7月26日に見た本田征爾展の会場風景です。
本田さんは札幌在住の画家。
奇妙な動物や生き物が水彩で描かれた幻想的な小品が並んでいるのは、いつもの本田さんの個展風景と同様です。
ただし、今回は粘土の立体が一点もありません。
絵画は、人物をモチーフにした作品がいつもにくらべると多いような感じを受けます。
統計を取っているわけではないので、はっきりとはわかりませんが。
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お盆時季に毎年、夕張市美術館が所蔵していたコレクションを公開する展覧会。
タイトルには明記されていませんが、事実上の「木下勘二展」といってよいでしょう。
会場の「りすた」では、廃校になった市内の小学校の歴史の特集展示や、石炭細工の展示、新収蔵品の紹介なども行われていて、にぎやかですが…。
木下勘二(1917~89)は夕張生まれで、晩年は釧路で活躍した画家です。
筆者もこれまで何度か作品 . . . 本文を読む
(承前)
白日会は日展系の団体公募展。絵画と彫刻があります。
この春、第100回の記念展を開きました。
近年はスーパーリアル系の画家が多く所属することで知られています。
回数を見ればわかりますが、北海道支部も長い歴史があります。
今回は、ベテラン会員の小堀清純さんと中矢勝善さんの特別企画展を行い、2人の作品を特陳していました。
冒頭画像は小堀さんの「雪の漁港」(2020)、「古潭 . . . 本文を読む
三回忌を迎えた館田孝廣さん、娘・高田千絵さん、孫・羽未さんと爽良さんによる絵画展。
おなじタイトルと趣旨の展覧会は一昨年にも開かれていました。
筆者はすっかり忘れていました。
館田さん(1949~2022)は、2007年に退職すると、本格的に水彩画の筆を執り始めました。
10年には道展で佳作賞を受賞したほか、日本水彩画会(日水)でも入選を重ね、21年には日水の会友に推挙されています . . . 本文を読む
(承前)
出品者の減少や高齢化に悩む団体公募展が多い中、日本水彩画会の北海道支部はことしも25人が計35点を出品し、盛んなところをみせています。
ただし、本展に出していて、支部展には欠席という人も目立ちます。運送などがネックになっているのでしょうか。直近で会員推挙となった小林とよ子、下條睦子、伊藤英二の3氏はいずれも出品していません。
支部長の寺井宣子さん(会員)「異国の秋」(F50)は . . . 本文を読む
(承前)
札幌市資料館に入ったら、午後5時で閉まったはずの「水彩倶楽部シーズンズ」の展示会場がまだあいていました。
中では、水彩画家の竹津昇さんと、シーズンズ出品作家の砂山信一さんが話し合っていました。
竹津さんの作品はあちこちで見ていますが(この展覧会のメンバーではない)、ご本人に会うのはひさしぶりです。
砂山さんは江別美術協会の事務局を務めていて、電話ではお話ししたことがありますが、 . . . 本文を読む
(承前)
伊藤正(1915~89)といえば、戦後の道展の再建に尽くし(71年退会)、日展や一水会を舞台に活躍した画家で、札幌東高で長く教壇に立っていました。
戦後の道内画壇では著名な存在だったといえ、あらためて作品をまとめて見る機会があればと思い、栗山まで足を運んだのです。
北海道新聞の記事によると、伊藤さんの長女鞆子 . . . 本文を読む
らいらっく・ぎゃらりいが、南大通に面した4丁目の北海道銀行本店1階から、同じく南大通沿いの2丁目に新築なった「ほくほく札幌ビル」1階へと移転したのを記念して企画された連続個展の第5弾。
作者はいずれも「道銀芸術文化奨励賞」の受賞者で、今回個展を開いている陳曦さんは、第10回(2000年)に受賞しています。
陳曦さんは西安生まれ。
「日本画」を学びに北海道教育大に留学し、卒業後も札幌に住ん . . . 本文を読む
深川市アートホール東洲館の館長を務め意欲的な展覧会プログラムを組み立てる傍ら、市民劇団の脚本を書き、市民講座でデッサンを教え、全道展会員の画家でもあるという、大忙しの渡辺貞之さん。
昨年は独立展で最高賞の協会賞も受賞し、とても80代とは思えない活動ぶりです。
札幌・琴似のギャラリー喫茶での個展はこれで12回目とのこと。
油彩14点とデッサン4点が並びました。
冒頭画像は、左から
「夜 . . . 本文を読む
三浦さんは毎年この時期に北都館ギャラリーで個展を開いていますが、個展タイトルも絵の題もすべてカタカナです。
今回のタイトルは「怒りと悲しみの根底にあるもの」であって「怒りと悲しみ」ではないんですね。
だから、理不尽な世界に対する怒りや悲しみを表面にぶつけた絵でもなければ、世界の理不尽さを非難したり諷刺したりした絵でもなく、自らの精神の内部に降下し、それをさぐっていくような絵だと感じました。
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岡田知之さんは、札幌市内の学校で校長を務め、定年退職してから本格的に絵筆を執り始めました。
今回が初の個展となります。
いわゆる美術業界の人ではないためかどうかはわかりませんが、発想が自由で、さまざまなイマジネーションが絵の中にぎっしりと詰まっています。
冒頭画像は「世界はやさしい羊のもとでできている」。
F100号で、昨年の道展で新人賞に輝きました。
ご本人は、15~16世紀フラン . . . 本文を読む
恵庭美術協会への出品など地元に根差した活動を続けてきた中村哲泰さんと、長男の中村修一さん、長女の八子直子さん、その夫の八子晋嗣さんの4人展「分水嶺」が、恵庭市民会館で開かれています(主催も市民会館)。
7月6日午後、4人によるギャラリートークが行われたので、区間快速エアポートに乗って、行ってきました。
日程の都合上、すこし到着がおくれてしまったのですが、会場には100人ほどが集まっていて、 . . . 本文を読む
てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた。
(安西冬衛「春」 詩集『軍艦茉莉』より)
着眼点がすばらしい企画。
道立館の予算不足についてはこのブログでも折に触れて推測しており、ゴージャスな展覧会はそうそう開けないわけですが、知恵と工夫でこんなに見ごたえのある展示ができるのだと、感服させられる内容でした。
冒頭に引いた詩は教科書などで読んだ人も多いと思われる、有名な詩作品です。
安西冬衛( . . . 本文を読む
所属する会派(団体公募展)や地域を超え道内のベテラン具象画家が集まった「グループ環」。
穏やかな画風の絵が多く、絵画ファンの人気を毎年集めています。
第1回からの会場になってきたスカイホールは、エレベーターを降りるとショーウィンドウがあり、そこにも平面作品が展示できるようになっています。
スカイホールは3分の1ずつ仕切って使えますが、グループ環は毎回、全室使用なので、ショーウィンドウも . . . 本文を読む
札幌の楓月まなみさんが深川で個展を開いたので、見に行きました。
下のリンク先からもわかるように、道内のアートシーンに登場したのは比較的近年です。
2019年の新道展で最高賞にあたる協会賞を受賞し、現在は会員です。
2023年はほとんど毎月のようにどこかで展示するというハイペースでした。
今年はさすがに回数は減らしているとはいえ、この後にも札幌での写真グループ展に参加するなど、旺盛な . . . 本文を読む