一般的に、絵画や現代アートの作家にくらべると書家は個展を開く回数が少ないです。
これは、軸装などにかかる負担が大きいためもあるでしょう。
そういう書家が、スカイホール全室を使って大作を展示しているのですから、これはふだん書に興味のない方でも、足を運ぶ価値はあると思います。
佐々木さんは、まもなく高校教諭を定年で退職される方で、札幌墨象会のメンバーです。
同会の展覧会では見られないような . . . 本文を読む
(承前)
東京の旅も終わりに近づいてきた。
前回のエントリで書いたことの続きだけど、東京に住んでいた1980年代当時、いまよりもっと多くのギャラリーが銀座・京橋かいわいに集中していた。
最近とはちがって、まだ隔週刊だった「ぴあ」がほとんどのギャラリーの日程を分け隔てなく掲載していたので、見て回るには便利だった(この情報の徹底した平等性こそ「ぴあ」のすばらしい点だったのに、会社が事業の軸を . . . 本文を読む
北海道新聞2009年1月22日の旭川版から。
道内の書道愛好家のグループ「書創社」(旭川・瀧野喜星代表、約300人)の作品展「第45回書創展」が21日、道立旭川美術館で始まった。
同グループは北海道学芸大旭川分校(現道教育大旭川校)で書を学んだ卒業生らを中心に結成。現在は道内各地に会員がいる。今回は会員と高校生を合わせ230人が出品、近代詩文をはじめ独創的な書が並んでいる。
同展は . . . 本文を読む
「北海道美術ネット」を名乗っているくせに東京がらみのエントリばかりつづいているので、地元の展覧会もとりあげる。
といっても、筆者が見たのは最終日だったのだが…。
札幌のベテラン詩人で、「北海道の野外彫刻ガイド」の著書もある原子修(はらこ・おさむ)さんの新作の長編詩「知床断章」を、札幌の書家山田起雲さんが書いた2人展(共催・財団法人北海道文学館、書究文化書芸院)。
山田さんの父親は、道内を代 . . . 本文を読む
札幌市民ギャラリーを離れて以来、サッポロファクトリーホール→STVメディアパーク「スピカ」…と会場を移してきた読売書法展北海道展ですが、「スピカ」が取り壊しになってしまったため、ことしは、例年「北海道書道展」で会友作品が展示されている札幌パークホテルの地下になりました。これまでの会場にくらべ、かなりゆったりとしており、しばらくここに落ち着くのではないかという気がします。
読売書法展がどういう . . . 本文を読む
会場となっている道立近代美術館のサイトには
「幕末から明治維新後に北海道で活躍した功労者の揮毫や書簡など約50点を展観、開拓の歴史を回顧します」
とある。
「読売書法展 北海道展」のほうは、会場で入場券を買うまで知らなかったが、札幌パークホテルで19-23日に開かれるらしい。北海道書道展の会友作品とおなじ会場だ。1枚の入場券で、道立近代美術館とパークホテル、両方の会場に入ることができる。
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道内の書道団体の代表たちによる大規模な書展。社中がほとんどですが、各地方の書道連盟や、横のつながりの団体なども含まれており、加盟団体は233にのぼります。北海道書道展の会員などが多いとはいえ、同展に出品していない人もおり、「北海道の書道のいま」をひととおり見るには、いちばん適した展覧会といえるかもしれません。
もちろん、実力的には十分でも、「代表」でないなどの理由で、この場に出品していない書家 . . . 本文を読む
(日本語文は、英文要約の後にあります)
Five calligraphers,Endo Koho,Okawa Sumiko,Suda Koju,Takeshita Seiran,Yoshida Toshiko have an exhibition at Continental gallery (S1W11,chuo-ku,Sapporo-shi).
They were selected to . . . 本文を読む
書の一分野、墨象(ぼくしょう)のグループ展です。
「墨人」という全国グループがあり、そのうちの札幌と旭川の会から選抜されたメンバーが展覧会をひらいているのです。
といっても、出品者はほぼ全道に及んでいます。
筆者にとっては、道内の墨人の作品は、量塊性と力強さを重視し、紙からはみ出さんばかりに書いた一文字書-という印象が強いです。
近年はやや多様化しているのようですが。
冒頭の手 . . . 本文を読む
ネット上にはその全貌は紹介されていないようだけど、関聨行事の数がものすごい。
一般の書展では、せいぜいギャラリートークや公開制作があるぐらいがふつうなのに、パンフレットには、中韓の書家も参加してのシンポジウム「北海道書道サミット」(3日)をはじめ、アコーディオンとのコラボレーション、「クラシックギターとソプラノ歌手による書のコラボレーション」(3日)、書道吟(5日)、講演など日程がびっしり。
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毎年、トンパ文字のインスタレーションふうの合作などを展示する一方で、臨書の漢字作品は非常にまじめで、見ごたえのある社中展となっている梅木陽一さんの「ASAKA展」。
ことしは、トンパ文字こそないものの、やはり会場の中心がパーテーションで別に仕切られており、中には、「旅」という文字を、行草書や隷書などさまざまな書体で一人ずつ書いたコーナーなどが作られている。
しかし、筆者が力を入れて紹介したい . . . 本文を読む
上田桑鳩が1940年に結成した書の団体「奎星会」が初めて道内巡回展を開いています。
筆者はこれまで、道展や毎日展、読売書法展などは見てきましたが、前衛書がならぶ書展に足を運ぶのは初めてで、圧倒されました(なにせ、道展などには、前衛書の部門がない)。
作品数は52点と、けっして多くはありませんが、非常に見ごたえがありました。
漢字や近代詩文、かなもあり、バラエティに富んだ展覧会です。
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「前期展」は、昨年のこの時期にひらかれています。くわしくは、下のリンク先をごらんになっていただきたいのですが、「創玄」は、北海道が生んだ偉大な書家の金子鷗亭(鷗は鴎の正字)が創設した社中です。
昨年と今年の2度にわけて、創玄の道内在住メンバーのうち重鎮・ベテランが出品しています。
顔ぶれを見ていると、あらためてその「豪華メンバーぶり」というか、道内の書壇における創 . . . 本文を読む
札幌の書家、島田無響さん(79歳)の個展。
ふだん書をあまり見ない人でもじゅうぶん楽しめそうな、パワーみなぎる展覧会。現代美術が好きな人にはぜひおすすめです。
色紙に書を書いて平面インスタレーションふうに展示したり、長さ800メートルもの巻紙に漢詩の訳文を書いたり、半透明な布を天井からつるしたり、書作品とあかりを組み合わせたり…。しわくちゃだったり折り目のある紙に揮毫した作品も多く、きちっと . . . 本文を読む
北海道書道連盟顧問で、ことし101歳を迎えた道内書壇の長老、宇野静山さん(小樽)が代表を務める社中。隔年で展覧会をひらいています。
先日の毎日新聞の記事によると、宇野さんの師匠は、なんと比田井天来だそうで、なんだかすごい歴史を感じさせます。
出品者の中には、「書峰社書道」を起こして道内を代表する書道教育家というべき存在になった加藤秋霜さんなど、そうそうたるメンバーが名を連ねています。
総じ . . . 本文を読む