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北海道美術ネット別館

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■第44回 美工展 (2017年4月19~23日、札幌)=続き

2017年04月22日 09時35分24秒 | 展覧会の紹介-団体公募展
(承前)

 美工展には、次の部門が設定されています。

押花・織・ガラス・金工・組紐・刺しゅう・染色・籐・陶芸・人形・皮革・ペーパークラフト・ボビンレース・木彫・木工・葉彩画・和紙絵・その他の工芸

 道展や全道展では作品を見かけない分野もあります。
 かつては陶芸が多かったのですが、その後は出品者が減っています。

 画像は事務局長の山谷智子さん(札幌)の「古城―サレルノ―」。
 イタリアを旅した際に得た印象を盛り込みました。頂上部のでっぱりに、それが現れています。


 会員の町田睦子さん(札幌)「愛惜」。
 なぜか、非常なさびしさ、せつなさが感じられます。

 背後の壁に見える作品のうち、右の2点はこのたび会友に推挙された橋本昌司さん(江別)のペーパークラフト。
 右の「微笑」は、モナリザのパロディーになっています。
 橋本さんは「ロルンプヤ 神窓」で佳作賞を受け、会友に推挙されています

 右から3番目は、会員・小林ちほさん(同)「石目リンゴ」。
 これは、道都大の中島ゼミ展に出品されていたものだと思います。


 染色や織は、道都大出身者の若手による現代的な、あるいはユーモラスな作品と、伝統的な作品の両方があり、幅が広いです。
 画像は伝統的な作品を集めたサイド。
 右側は山内价子さんの「昇龍」。
 そのとなりは、近藤香代子さんの「初成り」。
 3番目は五十嵐圭子さんの「育み」。
 3人とも会員です。
 左端は会友の佐藤美智子さん「華の雫」。藍色が美しいです。

 いずれも札幌在住です。 
 

 右端は、唯一の金工会員である、丸山恭子さん(函館)の「道(さ迷う)」。
 さまざまな形の金属片が貼り付けられていますが、筆者の目には、四辺を海底に見立てた、海藻(コンブ)の林のように見えました。


 ここで、分野別の人数をまとめておきます。

染色 8=会員6、会友2
組紐 6=会員5、会友1
陶芸 6=会員5、一般1
織  6=会員4、一般2
和紙絵6=会員3、会友1、一般2
皮革 5=会員1、一般4(7点)
ペーパークラフト5=会員1、会友1、一般3(5点)
木工 5=会員2、会友1、一般2(3点)
押花 4=会員1、会友1、一般2(3点)
人形 3=会員1、一般2
木彫 2=会員1、会友1
ガラス1=一般1(2点)
金工 1=会員
刺繍 1=会員
ボビンレース1=会員
葉彩画1=会員
その他=一般1
(物故2人)

 ここ数年、染色のトップが続いています。

 左は、「人形」に区分されていますが、宮崎広幸さん(札幌)の「森のゆうえんち」。
 枝などを用いた、たいへんな労作です。アートかどうかはわかりませんが、誰が見てもほおが緩む楽しい作品です。

 なお、人形分野では釧路の会員、上邑紅緒さんの「PREGAGE」が、ベテランの健在ぶりを見せていました。

 この数年の、道内の人形分野の活況を見ていると、もう少し出品数があってもいいんじゃないかとも思います。

 最後に、木彫の成田得平さん(札幌)の「トンコリ(五弦琴)」。
 これは、音が聞きたかったなあ。アイヌ民族の伝統楽器ですが、ムックリほどひんぱんに見る機会があるわけではありません。


 会友の中から選ばれる奨励賞には、和紙絵の三浦秀子さん(札幌)の「ワイメア渓谷」が選ばれ、会員に推挙されました。スケール感を出すべく奮闘しています。
 もうひとりの新会員は押花の福崎俊美さん(室蘭)です。

 また、会友には、織の常本幸子さん(札幌)、ペーパークラフトの橋本昌司さん(江別)、ガラスの吉田房子さん(札幌)、その他の山田光代さん(東京都世田谷区)の4人が選ばれました。


2017年4月19日(水)~23日(日)午前10時~午後6時(最終日~4時)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)

□美工展 http://www.geocities.jp/hokkaidou_bikouten/

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