紀伊國屋書店札幌本店に、1冊だけサイン入りが残っていたので買ってきた。
矢野直美さんは道内を拠点としながら全国的に活躍するフォトライターで、鉄子(鉄道ファンの女性)の代表的な存在である。
たしかに北海道では、列車で通学する高校生、あるいは通学の行為のことを
「汽車通」
という。
「電車通学」
とはいわない。
この写真集にも書いてあるとおり、彼(女)らが乗っているのは、大半がディーゼル車であり、じっさいのところ「電車」ではないからだ。
全国で鉄道をテーマにした写真を撮り、文章も書く矢野さんが、網走、稀府(伊達市…だったと思う)、上ノ国(檜山管内)、留萌、上磯(北斗市)など、四季折々の地方の駅の風景と、通学する高校生たちの表情をとらえた、横長の写真集。
小樽、女満別(オホーツク管内)、桂台(網走市)、増毛(留萌管内)といったあたりもあるようだ。
いわゆる鉄道ファン向けじゃないので、親しみやすい。
ところで。
日本国内では数多くの鉄道写真が撮影されているが、見る人の郷愁に訴えるものが非常に多い。
しかし、この写真集には、わざわざ懐かしいものを狙って撮った形跡がまるでない。
旧型の客車とか木造駅舎、廃線跡、腕木式信号機など、鉄道ファンの心をくすぐるような仕掛けをあえて排しているようですらある。
札幌や旭川といった大きくて近代的な、高校生以外の利用も多い駅はあえて外しているようではあるが。
また、高校生たちも、もちろん現代の少年少女である。わたしが高校生だったころは、携帯電話も女子の化粧もなかった。
にもかかわらず、現代の写真の中に、かつて誰もが抱いていたであろう青春の心模様が透けて見えてくるのは、矢野さんの力量なんだろうなと思う。
ケータイを持ち、ストラップをさげていても、たあいのないおしゃべりに興じている高校生たちの表情は、ずーっと昔から変わらないし、これからも変わらないだろう。
見た目はかわっても、やっぱりどこかなつかしい。ここにあるのは、そんな写真と、短いテキストなのだ。
メディアファクトリー、1680円。
矢野直美さんは道内を拠点としながら全国的に活躍するフォトライターで、鉄子(鉄道ファンの女性)の代表的な存在である。
たしかに北海道では、列車で通学する高校生、あるいは通学の行為のことを
「汽車通」
という。
「電車通学」
とはいわない。
この写真集にも書いてあるとおり、彼(女)らが乗っているのは、大半がディーゼル車であり、じっさいのところ「電車」ではないからだ。
全国で鉄道をテーマにした写真を撮り、文章も書く矢野さんが、網走、稀府(伊達市…だったと思う)、上ノ国(檜山管内)、留萌、上磯(北斗市)など、四季折々の地方の駅の風景と、通学する高校生たちの表情をとらえた、横長の写真集。
小樽、女満別(オホーツク管内)、桂台(網走市)、増毛(留萌管内)といったあたりもあるようだ。
いわゆる鉄道ファン向けじゃないので、親しみやすい。
ところで。
日本国内では数多くの鉄道写真が撮影されているが、見る人の郷愁に訴えるものが非常に多い。
しかし、この写真集には、わざわざ懐かしいものを狙って撮った形跡がまるでない。
旧型の客車とか木造駅舎、廃線跡、腕木式信号機など、鉄道ファンの心をくすぐるような仕掛けをあえて排しているようですらある。
札幌や旭川といった大きくて近代的な、高校生以外の利用も多い駅はあえて外しているようではあるが。
また、高校生たちも、もちろん現代の少年少女である。わたしが高校生だったころは、携帯電話も女子の化粧もなかった。
にもかかわらず、現代の写真の中に、かつて誰もが抱いていたであろう青春の心模様が透けて見えてくるのは、矢野さんの力量なんだろうなと思う。
ケータイを持ち、ストラップをさげていても、たあいのないおしゃべりに興じている高校生たちの表情は、ずーっと昔から変わらないし、これからも変わらないだろう。
見た目はかわっても、やっぱりどこかなつかしい。ここにあるのは、そんな写真と、短いテキストなのだ。
メディアファクトリー、1680円。
あなただったら、知り合いの知り合いぐらいに有名人、けっこういるでしょうが。