らんかみち

童話から老話まで

イチジクの報復に苦しむ

2007年10月26日 | 酒、食
 近所の方からイチジクを頂いたのは嬉しいものの、まだ少し青い感じなのでもっと熟れるまで待とうか悩んだんですが、すぐにイチジクワインを醸してみることにしました。
 イチジク酒を漬けたことも無いし、ましてワインの醸造なんて全く初めてなのですが、そこは葡萄酒の密造で培ったノウハウがあります。

 例によって皮をむいたイチジクをつぶすところから始めるんですが、もいだ根元からしみ出てくるあの白い液体は苦手です。幼い頃に近所に生っているイチジクを盗んで食べたところ、あの白い液にやられたか、口の周りがイガイガしてからイチジクを直接食べるのは嫌になりました。で、今回頂いたのは、たぶんその木に生っていたやつなんです。

 そんな過去があるのでホイホイ喜んでイチジクワインの密造に手を染めている場合ではないのかも知れません。案の定、つぶしたイチジクは黄色っぽいものでしたし、糖分が不足しているように思えたので砂糖をどっさり放り込んでやったところ、まるで沸騰しているみたいに泡がゴボゴボと湧き、蓋を蹴破って外に溢れ出す勢いです。

 いやまったく因果応報とは恐ろしい。あのイチジクの木が数十年の時を経てなおぼくに罰を与えようとするのです。明日イチジクの木に詣でて、とりあえず供養をしてから出来上がったワインを試そうと思います。