになった猪を捕まえて食わせてあげるか、それとも先日来の噂になっている狸を捕獲して狸汁でも振舞ってあげようかと目論んでいます。

 猪が今治方面から来島海峡大橋を猪突猛進して我が島にやってきた、とするぼくの説は、菩提寺のお坊さんが大橋の上で車に跳ねられて昇天した猪を弔った、という日記で証明されました。
 それでぼくの溜飲は下がりましたが、今この村でもっぱらなのは、狸が出た! ということなのです。

 様々な目撃情報を聞き取りしていくうちに、どうやら狸たちは広島方面から来るらしいことが分かってきました。驚いたことに連中は、猪突猛進するしか能の無い猪たちと違い、狡猾にも自動車とそのドライバーに化けた二匹体勢をとっているらしいのです。

 しかも橋を渡る理由というのがまたふざけていて、観光目的だろうというのです。しかしながら連中は木の葉をお金に変えるような術はまだ身につけてないとみえ、只で橋を渡ろうと試みるようです。
 その手口とは、先ずは正しく副山西辺りの入り口で通行券を取ります。それから今治辺りまで観光ドライブを楽しんだ然る後に、また福山西に舞い戻って有料道路を出るらしいのです。

 どういう意味かお分かりでしょうか? つまり入ったその入り口で出たら金が要らないという意味なんです。もちろん料金所の係員さんが黙って見逃すはずもありません。通行券を見て「これはどういう訳ですか?」と、狸どもを厳しく追及しようとしますが、狸たちは「急用を思い出したから戻ります」なんてのらりくらりと言い訳するようです。

 それでも引き下がらない料金収受員さんに対しては、「これが目に入らんのか!」と爪を出して見せるのだそうです。あくまでもただ乗りしようと構える狸たちに対処する方法は無いのだそうです。なぜなら、本四公団には「入り口で出る料金設定」というものが存在しないからだそうです。

 腹立たしくも狸たちはそうやって本四公団のシステムの不備を突き、只で堂々と橋を渡って来て観光して帰るんだそうです。普通の狸にはできない芸当ですよね。きっと本四公団に巣食う天下り連中が飼っていた狸じゃないかと推理するんですが、そういった狸被害を加味して通行料を設定し、正直な利用者から回収しようとする発想はいかがなものでしょうか?