八月に入って、茶箱を楽しんでいただいています。
「月点前」は、雪月花の中でも、一番印象に残るお点前ですね。
「木据」とか「ウグイス」とか、使う道具の名前を言えば、
あああのお点前と、すぐ頭に浮かびますから。
ちょっと時間のかかるお点前ですが、
小さな道具に悪戦苦闘しているうちに、暑さをわすれます。
水屋に並べてある御茶碗の中から、
いつも決まったお茶碗を持ち出してお点前をする方がいらっしゃいます。
「そのお茶碗がお気に入りなの」と聞くと、
「このお茶碗が正面がはっきりしているので、わかりやすいので」と。
一つ一つの所作がきちんとできているか、
はっきりと確認できるからということのようです。
初々しくていいですね。
慣れてくると、反対に、
「正面がわからないから、気を遣わなくていいから~」
などということも無きにしも非ずですから。
初心忘るるべからずです。
道具の正面はいつも意識していなければなりませんね。
決まっているものはきちんと正しく使います。
御茶碗などははっきりと誰が見ても正面とわかるものは良いのですが、
人によってはこちらの景色のほうがいいと、違うところを正面にしたいこともあります。
そういう道具は作り手の意図とは関係なく、使い手本位で正面が決まることもあります。
でも勝手に正面を決めても良いわけでもありませんから、
普段から、道具の正面を意識して、正しい扱いや正しい置き方に気をつけなければと思います。
中にはお点前や、季節によって正面が変わる道具もあります。
よく使われるお棚の「丸卓」は炉と風炉では正面が反対になります。
前も後ろも同じようですが、足の数が前に一本にする時と、二本にする時があります。
なぜそうなるかというと風炉の足の数と関係しているからです。
もうわかりましたよね。
新しく道具を手にするたびに、正面を確認しなければいけないですね。
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