2011年12月号
いつまで定期的に書けるかはわかりませんが、出来るところまで何とか・・・
今月の「メイドはちるみさんだけではないんで賞」は、『だんつま』より、ひなよさん達!
トビラのメイド服な団地妻3名もよろしいが、英理子さんだけ一風変わっていたのもオツ。
セレブなユキさん家にお邪魔してのメイド活動が、めっちゃ楽しいお話でした(●^o^●)
●ベツ×バラ (曙はる 先生)
さて前回、何やら「気の迷い」を感じてしまった原田くんでしたが・・・?
出社して意識しまくりと思いきや、“いつも通り”のたまきさんを見て、ため息ついてます(^^;
ああ、また普段の2人の関係に戻るのかあ・・・と思っていたらどっこいしょ!
「原田くん好みのカレー屋さん行くつもり」のたまきさんが原田くんをさそいますが、
残業の彼は行けない。 そこで軽口をたたいて、たまきさんに反撃くらう原田くん・・・
なのですけども、このシーンはどうみても、「いつも通りでいなくてはならない」という
原田くんの焦りというか、動揺のようなものが垣間見れて面白いんですよね~。
アレは気の迷いなんだ、と思いたがっているというか、そんな感じで(^◇^;)
一方のたまきさんは、カナさんと恋バナ・タ~イム!
なのだけど、「恋がしたい」のかどうかも自分ではわからない、と述べるあたり、
まだ自分でどうこうしたいというわけでもなさそう?
けれどカナさんは、たまきさんの不器用さを指摘しつつ、
それでも行動するのが“らしい”と語って、やや後押しするような感じに。
【わかっていけばいいのよ】という4コマ・タイトルに、なるほどと思わされました。
そのことがあったからなのかどうなのか、たまきさん、原田くんにアプローチ?
ここで“接近”された原田くん、自分でも思わぬ反応に、もう誤魔化しがきかないことを自覚?
いや、この流れ、2人の接近が、ひじょうに見事に描かれていますね~。
「カオ見ただけでって・・・」なんて原田くん、それが特別なことだと潔く自覚しています。
たしか、どこかで読んだ曙先生の言葉だと、
本作品は「くっつきそうでくっつかない、そんな2人のいちゃつきぶりを楽しむ」
みたいな内容だったと思うんですよね。(もしかすると違っているかもしれません)
なので、ここにきての2人の接近には少し驚きつつ、しかしニヤニヤ感満載で、
面白くなってまいりましたー!と言わざるを得ませぬよ。
原田くんにとって、たまきさんは特別な存在となるのか?
たまきさんは、どのように応じてゆくのか、はたまた自ら行動するのか・・・
新たな展開に、今後もますます楽しみです!
●ネコガミちゃん (しまだ 先生)
初登場ゲスト!
中学生男子の太一くん、今日も学業に疲れてのご帰宅ですが、
自分の部屋にナゾの少女がおりまして・・・ と始まるお話。
語尾が「~じゃ」と仰々しい、落ち着いたしゃべりの少女。
「学生の本分は勉強じゃろ」と太一くんを諭しつつ励ましているようですが、
太一くんは見覚えのない少女の出現に驚くばかり。
ところが、お母様に聞いてみても、部屋には猫のノラちゃんしかいないというし・・・?
ということでネタばらし。
なんとナゾの少女は、このノラの変化した姿だったのです! いわゆる化けネコさん。
サブカルチャーに造詣が深い太一くんは、そんな状況にもあっという間に適応。
さっそく「恩返し」してもらおうと、童貞喪失を願い出るのかー!?
・・・と思いきや、ヘタレ男子の太一くん、泣いて謝ってますよ(^◇^;)
「愛」の有無を気にする太一くん、森長さんという想い人の存在が大きいようで・・・純情ォ。
でもノラさんの方は、べつにかまわないという態度でいたのも面白いですね~。
そんな感じで、ヘタレ中学生男子と化けネコさんのかけあいが楽しい内容でしたが、
化けネコ・ノラさんの「年長者」な態度が、ヘタレな太一くんの落ち着きなさと対比になって
頼もしさを感じさせてくれる点に、なかなか魅力があると感じました。 不思議な雰囲気。
太一くんの方も、たんにヘタレでなく、マジメで純情な部分があることによって、
決して憎めないキャラクターになっていますね~。
などなど、ちょっと変わった印象を受けた作品。
ありがちな内容ながらも、良い意味で「お約束」を外してきたギャップ感が小気味よい。
これは期待したい作品なので、ぜひともつづきを楽しみにしております!
●あつむトイタウン (水城まさひと 先生)
なんと最終回ー!!
レンタル工房が順調にまわりはじめたというのに、ここで終了とは・・・
最後は、『エン女医あきら先生』からのゲストさんたちも登場しつつ、
これからのトイタウン都夢の先行きに、思いをはせるような最終回となっていました。
あきらさんご自身まで登場するとは(^◇^;)
本作品は、あつむさんの祖父が経営していた模型店を前身とする
おもちゃ屋「トイタウン都夢」を舞台に、そこで働く人々や、お客さま(主に子供たち)との
交流を描いた4コマ作品でありました。
私が読んだのは、本誌2009年11月号、移籍連載はじめの号ですね。
店長・広野洋亮くん、店員の渋木数弥さん、“真店長”の久部正人さん、
そして「ぺーちゃん」こと沢木薫平くんなど、ともに働く人々との交流に始まり、
素直でまっすぐなあつむさんの姿が頼りなさげながらも、親しみを覚えられる感覚で
楽しむことができた作品でした。
そして、何より私が好ましく感じていたのは、おもちゃ屋を舞台にしていることもあってか、
子供たちのとの交流が中心にあった点。
このあたり、「おもちゃ」が好きで「夢いっぱい」のお店にしたいと願う
あつむさんの姿勢と重なることで、騒がしくも微笑ましい雰囲気を創りだしてと思うのです。
もちろん子供だけではなく、大人にとっても大切なおもちゃというものはありますし、
そうしたもの全部を含めた「おもちゃ」を軸にした人との交流の描き方に、
なにか大きな特徴を感じていた作品でしたね。
最後の「明日また元気になれるように・・・」というのも、
次のステップへの準備段階を示唆しているかのようですし、
水城先生の「次」にも期待を寄せながら、長い間、楽しませていただきました!
と述べさせていただきます。
●ないしょのミルクティー (吉岡七見 先生)
チカさん、ゆかりさんとの関係やいかに・・・?
最終回とはありませんけど、最終回っぽい? まだつづくようでしたらスミマセン(^^;
でも、私はここで終わらせるとキレイな作品になるな~と感じたもので・・・
初めて出会ったのは雨の中。
泣いている・・・ように見えた傘をささないゆかりさんに、傘に入るよう申し出たチカさん。
それが始まり。
そこから、ゆかりさんの家へと誘われて、ミルクティーをごちそうになり、
やがて彼女へと惹かれてゆくチカさん・・・
そうした女子高生の繊細な心持ちが、しずかに丁寧に描かれた作品でした。
ゆかりさんが文化祭に来てくれるだけでもうれしくて、
でも、ゆかりさんの家を訪れて彼女がいないと気分が沈んだりと、
揺れ動くチカさんの心情が、穏やかな波のようにたゆたうイメージ。
いろいろありましたけど、最後ついに、チカさんがゆかりさんに告げた言葉は・・・・・・
傘をささずに帰るチカさんの姿は、必ずしも激しいものではないのだけれど、
どこかうつろで、物悲しく、そして切ない。
そして雨は上がり、夏が来る。 思い出すのは、初々しい彼女の姿・・・か。
最後にゆかりさんが思い浮かべたであろう少女の姿と、そこに添えられた言葉が、
なんともいえない余韻を残してくれるラストシーンでありました。
1人の少女の、かなえられないであろう想いの物語。
それが淡々と紡がれる作品でしたが、そこにあるのは感傷とは少しちがった
繊細な心の振動とでもいうのでしょうか、どこか気だるげな、でも誠実な想いのかけら。
そんなものであったように感じます。
2010年11月号にて、「現役女子高生作家」として登場した吉岡先生の描く物語は、
いわば薄味な作風で、4コマらしくないと評されがちな形式の構成であはりましたけども、
そこに秘められたポテンシャルは、なかなか侮れないのではないでしょうか。
全体的に、大きな動きがあるわけではないのですけれども、
最後に残したかすかな余韻は見事であったと、私は評しておきたいと思います。