村上隆氏作品に16億円 フィギュア、NYで競売(共同通信) - goo ニュース
時事通信の原稿がいちばん臨場感があるようなので、引用しておきます。
これ、2001年に東京都現代美術館でひらかれた村上隆の個展で見ました。
まあ、世間一般の価値観からいくと、相当おげれつな作品です。
裸の男が立っていて、その陰部からほとばしり出た精液が輪を描きながら中空を上っていくというものです。
文字にすると相当アホくさいですな。
ただ、そういうのをかっこに入れて見ると、なかなか力強いというか「少年ジャンプ」の表紙を飾りそうな、まとまった造形です。
じぶんだったら、同じお金があれば、ココちゃんのほうを買うだろうなあ。精液くさい男なんて、ヤだ(笑)。
先日、「西洋名画の値段」という本を読みました。
巨匠と呼ばれる画家たちの名画が、当初はいかに安く、その後おどろくべき高値になっていったかを追ったものです。
1999年の発行なので、ややデータは古いのですが、印象派の巨匠でも、億単位になったのは、ほとんど歿後であることや、エコール・ド・パリの画家たちが近年は伸び悩んでいることなどがわかりました。
生存中に1点1億円を突破したのは、シャガールやピカソなど長命の一部の画家にとどまるようです。
それを思えば、物価上昇などがあるとはいえ、まだ46歳の美術家の作品が十数億円というのは、いくらなんでも…という気がします。
というか、村上隆にかぎらず、最近の美術市場の高騰は、いささかタガがはずれているように思うのです。
あと、このオークションは米国でおこなわれたことにも、注意を払う必要があるでしょう。
美術市場の景気が良いのは、ニューヨークや上海などです。東京にはあまり波及していないようですし、まして北海道にいると、どこの星の話なんじゃ! と言いたくなってきます。
村上さんがもうかるのはけっこうなことですが、あまりに「一極集中」「有名人志向」が強まるのは、なんだかなーと思います。その一部でも、地方でシコシコがんばっている作家たちに流れてきて、とりあえず「食える」ようにならないかなあと思うのです。
時事通信の原稿がいちばん臨場感があるようなので、引用しておきます。
【ニューヨーク14日時事】現代美術家の村上隆氏のフィギュア作品「マイ・ロンサム・カウボーイ」が14日夜、米ニューヨークの競売商サザビーズでオークションに掛けられ、1516万ドル(約15億9500万円)で落札された。予想額(300万-400万ドル)を大幅に上回る高値に、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
この作品は村上氏が1998年に作製した裸の男性のフィギュアで、高さ254センチ。アクリルとファイバーグラス、鉄で作られている。サザビーズによると、同氏の作品でこれまで最高額だったのは、今年4月に英ロンドンで落札されたフィギュア作品「パンダ」の272万ドルだった。
これ、2001年に東京都現代美術館でひらかれた村上隆の個展で見ました。
まあ、世間一般の価値観からいくと、相当おげれつな作品です。
裸の男が立っていて、その陰部からほとばしり出た精液が輪を描きながら中空を上っていくというものです。
文字にすると相当アホくさいですな。
ただ、そういうのをかっこに入れて見ると、なかなか力強いというか「少年ジャンプ」の表紙を飾りそうな、まとまった造形です。
じぶんだったら、同じお金があれば、ココちゃんのほうを買うだろうなあ。精液くさい男なんて、ヤだ(笑)。
先日、「西洋名画の値段」という本を読みました。
巨匠と呼ばれる画家たちの名画が、当初はいかに安く、その後おどろくべき高値になっていったかを追ったものです。
1999年の発行なので、ややデータは古いのですが、印象派の巨匠でも、億単位になったのは、ほとんど歿後であることや、エコール・ド・パリの画家たちが近年は伸び悩んでいることなどがわかりました。
生存中に1点1億円を突破したのは、シャガールやピカソなど長命の一部の画家にとどまるようです。
それを思えば、物価上昇などがあるとはいえ、まだ46歳の美術家の作品が十数億円というのは、いくらなんでも…という気がします。
というか、村上隆にかぎらず、最近の美術市場の高騰は、いささかタガがはずれているように思うのです。
あと、このオークションは米国でおこなわれたことにも、注意を払う必要があるでしょう。
美術市場の景気が良いのは、ニューヨークや上海などです。東京にはあまり波及していないようですし、まして北海道にいると、どこの星の話なんじゃ! と言いたくなってきます。
村上さんがもうかるのはけっこうなことですが、あまりに「一極集中」「有名人志向」が強まるのは、なんだかなーと思います。その一部でも、地方でシコシコがんばっている作家たちに流れてきて、とりあえず「食える」ようにならないかなあと思うのです。
文化は官に頼る時代は終わりましたね。
いくら税金を投入しても公金である以上
常に投入の『是非』に論議が集中します。
その論議に文化の意義などほとんど注意が払われない。
村上さんのような儲かった作家や企業が基金をつくって
本当に良いものを創っている作家のバックアップを
するような時代になることを希望しますね。
それと、美術家など、文化に関わる『職業』として
社会的な認知をすると言うことが文化の普及には
必須の条件のような気がします。
『この程度の国民にはこの程度の文化』とは言われ尽くされた言葉です。
村上隆は昨年もニューヨークでお茶会なんかしていたので、高値の材料はあったような気はします。
しかし、売主はいったいどんな方なのだろう。
ところで東京の市場に関しては、売れているかどうかはともかく、売り方のバリエーションが増えてきたなと感じます。
たしかにいま米国はサブプライムローン問題で、あまり景気は良くないはずなんですが…。これが最後の一花、なんでしょうか。
ちょっと前によく話題になっていた、公立美術館による高額美術品の購入のことですが、たとえばリキテンシュタインなどの場合、「相場より高い」という要素があったから問題視されていた部分は大きいと思います。
しかし、これだけ美術品が高騰すると、もうオールドマスターを日本の美術館が買うのはほぼ絶望的ですな。
積極的な法人化で民間資金とタイアップで買う努力も可能な時代で…
で思い出したけれども、いまは逆に、美術に関しても、大型スーパーやらヴィトンのようなブランドのお店が地方に上陸して地方の商店街が打撃を受ける、というようなことが起こりそうな状況にあるきがします。
私も、美術品を所有する視点に立つと、ブランドや大型店が安心と感じるので、悩ましいです。ほんとうは逆に、地域の名産品をアピールせねばならないくらいなのですが、これは難しい課題。
レス遅れてすいません。
民間の物をうまくパブリックな所蔵品にしていく税制とか仕組みとかがもっと整備されればいいのかもしれないですね。
>midaregumoさん
なるほど、ブランドと似ているかもしれないですね。
ほかの人が持っていたり、お墨付きを与えていれば安心という…。
「ほんとうは逆に、地域の名産品をアピールせねば」
これはうまい比喩ですね。