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北海道美術ネット別館

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PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015を見に行ってきた・はじめに ※追記あり

2015年05月10日 21時52分29秒 | 道外の国際芸術祭
 PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015を見に行ってきた。
 (PARASOPHIAは、パラノイア、パラサイトなどの接頭辞と「知恵」を意味するギリシャ語「ソフィア」をあわせた造語で、「パラソフィア」と発音するが、ポスターや公式文書などでカタカナで表記した例がほとんどないので、以下、PARASOPHIAで統一する)

 一昨年のあいちも、昨年のハマトリも見に行けなかった筆者が、京都に駆けつけたのは、今回の芸術祭が特別な関心を引いたからではなく、単に仕事の日程の関係で、「行けた」からにほかならない。
 インターネットなどで見る限り、PARASOPHIAに関しては、賛否両論があるようであるが、筆者は会期終了間際に1泊2日の強行軍をおして、駆けつけてよかったと思う。全体的に映像作品が多く、ほとんどは一瞥しかできなかった。ただ、ほぼ全編を見たウィリアム・ケントリッジとピピロッティ・リストはさすがと思わせるものだった。

 (追記)あと、グシュタヴォ・シュペリジョンと蔡國強に大笑い。アナ・トーフも興味深い。札幌国際芸術祭のスーザン・フィリップスとの“再開”もうれしかった。


 この2、30年来の傾向だと思うが、展覧会の評価として、キュレーティングやコンセプトなどがますます重視されるようになってきており、そのこと自体に異を唱えるつもりはない。
 ただ、一般の観客からすれば、テーマに沿った作品がうまくまとめられているかどうかもさることながら、心に残る作品があるかどうかも重要ではないか。
 その観点から、筆者は、今回わざわざ京都に飛んだ意味があったと感じているし、「行ってみたけどつまらない作品しかなかった」という人は少ないのではないか。
 美術の専門家は、他の国際展などで目に付いた作家が多いなどと批判するのかもしれないが、大半の観客にはそんなことはどうでもいいのだ。

 もっと言えば、PARASOPHIAは、特定のテーマを掲げていない。そのことはすなわち、国際展のテーマ主義に対するアンチテーゼになっているんじゃないか。


 なお、2日目に筆者は、滋賀県信楽の山中にあるMIHO MUSEUMまで足を伸ばした。

 バーネット・ニューマンの14点からなる連作「十字架への道行き」が一気に展示されているからである。
 米国の抽象表現主義を代表する画家の作品であるニューマンの大作をこれほどまとめて日本国内で見られる機会は、非常に珍しい。
 石山駅からバスで片道50分という、関西地方にこんな辺鄙な場所があるのかと驚くほどのロケーションであった。
 ただ、筆者はニューマンが好きなので、後悔はしていないが、すべての美術ファンにおすすめするかどうかは、行く手間を考えると、ややためらわれるところである。
 もっとも、同時開催の「曾我蕭白 富士美歩図屏風と日本美術の愉悦」や、常設の中東や中国などの古美術など見ごたえは十分で、一度は行く価値はあると思う。


 今回は非常に泥縄で、事前の予習も足りなかったこともあり、いろいろなハプニングがあったので、それについては別項で。 


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