五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ ヤングキングアワーズ 感想

2011年10月04日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2011年11月号

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 いつ定期的に書けなくなるかはわかりませんが、出来るところまで何とか・・・

 今月号の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら

 今月号の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら

 

 

 『裸者と裸者』は、駆逐艦にて作戦会議に参加するカイト。 オペレーション・ロックダウンへ

 向けて、敵軍の弾薬庫爆破、および市民誘導を提案する白川中尉。 カギは・・・「P」!?

 小野寺大佐「良い戦争を・・・そしてさっさと終わらせよう」は、“理想”の戦争観かもしれない。

 

 『並木橋通りアオバ自転車店』は、お父さんが同窓会で「アイツ」に会うなんて言ったから、

 奥さんと娘さんがからかっちゃって・・・むしろ妬ける(^◇^;) そんなお父さん中心のお話。

 久し振りに会った女性の娘から、「お父さん」と言われて大騒動!? いやいや、イイ話でした。

 

 『かみわたし 神様の箸渡し』は、思っていたよりも深刻な展開!? テルヒメは可愛いけど(ォィ

 神の空間を満喫するタケルくんだったけど、自分のことが新聞に取り上げられていて焦燥。

 どーなるのコレ? しかし、まさかイナバが・・・メスだとぅ? これは盲点でございました(^^;

 

 『アリョーシャ!』は、懐かしいナントカ・キャンプみたいな学校行事で、しごかれてます。

 奈真江&紅湖コンビが、アリョーシャにちょっかい出すも、ウマくいかないのが面白(´▽`;)

 そして、NO.3の真実と、それを知ったケイティに迫る危機! こりゃあ、どーなるんでしょ!?

 

 『ヘン集女王』は、絶好調というか、働きすぎな川島さん・・・よく“キャラ”崩壊しないな(;´∀`)

 姐さんキャラから妹キャラへの変換には、舌を巻くしかございません! 本当スゴイ人だよ。

 今回は、書店イベントのかち合いなんて話でしたけど、裏では編集さんの涙の物語が(ぇ

 

 『ウォースパイト マルスの目』は、茜さんから海に誘われちゃった有希くん・・・モテるなあ。

 ということで海戦が来るだろうとは思ってましたが、まさかの源平合戦! いいねいいね!

 ナンパ避けがまんま合戦に、というのは面白かったけど、「与一の弓」の描き方が秀逸すぎ!!

 

 『エクセル・サーガSP』は、冒頭1発目で大笑い!゜(*゜´∀`゜)゜ 知らなくて書いてたのか~!

 そして要らない【男湯編】・・・むさっ苦しいわ! と思ったら、作者先生も理解あります(ォィ

 しかしヤバいな、これだけ読んでもかなり面白いエクセル・サーガ。 27巻は10月29日!!

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

●リュウマのガゴウ (宮下祐樹 先生)

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 新連載!!

 巨大な龍のごとき生物に挑む、大剣をかかげた剣士が1人。

 その人を置き去りにはできないと、1人の少年が彼のもとへ向かう。

 そして、“龍”を倒しはしたものの、大きく傷ついた剣士が、己の過去を語り始める・・・

 というシーンからスタートした本作品。

 

 

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 人々は、食物連鎖におびえながら、隠れ生きているらしい世界。

 この一帯の上位種は、「蟲」。

 蟲により蹂躙される人類は、自分たちの居場所を嗅ぎ付けられぬよう

 細心の注意をはらいながら、ひっそりと暮らしていたりします。

 そのような世界を舞台に、蟲におびえる人々、そして挑もうとする人間を、

 1人の「英雄」を軸にして描く物語になりそうです。

 

 

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 剣士の過去。

 それは、蟲に挑む大剣の使い手の物語。

 彼の行動は、おびえる人々の意志に火をともし、やがて大きなうねりとして

 蟲の来襲を退ける力となります。 これこそが「英雄」の姿。

 

 「英雄」というと、近年はあまり良い響きを持たないことが多いように思いますが、

 この作品では、1人の「英雄」がつくりだす「きっかけ」によって、多くの人々が奮起する

 という流れが描かれていて、このあたりが「英雄」のプラス要素として

 大きな意味を持ってくる話になりそうだと感じました。

 

 

 剣士の名は、リュウマ。

 ある人は絶世の美女だと言い、ある人は銀髪で細身だと言う、

 またある人は皇子だと言ったり、その実像がよくわからない「英雄」・・・

 そんなリュウマの物語。

 

 この物語で描かれるのは、“伝わる意志”。

 人から人へと伝播し、大きな力となりうる意志。

 その意志により、絶望から起ち上がる強い希望が生まれる。

 その「きっかけ」を創り出す「英雄」リュウマの戦い、「ガゴウ」の意味。

 などなど、今後が楽しみな作品です!

 

 

 

●稲田小鬼物語 (大石まさる 先生)

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 いや~、今回すごく面白かったー!!

 「神無月」ゆえに、出雲にさまざまな神々・モノが集まってますが、

 我らがコオニ様も例外ではございません。

 そして、やっぱり大迷惑になるのも、お約束の展開であります。

 

 

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 が、今回登場した謎の娘と、オオクニヌシ様が、コオニ様の記憶を一部よびさましたー!?

 あああ、なるほど~。

 するとコオニ様の正体は・・・ と、『古事記』あたりの知識から連想できることが色々と。

 あの暴れっぷりも、あの御方ならさもありなん、と納得してしまいます(^^;

 

 そうしたことはもちろんなのですが、何よりも今回いちばんインパクトがあったのは、

 196~7ページのオオクニヌシ vs コオニのシーン。

 195ページから次ページを開いたときの感動は、うまく言葉にできませんが・・・イイ!

 オオクニヌシ、カッコイイー!!

 最後は、大石先生作品らしい解決ですみましたけど、それを含めてかなり面白かったです。

 しかし、ジーニャちゃん可哀想すぎますよ(;´Д`) なんて気にしつつ、今後も楽しみです!

 

 

 

●アスクライブ・トゥ・ヘヴン (杉崎ゆきる 先生)

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 コミックス2巻、発売中~!

 私も購読しましたが、いやはや面白いですね~。

 さて今回は、騎士養成学校(ミュゼ・ディレクション)に入学したミニイ。

 その居住塔の部屋にて、ルームメイトたちと顔合わせ・・・って、さっそくモメてますけど(^^;

 

 

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 ミニイを案内してくれた優しい少女・キセキさんのほか、2名。

 ガザ・ナトンとシアター・ルコネン。

 双方、気の強いタイプで衝突してますけど、互いに「成金家」「超巨大古着屋」と

 言い合っていることから、彼女たちもいわゆる良家の子女。(そう見えないのはご愛嬌)

 

 しかし、キセキさんの実家ドリスフランネルは、彼女たちなど及びもつかない名家とか。

 でも、いい娘だよね、キセキさん。

 ミニイに「友達」と言われて恥ずかしそうにしていたのは可愛かったし、

 今後はミニイと良い友人になってほしい人物です。 2巻表紙にもなってたし。

 

 他の2名も気はよさそうだし、4人でいい関係を築いてほしいな~・・・

 なんて考えてしまうくらい、この学校編から面白味がアップしてきている印象。

 SK(シェーンクライト)と人間の関係や、宇宙での戦闘、アスクライブなどなど、

 いろいろ気になる作品ですが、学校編はわかりやすく初見でも入りやすそうな内容で、

 ここからグングン注目されそうでもありますね。 絵柄も可愛らしいし(●^o^●)

 そんな感じで、今後も楽しみです!

 

 

 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

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 マレンゴのナポレオンをよそに、4頭会議が始まりました~。

 タレイラン、フーシェ、シェイエス、そしてカルノー。

 そうそうたる面々の中、カルノーさんだけは、この会議の不誠実さをなじっています。

 さすがカルノー! 我らがカルノー! あなたこそ、革命の真の継承者だヤホー!

 ・・・と思ったら、さすがタレイランたちだよなあ、という懐柔方法で撃沈(´▽`;)

 ま、仕方ないよね、それでこそ「男」だってところもあるし・・・・・・

 

 

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 さて、ナポレオンの危機、マレンゴですが・・・

 いや、まさかこのような描き方をしてくるとは、と意表を突かれただけでなく、

 感動すら覚えてしまいましたよ、今回の話。

 

 ドゼーが駆けつけて危機が回避される、という展開をどのように描いてくるのか?

 その点はもちろん注目していたわけです。

 おそらく作品的には、“白いナポレオン”として描かれていたドゼー。

 ナポレオンから「最も優秀な将軍」の1人とまで言われた彼の活躍と、その最期。

 

 前回、褒められることこそが目的と話していたドゼーが、自らの活躍の中、

 「歓声」に包まれて命を落としてゆくシーン、進軍と落下の対比はすばらしかったですね。

 私はもっと猛々しく、雄々しく散るのかと想像していたので、この静かな終わり方は

 ひときわ印象深いものとなりました。

 

 

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 と、そんなドゼーの散り方もよかったのですが、私が感動したのは、こちらとのコラボ。

 マレンゴの戦いを描くのに、なぜ今エジプト残留軍のクレベール!?

 と思っていたら、ここに大きな理由がありまして・・・

 

 いや、このことは私、恥ずかしながら知りませんでした。

 今回、この話を見て、へ~そうなんだ!と吃驚。

 マレンゴを描くのに重要なのは、ドゼーをどうエキサイティングに描くか?

 だと考えていた私にとっては、まさに不意打ちでありました。

 ドゼーの優秀さを描くことによって、クレベールの優秀さも同じくらいに感じられるという

 きわめて見事な構造になっているんですよね~。 うーん、これはスゴイ!

 

 間違いなく、ドゼーもクレベールも「男」でありました。

 覇道進撃、今後もますます楽しみです!

 

 

 

●ドリフターズ (平野耕太 先生)

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 豊久 vs ジャンヌ ・・・決着?

 前回、意表を突いた戦法によって、ジャンヌを圧倒した豊久。

 炎の魔力も、豊久の前には無力化されてしまうという・・・ 豊久すげえな。

 ただ、これで決着なんですかね?

 女子の首はとらないと豊久は言ってましたし、それでジャンヌが引き下がるのかどうか??

 

 

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 一方、不死身のジルドレに苦戦する与一。

 さすがに、いくら矢を射ち込んでも倒れない相手には、弓の名手といえど苦しい戦い。

 信長さんも慌てていますが、「与一を死なせるな」と叫んでいたのは、なんかよかったです。

 

 しかし、ジャンヌにしても、このジルドレにしても、生前なんらかの無念をもって

 死んだとされる人々ですが、どうもこうした無念非業の死をとげた歴史上の人物が

 “廃棄物”として死の直前に召喚されているっぽい・・・というのは、まあ予想通りでした。

 ジャンヌの無念の叫び。 しかし、それを一蹴する豊久のあっけらかんとした感覚。

 

 そんなところも興味深い点でしたが、今回はジルドレの描き方に注目しました。

 ジャンヌ・ダルクの信奉者とされ、〈聖乙女〉没後は狂人として名をはせた人物ですが、

 まあ他にも〈聖乙女〉を演出した黒幕的人物とも言われたりしますよね。

 しかし、ここで描かれたジルドレは、信奉者としての面が色濃く表れていて、

 有名な“青髭”としてのそれでも、ましてや黒幕でもない達観と誠実さに満ちた男でした。

 このようなジルドレの描き方に、私は少し、心打たれたりしましたね。

 

 

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 そして、お師匠様の正体が明らかに・・・!?

 いやこれは、事前に気付いてしかるべきでした。 アホやん、私。

 オルミーヌが使う札、その術を見ていれば、おおよそ見当はついたはずなのに!

 

 お師匠様も「漂流者(ドリフターズ)」でありました。

 うん、なるほどと思える人物ですね~。 ライバルはこの世界に来ていないのかしらん?

 しかし、日本人多いな~などなど、いろいろ考えてしまいますが、今後も楽しみです!

 

 コミックス2巻は、9月30日から10月13日に発売日変更!

 ちょっぴり残念でしたが、こちらも楽しみ!!