小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「外国で国旗を眺めるとき」

2009-08-22 23:33:06 | ニューヨーク暮らしの日々

白地に赤く、ああ美しい!日本の旗は・・・
 
今年のお正月は銀座ミキモトで、日米ラグ展を開催していたので毎
日会場に出ていた。4丁目の地下鉄を出ると銀座通りは日の丸の旗
で埋っていた。白地に赤く、日の丸そめて青空に泳ぐ旗の波に、
”まあ!きれい” とすがすがしい気持ちで立ち止まる日々だった。  
 今朝のNY週刊生活(www.nyseikatsu.com No 265)のトップ
ページに
「在外邦人有権者に衝撃・衆院総選挙民主党が国旗切り党旗」の見
出し。「外国には国旗の悔辱行為など国旗損壊罪があり、2年以下の
懲役か、20万以下の罰金がかせられるが、日本の国旗自体への屈
辱行為には想定外で規定がない。米国カナダ、ドイツ、イタリアなどで
は国旗への冒涜や屈辱、損壊などに処刑規定を設けている。」  
 領事館に出向き、投票をしたすぐ後に読んだ新聞記事に考えさせら
れた。

 日本での事情はよくわからないけれども、単純に国旗を愛するのは
普通の国の人々がもつ国民感情だと思う。自分の足で根を下ろした
移民たちは、アメリカの旗を見て感慨をあらたにするのは当然なこと
だ。アメリカの愛国心は開拓した人々から自発的に生れた感情だ。
 
 安全で天下太平な島国にいては、国を追われた人々の感情など
知る由もないだろう。 共同通信に台湾の友人がインタビューされ、
台湾の国旗の写真が掲載されたとき、台湾の友人は涙を流して喜ん
だ。その亡くなった友人の追悼式に「ああ!台湾よ、母なる台湾よ。
台湾と声を出して呼んでみたい!」
と歌った台湾のオペラ歌手の歌を忘れることはできない。
 私はチャンスがあれば皆外国に行き、短期間でもいい、その国で
働いた、その国のお金で暮らしてみることを日本のみなさんに心から
お勧めしたい。そこから初めて国家とは、人間とは、平等とは、尊敬
とは、分かち合いとは、価値観とは、国家から得る恩恵とは何かなど
を学んで行くと思う。
 これらの価値観はお金で買えない貴重な経験になる。  
 アメリカにはフラグ条例(American Flag Act:USA-Flag-Site.org)
というのがあって、事細かに国旗を扱うエチケットについて書いてある。

左上写真)9/11のあと、ウオールストリートのセント ポール寺院で子供たち
の手形で染めた国旗が飾られてていた。右上写真)洗濯屋のショーウイン
ドーに飾られていたネオンのフラグ。NYC

 アメリカに来たての日本の友人が、パーティでアメリカの旗をベッドカ
バーに使い「僕は星条旗のデザインは本当に美しいとおもう」とアメリ
カ人に言った。そのアメリカ人は「それ以上の敬意を表してもらいた
い」と厳粛な声で言った。
 国旗はその国の人たちの血のにじんだアイデンティティでー物ー
はないこと学んだ。  
 語りたくないいまわしい戦争中の過去は忘れるように努力していこう。
日の丸の旗は理屈でなく、歴史を認め、これからどうするか、自分の
国に誇りを持って自分たちで決めていく、誇るべきアイデンティティで
はないだろうか。

 現代を嘆かず、年輩者も何が大事なのか、お手本を示し、考え方
を整理していくときでないだろうか。旗事件で日本を考えさせられた。
           
 福島県二本松市の城跡に、この文字が刻まれた国史跡の石碑が
あるそうだ。江戸時代中期の寛延2年(1749), 二本松藩主が藩政改革
のための戒めとして、藩士達が朝な夕なに通る登城口の大岩に刻ま
れせた「戒石銘」だそうだ。今の世で言うならば「公人の給料は、国民
が働いて納めてくれる税金から頂いている。だから国民に感謝し、国
民をいたわり、国民のために働かなければならない。その気持ちを忘
れると、必ず天罰があるぞ」と厳しく戒めている。

 この記事を姉が送ってきたときは、昔の人は偉い!と感心した。
最近公金横領や天下りが問題になっているけれども、だあれも何も言
わないのが不思議。新聞に暴き記事が発表されているのは素晴らしい
進歩だけれども。

 「二本松藩主様、石に彫りぬいたあなた様の正義観に感銘します。
私めに今、藩主様の言葉を書くチャンスを与えてくださり、ありがとう
ございました。しかし藩主様、天罰もあらわれず、2009年の今、260年
後もこの言葉はいきいきとして効力があり、改善されていないことに
一市民としての力のなさを恥いるばかりです。」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
二本松藩主様の天罰はあった。 (戦争で姉一家を失った者)
2009-08-25 12:50:39
 天罰はあった。朝日新聞の「この人、その言葉」欄に載せてある通り、下級武士が自由民権運動をはじめて議会政治の確立に命をかけたが論功行賞と称して政府の役人を100人も貴族にした、身分制度を否定したはずの人々がすすんで五階級の世襲華族を作った。子孫が永久に貴族院の議席を世襲出来る,恐るべき制度まで・・と
 500円札になった板垣退助は国家に功績のあった本人まででなく,子孫まで貴族にするのはおかしいと。華族族850人に(どんどん増える)に廃止の賛否を問うたが無視されて,板垣は子に伯爵をつがせなかった。制度ばかりでなく、その後、国家の予算50%が軍事費だったこと、忘れてはならない。日戦争の借金返済は,昭和65年までかかったと言われている。今。日本が水道も下水もできるようになったのは軍事費にお金をかけなくなったから出来た。これからも,戦車や、イージス艦など、いらない物を作らなければ、借金会計など、無くなる、今の日本が、これまでになったのは、戦争をしなかったからと思って、過去の300万人の犠牲者の上に、いまの生活があることを,忘れてはならない。今日、郵便受けに入った選挙公報が、見もしないで隅のゴミ籠にチラシとと同じに。ポンポン捨てられているのをみて、がっかりしている。いい政治家のレベルは。国民のレベルである。天下りが。悪いといって60年、政治家も国民も黙っていたわけです、天罰がやってきた。
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