
10月8日に、空知管内新十津川町吉野にある、五十嵐威暢さんのアトリエ兼ギャラリー「かぜのび」に行ってきました。
旧吉野小学校の建物を利用したものです。
2012年に路線バスが廃止されてしまい、車以外では訪問は困難です。国道451号は幅がやや狭いので、運転には注意が必要です。
※2024年6月追記。町内を予約制バスが走っているようです。詳しくは町のサイト( https://www.town.shintotsukawa.lg.jp/hotnews/detail/00004041.html )を参照願います
また、入り口の表示は小さくてちょっとわかりづらいですが、「元学校」ということを頭に入れておけばよいでしょう。
校庭だったところに、玄関からまっすぐ伸びるようなかたちで、大きな閉校記念碑が設置されてしました。
玄関側には、学校の沿革と校歌の歌詞が黒い石に刻まれています。
玄関は、ふつうの小学校式ではなく、黒い板で長い通路が取り付けられ、農村地帯から異界に行くトンネルのようです。もっとも、施設内は明るく、すっきりとしています。

1階には、大きな教室(旧職員室?)の壁ひとつをふさぐほどの巨大な陶板「思い出せない白の伝説」など、さまざまな作品が置かれています。
札幌芸術の森美術館の「五十嵐威暢の世界」やJRタワーでもおなじみの、横長の壁掛け型彫刻などもあります。
2階には上がれませんでした。
五十嵐さんのデザイナーとしての美意識ゆえだと思うのですが、作品タイトルはおろか、順路を示す標識も、「さわらないで」「撮影禁止」といった表示など、いっさいありません。
体育館に入ってびっくり。
先頃、札幌芸術の森美術館の前に取り付けられた「こもれび」の、さらに巨大なバージョンがつり下げられていたのです。
入り口で手渡された蛇腹式の小冊子に寄せられた酒井忠康さん(美術評論家、元神奈川県立近代美術館・世田谷美術館館長、後志管内余市町出身)のテキストによると、これは「ゆ・ふ・る・じ」という題で、横12×縦9×高さ4.6メートルという巨大さです。合板を切り抜いた模様が透けて見えるタイプで、内側に入ることができます。
(なお、この小冊子のすてきな写真は酒井広司さん。室蘭育ちの酒井さんの生まれは余市ですが、酒井忠康さんと親類ではないそうです)
ただ、ちょっと思ったのは、古い校舎が見事なまでにスタイリッシュに変身して、卒業生や地元の人はどういうふうに感じるんでしょう。たとえば上川管内幌加内町の旧政和小など、たいていの旧校舎には、昔の子どもたちが合作して描いた絵が体育館に残されていたり時間割が貼ってあったり、古い時代の面影が残されているものですが、「かぜのび」にはその手のものがほとんどないわけで、一抹のさびしさを感じたりしないのでしょうか。もちろん、取り壊されることに比べたらはるかに良いわけですし、外野のよけいなお世話ですが。
入場料は200円、小学生以下無料。
開設期間は5~10月。月曜休み(祝日は開館し翌火曜休み)。
□かぜのび http://www.takenobuigarashi.jp/kazenobi/
・JR新十津川駅から約15.6キロ、滝川駅から約16.2キロ
・北海道中央バス「橋本町」から約13.8キロ
旧吉野小学校の建物を利用したものです。
2012年に路線バスが廃止されてしまい、車以外では訪問は困難です。国道451号は幅がやや狭いので、運転には注意が必要です。
※2024年6月追記。町内を予約制バスが走っているようです。詳しくは町のサイト( https://www.town.shintotsukawa.lg.jp/hotnews/detail/00004041.html )を参照願います
また、入り口の表示は小さくてちょっとわかりづらいですが、「元学校」ということを頭に入れておけばよいでしょう。

玄関側には、学校の沿革と校歌の歌詞が黒い石に刻まれています。
玄関は、ふつうの小学校式ではなく、黒い板で長い通路が取り付けられ、農村地帯から異界に行くトンネルのようです。もっとも、施設内は明るく、すっきりとしています。

1階には、大きな教室(旧職員室?)の壁ひとつをふさぐほどの巨大な陶板「思い出せない白の伝説」など、さまざまな作品が置かれています。
札幌芸術の森美術館の「五十嵐威暢の世界」やJRタワーでもおなじみの、横長の壁掛け型彫刻などもあります。
2階には上がれませんでした。
五十嵐さんのデザイナーとしての美意識ゆえだと思うのですが、作品タイトルはおろか、順路を示す標識も、「さわらないで」「撮影禁止」といった表示など、いっさいありません。
体育館に入ってびっくり。
先頃、札幌芸術の森美術館の前に取り付けられた「こもれび」の、さらに巨大なバージョンがつり下げられていたのです。
入り口で手渡された蛇腹式の小冊子に寄せられた酒井忠康さん(美術評論家、元神奈川県立近代美術館・世田谷美術館館長、後志管内余市町出身)のテキストによると、これは「ゆ・ふ・る・じ」という題で、横12×縦9×高さ4.6メートルという巨大さです。合板を切り抜いた模様が透けて見えるタイプで、内側に入ることができます。
(なお、この小冊子のすてきな写真は酒井広司さん。室蘭育ちの酒井さんの生まれは余市ですが、酒井忠康さんと親類ではないそうです)
ただ、ちょっと思ったのは、古い校舎が見事なまでにスタイリッシュに変身して、卒業生や地元の人はどういうふうに感じるんでしょう。たとえば上川管内幌加内町の旧政和小など、たいていの旧校舎には、昔の子どもたちが合作して描いた絵が体育館に残されていたり時間割が貼ってあったり、古い時代の面影が残されているものですが、「かぜのび」にはその手のものがほとんどないわけで、一抹のさびしさを感じたりしないのでしょうか。もちろん、取り壊されることに比べたらはるかに良いわけですし、外野のよけいなお世話ですが。
入場料は200円、小学生以下無料。
開設期間は5~10月。月曜休み(祝日は開館し翌火曜休み)。
□かぜのび http://www.takenobuigarashi.jp/kazenobi/
・JR新十津川駅から約15.6キロ、滝川駅から約16.2キロ
・北海道中央バス「橋本町」から約13.8キロ