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3回目の札幌国際芸術祭(SIAF 2020Winter)は2020年12月19日〜21年2月14日

2019年07月27日 19時12分14秒 | 札幌国際芸術祭
Sapporo International Art Festival (SIAF) will be held from December 19, 2020 to Febraury 14, 2021.


 次の札幌国際芸術祭の記者発表が開かれたそうです。

 筆者は第1回の札幌コンサートホール・Kitara でのシンポジウムも、第2回の狸小路プラザ2・5でのパブリック・ミーティングも、足を運んでいるので、とうてい出席できるはずもないということに一抹のさびしさは隠せません。しつこいようですが
「冬にやろうぜ」
と2010年から言ってた筆者なので…。

 概要は芸術祭のサイトに載っていますし、詳細なプレスリリースはこちらにpdfファイル(https://siaf.jp/admin_panel/wp-content/uploads/2019/07/%E2%98%85201907_siaf_PressRelease.pdf)があります(7月24日付)。

 じつはアーティスト名などはまだ発表になっていません。
(その際の、おそらく2020年2月に行われるであろうプレス発表は、ぜひネットで中継してもらいたいです)

 発表されたことのうち、筆者はとりあえず次の4項目に着目しました。


 1) 会期

 2020年12月19日〜21年2月14日の58日間

 これは良かった。
 筆者は以前からくりかえし述べていましたが、2021年から始めていては「SIAF2020」にならないので。

 札幌の人にはいまさらいうまでもありませんが、雪の積もり始める時季は年によってかなりの開きがあり、11月初旬にはすでに根雪になる年もあれば、クリスマスの声を聞くころになってようやくマチが白く覆われる年もあり、こればっかりはふたを開けてみなくては分かりません。
 といって、猛吹雪で新千歳空港は閉鎖、市内の鉄道・バスはストップということもありえるわけで、どうか
「ほどよい冬」
が訪れてくれることを祈るばかりです。

 なお、2017年は57日間だったので、ほぼ前回とおなじ長さといっていいでしょう。

 会期の終わりごろが、札幌で最も有名なイベント「さっぽろ雪まつり」(2020年は1月31日~2月11日)と重なることになりそうです。


 2)テーマ

 Of Roots and Clouds(オブ ルーツ アンド クラウズ): ここで生きようとする 

 これについては、あまり建設的な議論になりそうにないので、触れません。

 それより

Sinrit / Niskur (シンリッ/ニㇱクㇽ)

というアイヌ語が併記されたのがすばらしい(ニㇱクㇽのシとルは小文字)。

 テーマだけでなく「札幌国際芸術祭」も

Usa Mosir un Askay utar Sapporo otta Uekarpa (ウサ モシㇼ ウン アㇱカイ ウタㇻ サッポロ オッタ ウエカㇻパ)

という表記がついているのです(モシㇼのリ、アㇱカイのシ、ウタㇻとウエカㇻパのラはいずれも小文字)。

 先住民族に、自然にリスペクトする。
 そういう時代がやっと来たんだなあと、感慨深いです。
 
 だいたい、「日本国内の外国語」をさらっと併記できる芸術祭なんて、ほかにあまりないのでは(沖縄とか、吉里吉里語とか、ケセン語とか、やろうと思えばできるかもしれないけど)。



 3) 主な会場

道立近代美術館=冒頭画像=
mima 道立三岸好太郎美術館
札幌芸術の森
札幌市民交流プラザ
札幌大通地下ギャラリー500m美術館
札幌市資料館
モエレ沼公園

 2017年、会場から外れた道立近代美術館がふたたび入っています。

 札幌市民交流プラザは初登場。
 できたばかりで、17年当時はオープン前だから当たり前ですが。

 17年の「狸小路TV」「都市と市電」のような、マチの中に分け入っていく会場の設定がありませんが、これは今後に期待したいと思います。

 いずれにしても、札幌の北東にあるモエレ沼公園、南端にある芸術の森など、会場がばらけていることは訪れる人にとってはけっこうな負担なので、利用しやすいシャトルバスの設定などを切に望みます(まあ、筆者ごときが言わなくても、準備すると思いますが)。



 4)実行委員会の構成



 アートのブログなら、3人のディレクター以外のキュレーターについて記すところですけど、最後にマニアックな話。

 2014、17年のSIAFでは実行委員会にマスコミ全社が名を連ねていましたが、今回は、NHKと北海道新聞社の代表しか入っていません。
 つまり、朝日、毎日、読売、日経の各北海道支社長、HBC(北海道放送)、STV(札幌テレビ)、HTB(北海道テレビ)、UHB(北海道文化放送)、TVH(テレビ北海道)、FM北海道、FMノースウエーブ、STVラジオの各社長の名が今回はないのです。

 マスコミが主催に入ると、その主催の媒体では大量の露出があるのに対し、他の新聞やテレビなどではちっとも取り上げられなくなるという傾向があります。
 筆者は、愛知県の空気は知りませんが、少なくとも前回までは中日新聞社が主催に入っているので、同紙ではたくさん紹介記事が出る一方で、テレビや全国紙などにはあまり登場しないのではないかと思われます。
 道内でも、2001年のデメーテルは、主催の十勝毎日新聞には毎日膨大な記事が載っていましたが、他の媒体ではあまり報じられなかったようです。

 実行委の構成を見ただけで
「おっ、今回からNHKと道新も主催か!」
というのは早とちりでしょうが
「NHKと道新にたくさん出る」
のと
「全媒体に少しずつ出る」
のと、どちらが宣伝効果があるか、札幌市ではてんびんにかけていろいろ考えているのでは~? と邪推するのでした。


□公式サイト https://siaf.jp/

□美術手帖のニュース https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/20224


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