北海道美術ネット別館

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■無響書展 (12月16日まで)

2007年12月15日 00時36分02秒 | 展覧会の紹介-書
 札幌の書家、島田無響さん(79歳)の個展。
 ふだん書をあまり見ない人でもじゅうぶん楽しめそうな、パワーみなぎる展覧会。現代美術が好きな人にはぜひおすすめです。
 色紙に書を書いて平面インスタレーションふうに展示したり、長さ800メートルもの巻紙に漢詩の訳文を書いたり、半透明な布を天井からつるしたり、書作品とあかりを組み合わせたり…。しわくちゃだったり折り目のある紙に揮毫した作品も多く、きちっと額装・軸装した一般的な書展とはまったく様相のちがう、まさに異色の発表となっています。

 長大な巻紙に書かれているのは「長江詩集」。以前、長江を旅したとき、関係の漢詩を自ら訳して出版したものを書いているのですが、書体がさまざまに変わり、見飽きることがありません。
(ちなみに、長すぎるので、会場のテーブル上に置いて、自由にさわって見られるようになっています)
 わが国最初の漢詩集として知られる「倭漢朗詠集」も、長い巻紙に書かれています。


07年12月11日(火)-16日(日)10:00-18:00(最終日-16:30)
ギャラリー大通美術館(中央区大通西5、大五ビル 地図A)全室

 1998年に筆者が書いた記事を、参考までに掲げておきます。
 このときも、型破りの書展でした。これを上回る規模の書の個展は、道内では現在に至るまで開かれていないと思います。

 書家の島田無響さん(札幌)が2会場で展覧会を開いている。

 京王プラザホテルでは、天井から8メートルの紙をつり下げるなど大きな吹き抜け空間や階段に約350点が乱舞し、見る人を驚かせる。最大の作品は1.8×11.0メートル。すべて「水」「雲」「風」のいずれかを多種多様な字体で書いており、大作には「風風風…」と同じ文字が繰り返されている。

 一方、大丸藤井スカイホールは、漢詩など一般の作品を並べた。それでも巻物状の紙に書いた「飲酒」は長さ23メートル、「帰去来辞」は14.2メートルで、卓上に置かれている。直線を生かした自在な書風。かなも万葉かなは書かず、直線的で力強い。「為」など古書体の作品も。

 島田さんは「呼吸が大事。呼吸さえ整えば後は筆が書いてくれるんです」と話している。


(途中ですがいったんアップします)


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