小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

 「9・11世界が変わった瞬間 5年ののち」

2006-09-14 22:42:49 | ニューヨーク暮らしの日々

 
9月10日 セレモニー準備      グランドゼロの回り無数の花束

仏教徒の祈り                  セントポール チャペルの裏庭より

 
日本から送られた千羽鶴            手形に書いた訪問者の祈りの言葉

ニューヨークから青空は広がる   

 
2006年9月11日。
5年前と同じような青空、快晴のニューヨーク。  
 
 グランドゼロでの癒しのセレモニーは、当時生まれた5歳の子供が
献花し、皆の涙を誘った。また、両親を失った少女が義母になった
両親の友人と一緒に献花し,人々の胸を打つ。子供の表情は明るく、
悲しんではいられないと勇気付けられた。  
  ある母親はインタビューで「私はこの子供たちによりよい世界を築
くために、父親の分も心を込めて子供たちを育てます。悲しい思いを
させないために、子供たちをグランドゼロには連れて行きません。父
親の分も愛してあげていますが、満たされないところはよく話合うつ
もりです」と子供に献身する、けなげな母親の話に心が和んでいく。
5年を経て人々の涙は枯れ、心の空洞を埋め青空を見る余裕が出て
きているようだ。  

 トリニティチャーチの近くで9.11までは一日100ドル稼いでいた
靴磨き屋は、現在は同じ場所で12時間働いても35ドルの収入しか
ないそうだ。しかし、「39年も働き続けた僕の場所です。これからも
ここで働きます」と屈託がない。  

 希望はいたるところで見受けられる。
特にグランドゼロの回り、トライベッカ(グリニッチ ストリートとブロー
ドウエイにはさまれ、カナル ストリートまでの三角地区)の復興と
この地区の土地家屋の値上がりは信じがたいぐらいだ。窓が開け
られないような倉庫であったビルが素敵なビルに修復されている。
権威や伝統的ライフスタイルに飽きた5番街やパークアベニューの
金持たちやニューエイジのにわか金持ちたちが移り住み活気を呈
している。 100年前に建てられたチャーミングな家の間に近代的
高層アパートも建ち、地区の活性化も図っている。有名レストラン
も沢山あり、金融地区に近いこともあり、いまやお金の集まるホット
なところとなった。    

 ニューヨークはかつてないほど修復と新建築工事が、いたるとこ
ろで進んでいる。伝統的ニューヨーカーの生きる道は前向きである
ことだ。そのエネルギーは人々に引き継がれている。戦争ではなく、
犠牲者の無念を力にし それぞれの暮らしを建設していく義務が、
残された私たちの責任でないだろうか。

*9.11の記録は国会図書館選 No1.サイト
www.september11news.com  
*なお、5年前当時の状況は私のホームページ 
www.ny-apple.com
 「NYジャーナル」をクリックして「あ!摩天楼が!」と当時状況と
その後の状況 「忘れえぬ日」を是非参考にしていただけると
嬉しいです。
 

        



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