2024年8月9~11日に訪れた美術館・ギャラリーは9カ所

　8月4～8日の「夏の旅」シリーズがどこまで続くのかまだ見通せませんが、とりあえず先を急がねば。

　9日(金)は午後から外出。
　道立近代美術館の「国宝「鳥獣戯画」北海道初公開 京都 高山寺展 ―明恵上人と文化財の伝承」展、後期が始まったので、見てきました。
　「鳥獣戯画」は乙巻後半。麒麟（キリンではない）や獅子（ライオンではない）といった、見たことのないはずの動物をすらすらと描く絵師の力量をたっぷりと堪能しました。
　甲巻のころにくらべて館内はすいていました。待ち時間なし。


　10日(土)
　さすがに疲れが出て自宅で休養。
　7月29日から前日まで続いていた美術館・ギャラリー巡りは12日連続でストップしました。


　11日(日)
　ドニチカきっぷを買って、市内のギャラリー巡り。
　公共交通機関でのギャラリー巡りは7月31日以来、実に11日ぶりです。
　この日、もしくは翌日が最終日という展示ばかりです。
　「会期末の男」を返上するまで、道のりは遠いといわなくてはなりません。

　茶廊法邑 さ ろうほうむらで「畑江俊明個展 錆びゆく時間のために」
　ギャラリースペースが金属の立体を組み合わせたインスタレーション。左側のカフェスペースにはモノクロ出力した写真とそれをもとにした版画など。
　かなり大がかりな個展でした。


→ギャラリー創で、國政サトシ展「光を集める籠」

　結束バンドを天然染料で染め上げ、バスケタリーの手法で組み上げたユニークな立体。ウニのような形や長靴の形の作品も。きょう11日午後5時まで。國政さんは京都市立芸術大学で工芸を学び、昨年札幌に1年間滞在、現在は秋田在住

→札幌市資料館で、馬場護展 HBCメモリアル ＆α（別項で紹介済み）と「空想夢奇譚」。


（空想夢奇譚の会場風景。画像左は想月ルナさん、奥はやまうちゆうかさん）

　資料館で開催中のワルシャワの展示は9月1日までなので、後日見ることにしました。

→ギャラリー犬養で「WHAT'S CHUPI? 杉原潤一と瀬川綺羅による2人展」と、Hiromitsu Hayasaka solo exhibition ”Plants”

人間の目には見えないが、向こうはこちらが見えている、架空の知的生物「chpui」がテーマ。謎めいてユーモラスな立体や絵画がいっぱい。星槎道都大中島ゼミの出身。

早坂浩光さんの個展“Plants”。壁一面の巨大な絵は現場で制作し、きのう完成したそう。奔放な筆が楽しい。個展タイトルが「植物」なのに、猫を描いた小品が多いのはご愛敬。

→三越札幌店9階ギャラリーで「越境する日本画」
　ギャラリートークを聞いていたら、司会者からいきなり振られてびっくり。
　これは別項で書きます。

→スカイホールで「古希記念 菅原京子書作展」
　かな書で、全室使用の大規模な個展。
　潤滑の表現に意を用い、連綿書きをあまりせず、直線的で力強い運筆は、師匠の阿部和加子さんゆずりでしょうか。
　今回は、第59回北海道書道展の出品作であるいろは歌のような、可読性を重んじた作は多くはなかったようで（エレベーター前の屏風は読みやすい作でした）、斎藤茂吉などの歌に自在に取り組んでいました。
　菅原さんは北海道書道展の会員で、読売書法展に出品しています。

→さいとうギャラリーで、佐藤正人さんのイラストレーション展、星槎道都大「zoo展」

　
　遅い昼食。
　丸井今井地下の「A」で大ざる。

　つい、ジュンク堂書店丸善札幌本店に寄ってしまい『南海トラフ地震の真実』（東京新聞）、『南海トラフ地震』(岩波新書）、『妖怪文化入門』(角川ソフィア文庫）を購入しました。
　てっきり、文学者が亡くなったときみたいな特集コーナーができているのではないかと思っていたのですが、南海トラフ巨大地震コーナーなどは見当たらず。
　それより、こんな大きな書店なのに、地学・地震関連書（天文、気象は除く）が棚一つに満たないことにびっくり。
　もちろんジュンク堂の品ぞろえを責めているのではなく、こんな世界的地震国で、地震や地球について書いた書物の少なさにおどろいた次第です。
　
　
　カフェエスキスが12日から夏休みに入ることをすっかり忘れていて、あわてて行きました。
　「高田健治展ー光」を見ました。
　十勝管内幕別町在住。全道展会員には珍しく日本画の画材などを用い、茫漠とした広がりのある世界を描いています。


　この2日間で訪れた美術館・ギャラリーは計9カ所でした。