ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

「風がつめとうおすな」

2012年12月06日 | 季節の話題
 今朝、京都の朝は昨晩からの雨と風は弱まったものの、気温はさほど上がらず冷たい風が時折吹いていて、12月に入って一番寒さを感じる感じであった。

 いつものお客さんのお宅にお弁当を届けたのだが、そこのご年配の奥さん、ご主人が御年のせいもあって現在入院中なのだが、「今日は冷たい風が外は吹いていますよ」声をとかけると、「風、つめとうおすな」との返答。

 京都市内のお生まれと聞いていたので、さすがと言おうか、とても綺麗で清楚な感じの「京ことば」が返ってきたので、外気はとても寒いのだが、とても暖かな気持ちに包まれたのであった。

 その奥さんは、以前にお聞きしたところによると、ご結婚されるまでは京都市内、しかも西陣界隈に生まれて育たれたとのことだたので、彼女にとっては自然に日常的に話されている言葉が、私如きにはとても素敵な京言葉の見本の様に聞こえただけなのだろうが、いまどきなかなか「京ことば」を日常的に耳にする機会があまりないので、嬉しく感じたのであった。

 そう言えば、移動有機八百屋をやっている関係もあって、所謂「京野菜」と称されるものには馴染みが特にあり、この秋から冬にかけての季節では、「九条ねぎ」「万願寺とうがらし」「京みずな」「聖護院大根」などたくさんの京都特産の野菜を取り扱ったりしているのだが、どうも東京を中心とする関東圏の都会人たちが興味をもっておられる消費者が多い様で、地元で採れるものを地元に近いところで食すという、地産地消からすると、何だかおかしなブームの様な状況にもなっている。

 確かに、現代ではこの季節に限らず、春は桜、秋は紅葉、冬は雪化粧などと、京都は全国各地からの観光客で賑わっていて、関東圏に行くと、いつも「京都に行こう!」的なキャンペーンをやっている感があり、旅行業者も鉄道会社も、ともかく「京都」が金を稼いでくれるキーワードのひとつになっいる感が強いのである。

 そんな最今の状況なのだが、果たしてその地域に住む、つまり京都に住まう人々の生活、暮らしと密着した生活の質や自然と共生する暮らしの一端に感じている価値観や大切にしている気持ちなどとはかけ離れたところで、とにかく「京都はええな」となっているとも思えるのである。

 話は戻るが、「京ことば」にもいろいろとあるが、もうひとつ「はんなり」と言う言葉が最近特に有名になっている様だが、とても京都らしいと思える感情とでも言うべき「おしとやかな」言葉だと思うのだが、どうも合点が行かないのが、プロバスケットボールの京都チームの名が、「京都ハンナリーズ」いうのだが、どうもスポーツの激しさや躍動感あふれるガツツなプレイとはかけ離れた「はんなり」という言葉は似合わないと思っていて、いくら元気とかいう意味があるとしても、やはり京都のおしとやかな言葉では、プロスポーツの激闘には不向きだと考えるのである。

 明日の朝は、ここ京田辺もマイナス3度のこの冬一番の寒さを迎えるというのだが、明日も「つめとおすな」とおばあちゃんは言うのだろうか。
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