やっと見に行ってきました。
コンセプトについてはあとで述べるとして、作品自体はなかなか良かったです。
館のサイトによると、趣旨はこういうことらしいです。
その16人を、居住地別に分けてみると…
首都圏:青木美歌(?)、池田光弘、諏訪敦、松永かの
札幌圏:朝地信介、毛内やすはる、貝澤珠美、Kinpro(新矢千里)、鈴木涼子、高橋喜代史、端聡、伴翼、真砂雅喜
室蘭:福井路可
富良野:盛本学史
広島県尾道市:野上裕之、
というあんばいになります。
「大地に実る」と称していますが、いかにも北海道!ってところに住んでいるのは盛本さんぐらいでしょうか。
青木さんはいまどちらにお住まいなんでしょう。
彼女は昨年3月の「サッポロ未来展」で鮮烈な札幌登場を果たしましたが、今回も、非常に印象的なインスタレーションに仕上がっています。
用いられている車はダイハツ車のようです。60年代のものでしょうか。
外側のボンネットや屋根はもちろんのこと、シートやフロントグリル、エンジンまわりにまで、繊細なガラスがおびただしく配置されています。まるで胞子が繁殖しているかのようです。
ただ、おもしろいなーと思ったのは、車内に「中央区南4東1」の住居表示板が置いてあったこと。「ライポンF」の表示板ならともかく、これと車の年代が違いすぎます。なにか意図があるのでしょうか。
個人的には野上さんのも良かったです。
筆者は、2004年のtemporary spaceでの個展を見ていないので新鮮に感じたという面もあるかもしれませんが。
台の上に載った、ちょうつがいのついた木の塊をそっとあけると、中には人のかたちをしたくぼみがあり、周囲には、それで型を取った金属片が散らばっていました。
金属は、すこしずつ形が異なります。
それらは筆者には、死と再生と変奏の儀式のように感じられたのです。
筆者には、以前は「肉体で勝負!」的なパフォーマンスに取り組んでいた姿と、彫刻家としての野上さんとがどうしてもうまく結びつかないのですが、造形的な完成よりも行為にまつわるなにかを重視しているように見えるあたりは、野上さんは変わっていないのかもしれません。
また
「よくぞ展示してくれた!」
と思ったのは、貝澤さん、kinproさん、諏訪さんです。
諏訪さんは中央の画壇では新進画家として注目されており、雑誌などにしばしば登場しています。
驚嘆すべき描写力には、時々しか触れる機会がありませんでしたが、今回まとめて見ることができ、その対象の美醜をひっくるめてリアルに迫る力にあらためて舌を巻きました。
それにしても、東京タワーが横倒しになっている絵って、どうして「NIRVANA」なんですかね。これは仏教用語のほうじゃなくて、ロックバンドの名前のほうかな?
貝澤さんは、ギャラリーでの個展やグループ展というかたちではあまり発表していません。また、Kinpro(新矢千里)さんはSOSO CAFEで発表していました。
美術館学芸員のアンテナが広いのは、いいことです。
あと、松永さんは、ぜんぜん知りませんでした。
こういう茫漠とした木版画の世界というのもアリなんですね。
胸にしみました。
(長くなったので以下別項)
07年11月1日(木)-2008年1月24日(木)
道立近代美術館(中央区北1西17 地図D)
一般600(500)円 高校大学生400(300)円 小中学生200(100)円、共通券・一般 800円 同・高校大学生 500円(カッコ内は前売り・団体)
北海道アートの今を伝える展覧会Born in HOKKAIDO大地に実る、人とアート』が開催 - CINRA.NET
□artscapeの学芸員レポート http://www.dnp.co.jp/artscape/exhibition/curator/kt_0711.html
□NUMERO DEUXの学芸員インタビュー http://numero.txt-nifty.com/blog/2007/12/post.html
コンセプトについてはあとで述べるとして、作品自体はなかなか良かったです。
館のサイトによると、趣旨はこういうことらしいです。
北海道立近代美術館では、開館30周年を迎えるにあたり、あらためてこの北海道の地に軸足をすえ、風土がはぐくむ人間の創造性、さらにはその継承と発展をも視野に入れながら、いまを生きる本道出身の16人のアーティストの作品と、未来をになう子どもたちの作品を紹介します。
その16人を、居住地別に分けてみると…
首都圏:青木美歌(?)、池田光弘、諏訪敦、松永かの
札幌圏:朝地信介、毛内やすはる、貝澤珠美、Kinpro(新矢千里)、鈴木涼子、高橋喜代史、端聡、伴翼、真砂雅喜
室蘭:福井路可
富良野:盛本学史
広島県尾道市:野上裕之、
というあんばいになります。
「大地に実る」と称していますが、いかにも北海道!ってところに住んでいるのは盛本さんぐらいでしょうか。
青木さんはいまどちらにお住まいなんでしょう。
彼女は昨年3月の「サッポロ未来展」で鮮烈な札幌登場を果たしましたが、今回も、非常に印象的なインスタレーションに仕上がっています。
用いられている車はダイハツ車のようです。60年代のものでしょうか。
外側のボンネットや屋根はもちろんのこと、シートやフロントグリル、エンジンまわりにまで、繊細なガラスがおびただしく配置されています。まるで胞子が繁殖しているかのようです。
ただ、おもしろいなーと思ったのは、車内に「中央区南4東1」の住居表示板が置いてあったこと。「ライポンF」の表示板ならともかく、これと車の年代が違いすぎます。なにか意図があるのでしょうか。
個人的には野上さんのも良かったです。
筆者は、2004年のtemporary spaceでの個展を見ていないので新鮮に感じたという面もあるかもしれませんが。
台の上に載った、ちょうつがいのついた木の塊をそっとあけると、中には人のかたちをしたくぼみがあり、周囲には、それで型を取った金属片が散らばっていました。
金属は、すこしずつ形が異なります。
それらは筆者には、死と再生と変奏の儀式のように感じられたのです。
筆者には、以前は「肉体で勝負!」的なパフォーマンスに取り組んでいた姿と、彫刻家としての野上さんとがどうしてもうまく結びつかないのですが、造形的な完成よりも行為にまつわるなにかを重視しているように見えるあたりは、野上さんは変わっていないのかもしれません。
また
「よくぞ展示してくれた!」
と思ったのは、貝澤さん、kinproさん、諏訪さんです。
諏訪さんは中央の画壇では新進画家として注目されており、雑誌などにしばしば登場しています。
驚嘆すべき描写力には、時々しか触れる機会がありませんでしたが、今回まとめて見ることができ、その対象の美醜をひっくるめてリアルに迫る力にあらためて舌を巻きました。
それにしても、東京タワーが横倒しになっている絵って、どうして「NIRVANA」なんですかね。これは仏教用語のほうじゃなくて、ロックバンドの名前のほうかな?
貝澤さんは、ギャラリーでの個展やグループ展というかたちではあまり発表していません。また、Kinpro(新矢千里)さんはSOSO CAFEで発表していました。
美術館学芸員のアンテナが広いのは、いいことです。
あと、松永さんは、ぜんぜん知りませんでした。
こういう茫漠とした木版画の世界というのもアリなんですね。
胸にしみました。
(長くなったので以下別項)
07年11月1日(木)-2008年1月24日(木)
道立近代美術館(中央区北1西17 地図D)
一般600(500)円 高校大学生400(300)円 小中学生200(100)円、共通券・一般 800円 同・高校大学生 500円(カッコ内は前売り・団体)
北海道アートの今を伝える展覧会Born in HOKKAIDO大地に実る、人とアート』が開催 - CINRA.NET
□artscapeの学芸員レポート http://www.dnp.co.jp/artscape/exhibition/curator/kt_0711.html
□NUMERO DEUXの学芸員インタビュー http://numero.txt-nifty.com/blog/2007/12/post.html
冬の朝、ああいうのが車に付いていたら
面白いのになぁ、とか(笑)
ガラスに夢中になりすぎて、車内にあった
住居表示板は見落としてしまいました…
なんだかわたしには、キノコみたいに見えて…。
あるいは、腐海の植物のように感じました。
フクメンねこさんは詩人なんですね♪