らんかみち

童話から老話まで

うかつにも朝ドラに涙して

2007年10月13日 | エンタメ
 子どもを泣かせたり、動物を死なせたりしてお涙ちょうだいのドラマなんて安直であざとくないこ? とNHKの朝ドラ「ちりとてちん」の第一週を観て思っていたんですが、今日二週目をまとめて観て驚きました。
「ちりとてちん」の初回の週は視聴率で史上第三位の低さを記録したらしいですが、それはきっと前回の「どんど晴れ」の悪影響によるものではないかと察します。

 前回のドラマが美男美女の競演で演技力をカバーして押し切っただけでなく、老舗大旅館という舞台設定が共感を得られなかったせいか、反感すら持った視聴者がいたかもしれません。
 ですが今回のドラマは美男美女を脇に追いやったばかりでなく、道化役に設定したのが実に効果的で、和久井映見さん(ぼくとしては名前と顔が今回初めて一致)のボケ役は絶妙だし、京本正樹さんの実年齢と乖離したいかがわしさも狙い通りではないでしょうか。

 いやそれよりも何よりも、示唆に富んだ台詞が随所に語られるのでそれに胸を打たれるんです。そればかりか、今週最後も定番の「電車のシーン」でありながら、母と娘が、かたやカラオケ、かたや電車の窓といった風に、直接目を合わせずに泣き別れるあたりは出色ではないでしょうか。
 ここまでは近年まれに見る出来の良いドラマに、ぼくは毎日涙させられてます。