竹一重切り花入れ 銘「庵の友」
「お茶碗のご銘は」
濃茶の稽古に進むと、みなさんこれに悩まされるようです。
薄茶をしている頃は、茶杓の銘を考えればすんでいたのですが、
茶碗の銘まで心づもりをしてお稽古しなければならなくなる。
実際に銘がついている物を、数多く使えるのなら問題はないのですが、
稽古の茶碗などは、少ない決まった道具で、
季節感やら、お点前の格やらを考えて、いろいろな銘をつけて、楽しむからです。
銘をつけるのも勉強の一つだからですね。
今日はこれで行こうと、心に決めて、
「何々でございます」とすっと答えて、
皆さんに「わあ~」なんて歓声をあげていただけたときは、
きっとうれしいでしょうね。
でも決まって困った時の「好日でございます」で済ませて、
ちょっと心残りだったりするようです。
銘は言霊とか。
こんな言葉にうなづいてしまいます。
「銘を持つ茶器の多くが、
数奇な運命をたどって、伝世していることを思い合わせるとき、
道具としての一個の器物が、銘を得ることによって、
新たな生命が生まれ、茶席に生きることの不思議に打たれます。」
( 筒井紘一著 「茶道具は語る」より)
銘を聞いて、その生きざまを知って、時の流れを感じで、
その茶器の訴えてくるものに心動かされることがよくあります。
もう少し銘にこだわって稽古してみましょうか。
きっと楽しさ倍増だと思います。
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