北海道美術ネット別館

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■十勝の画家たち展 (2024年8月14~26日、札幌)

2024年08月26日 09時07分00秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 十勝管内新得町の画家で全道展会員の森弘志さんの音頭で始まった5人展です。
 

 近年は全道展に、魚やカニを写実的かつ大きく描き、近年はやりの写実絵画をわらうかのような(本当のところはわかりませんが)絵画を出している森さんですが、今度は木々の幹だけを描いた絵を並べています。
 左から
「シラカバの木」「クルミの老木」「プラタナスの木」「イチイの木」
です。

 通常の絵画であれば失敗とされかねない構図をあえて採用することで画面を構築できるのか、というちょっと変わった問題意識が、森さんの画業を支えているようにも感じます(これも本当のところはどうなんだろう…)。
 そもそも、木の全体像も葉も描かず、幹だけというのが意表を突きます。木を題材にしてカンバスは横位置って、ふつうはしませんよね。



 神田絵里子さんは明快な色調とくっきりとした彩度の写実的な風景画を描いています。
 「緑の川面」「早春」「冬木立ち」「雨上がり」「新緑」の5点。

 「冬木立ち」には、葉を落とした木々のなかで、茶色の葉をつけたままのカシワが目を引きます。十勝らしい光景だと思います。



 佐藤真康さんは全道展会員。
 「蕗」「樹―2」「樹-1」のほか「ベタ1」「ベタ2」「街路樹3」「街路樹2」。
 緑のとらえ方が他の画家と異なるのがわかります。



 中村富志男さんはこの春、一水会会友に推挙されました。
 道内各地の風景を丹念に描写しています。
 「初雪降る朝」「イワオヌプリ紅葉」「樹海越しの阿寒山頂」「積丹岳と野塚を望む」「礼文澄海岬」



 異色なのが松久充生さん。
 上の画像の「雷電202W0104V07」と「それさえも意味をなさない」の2点を出品しましたが、いずれもF100。
 北都館は基本的に小品展が多く、100号を搬入したのは初めてのこと。まさにギリギリでした。
 毎年の新道展に出す絵(松久さんは会員)以外に小品の手持ちが全くなかったそうで、森さんは「小品はただサイズが小さいというだけではなくて、描いてみるといろいろ勉強になるのに…。次までには用意してきてほしい」と、もう来年の話をしていました。

 画風も黒を基調に、女性像などをカラフルかつポップに描いた独特のもの。
 うまく言えませんが、まさに「現代の絵画」と形容できそうな気がします。
 

2024年8月14日(水)~26日(月)午前10時~午後7時(月曜~午後5時)、火曜休み
カフェ北都館ギャラリー(札幌市西区琴似1の3)

今週の展覧会情報

作品リスト 森弘志 F8:シラカバの木、クルミの老木、プラタナスの木、イチイの木 佐藤真康 F8:樹1,樹2 F6:蕗 SM:街路樹2,街路樹3,ベタ1,ベタ2 神田絵里子 F8:早春、冬木...

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北都館は札幌市西区琴似の画廊喫茶です。水曜から月曜までの6日間を1サイクルとして、道内の多くの画家が個展やグループ展を開いています。また、奥のもとバックヤードだっ...

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※リンク先には「5番出口」とありますが、その近くにできたエレベーターを利用する方がさらに早いです

・地下鉄東西線の琴似駅から約270メートル、徒歩4分
・JR琴似駅から約740メートル、徒歩10分

・ジェイアール北海道バス「山の手一条通」から約920メートル、徒歩12分(快速、都市間高速バスは通過)
・ジェイアール北海道バス、中央バス「西区役所前」から約960メートル、徒歩13分


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