歌手・工藤静香さん(40)の絵画『瞳の奥』が、1日から東京・六本木の国立新美術館で開催中の『2010年度 第95回記念 二科展』の「絵画部」で特選に選ばれたそうです。
わたしは、べつに彼女の知り合いではないですし、北海道の美術とも関係ないですが、おめでとうございます。
ただ、知らない人もいるかと思うので、いちおう書いておきます。
美術の団体公募展は、だいたい
「会員」
「会友」
「一般出品者」
という序列があります(会によっては「会員」「一般出品者」の2段階だったり、「会員」の上に「委員」がいる4段階だったりしますが)。
大所帯の日展をのぞけば、たいていは「会員」イコール「審査員」です。
「一般出品者」の「入選」は、じつはそんなに狭き門ではありません。しかし、今回のように「特選」、さらにその上の賞を受賞するのは大変なことです。
そして、受賞を何回か重ねた人のみが、審査フリーパスである「会友」に昇格し、さらに会友の中で優秀と目された人が「会員」として、審査する側にまわるのです。
どんなコンクールでもそうですが
「審査する側」
のほうが
「審査される側」
よりも格が上なのはいうまでもありません。
二科展の特選が容易に得られるものでないことは言うまでもないのですが、ほんとにすごい画家は、15回も出品していれば、すでに何度も賞を得て会友や会員になっていることでしょう。
もちろん、そんな人はごく一握りなのであって、そうじゃないからといってダメだということではないんですけどね。
工藤静香さん二科「特選」、百号「瞳の奥」(読売新聞) - goo ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100901-00000027-oric-ent
いつも楽しく読ませてもらってます。
この記事を読むまで、「工藤静香=二科展」というのを、すっかり忘れていました。
どの団体も手狭だった上野の美術館を離れ、六本木の新美術館に移ったまでは良かったようですが、今度は逆に作品が少な過ぎたり、または資金が足りなくなったりで、審査が甘くなって入選を大量に出してみたり、客寄せの為のイベントみたいなものを熱心にやったり。
おかげで自分の出品している団体も、気のせいか、年々図録が厚くなってきているような...。
どこの会も大変みたいですね。
新国立のほうが借り賃高いし、また、若い人は団体公募展に出さなくなっているので、どこも大変でしょうね。まだ二科は話題づくりがうまいほうでしょうね。
都美残留組も、こんどは都美の改築で2年間放浪生活になり、これまた大変のようです。
いずれにしても日本には団体公募展が多すぎるので、逆に、見られなくなってしまっているという面はあると思います。