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■秋元さなえ展「サイアノタイプ」 (2024年3月20~26日、札幌)

2024年03月26日 09時44分42秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 江別を拠点に活動している秋元さなえさんの個展の会場はずっと、札幌市北区のななめ通り沿いにあるテンポラリースペースでした。
 今回のタイトルになっている「サイアノタイプ」は日光写真の意味。
 布に特殊な感光液を塗布し、昨年末から今年初めにかけて、テンポラリースペースの中にさしこんでくる陽光をとらえた作品を、会場内(1階に2枚、2階に2枚)につり下げています。
 冒頭の作品は昨年12月30日に制作したもの。冬の日らしく、弱い日光が定着しています。

 次の画像は2階。
 こちらの制作時は、もう少し晴れて日の光が強かったようです。

 
 考えてみれば、現行のテンポラリースペース(temporary space)は、画廊としてはいささか奇妙な構造をしていました。
 西側が入り口で、南側も窓になっています。
 西日が展示室内に差し込むのは、一般的なギャラリーではあまり例がありません。

 さらに1階天井の板をはがして吹き抜けとし、2階は回廊のような展示スペースにしていました。
 2階までは毎回、急な角度のはしごを上り下りしていました(奥に階段もあったらしいですが)。
 2階も西側は窓です。
 
 
 要は、「画廊」と呼ぶには壁面の長さが足りないわけですが、こういう、一見すると悪い条件を逆手にとって、いろいろな作家がユニークなインスタレーションなどを展開していたのです。

 これは、秋元さんが
「談話室」
と呼んでいる奥の部屋(中森さんは生前ここにいて、知人が来るとコーヒーをいれてふるまい、談話に興じていた)の窓の光。 
 
 
 窓ぎわに置かれたさまざまなモノが影となっています。

  
 
 冒頭画像の右側で、星座を思わせる作品が壁に掛かっています。
 これは昨年秋、岩見沢市絵画ホールでのグループ展「ホープ展」に出品したもの。

 岩見沢での自分の立ち寄り先などの場所を、地図にプロットし、その位置に石炭を配して棒でつないでいます。

 1970年代ぐらいまでは石炭なんぞ、そこらへんの道ばたによく落ちていましたが、時代が違うので秋元さんはちゃんとした手続きを踏んで入手したそうです。
 

 壁際の床の上には、まるい鏡が置かれ、石炭の星座を映し出していました。
 
 次の画像、玄関スペースの、床の間のようなところにつりさがっていた星座は、石炭ではなく、瑪瑙 め のうです。
 バックには、高臣大介さんが置き去りにしていったガラス製オブジェがつり下げられているので、見づらい写真になってしまい、申し訳ありません。
 
 これは、生前の中森さんを車を乗せて一緒に石狩川の河口附近に行ったことがあり、そのときに岸で拾ったものだそうです。
「『中森さん、これ瑪瑙?』ってひとつひとつ聞きながら拾っていました」
と秋元さんは回想します。


 テンポラリースペースは、31日に1日限りの展示を行い、クローズします


2024年3月20日(木)~26日(火)正午~午後7時(25日は午後3~7時、最終日は午後3~9時)
temporary space (札幌市北区北16西5)

□アトリエとりむしさかな日記 https://torimushisakana.hatenablog.com/

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北海道教育大学卒業制作展(2021)
北海道教育大学岩見沢校美術コース空間造形研究室「三年生の三人展」 (2010)




・地下鉄南北線「北18条駅」から約430メートル、徒歩6分
・中央バス「北18条西5丁目」から約290メートル、徒歩4分

(この項続く) 


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