口卑しく、食いもののおウワサに終始しているが、
咀嚼し飲み込むばかりが口のお仕事ではないわいな。
たまには歌。今回は一人のSong writerのことを書いておきたい。
Miss. Cindy Walker 1918-2006
美貌の女流作曲家である。
若き日は歌手でダンサーでもあった。
テキサス州に綿花商の娘として、祖父の農場で生まれた。
祖父は讃美歌の作曲もし、母親はピアニストという環境だったそうな。
十代の頃にはすでに歌を描き、1930年代中頃、South-Westの平原地帯を襲った
砂嵐dust-stormsの新聞記事から、「Dusty Skies」を描いた。
これはのちに、Bob Willsがレコーディングし、ヒットソングとなった。
Riders In The Sky なども歌ってる。
この深刻な砂嵐のことは、スタインベックが「怒りの葡萄」に描き、
Woody Guthrieはダストボウルバラッドとして歌ったことで知られている。
日は遮られ、作物は枯れ、命からがら失業者たちは温暖なカリフォルニアを目指した。
さて、Cindy嬢の作品は、すでに30年代に「Casa de Manana」という曲を
Paul Whiteman楽団がすでに演奏しているので、文字通りの才女。
今風にいうならば、矢野顕子か松任谷由美あたりか・・・あんまり今風でもないか。
親の転勤でロスへと移り、ハリウッドのBing Crosbyのプロダクションに自ら
売り込んだことから、ブレイクに。押しの強い奴が成功する傾向になる。
オレみたいな(?)奥ゆかしいのはいけない。
興味深いのは彼女がタイプライターで詞を打ち、母親のOreeがピアノで
メロディを作るのを手伝ったという、母と娘の共同作業だったというわけ。
短い期間、結婚もしたが、その後別れて、生涯独身だった。
40年代はWestern Swingの季節となる。
CindyはBob Wills & The Texas Playboysのためにたくさん曲を描く。
Cherokee Maiden (41)
Dusty Skies (41)
Miss Molly (42)
You're From Texas (44)
Sugar Moon (47)
Bubbles In My Beer (48) などなど…。
50年代はHank Snow、Webb Pierce、 Gene Autryなどに。
60年代にはRay Charles や Elvis Presleyのために描き、
その後はThe Byrdsの名盤「Sweetheart Of The Rodeo」のために、
Blue Canadian Rockies を描くなど、その息の長さと守備範囲の広さは驚嘆に値する。
500を超える歌をレコーディングし、
トップ40のチャートに登場したのは400回以上という、信じられないヒットメーカーだ。
97年カントリーの殿堂入り。
シンディの前にシンディなく、シンディの後にシンディなし。
この名前には注目すべしである。
アッハ~~!