勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

お盆が明けて

2015-08-17 22:14:06 | Weblog
1週間ぶりの日替わりになった。盆の棚経、15日夜の萬燈会(まんどうえ)も無事に終え、ようやく平素の日常に戻りつつある。とはいえ、この先1か月ほどは既に予定が詰んでおり、多用ではあるが有難いことだと思う。

写真は萬燈会の一場面。今年は15日が土曜日で翌日が日曜日ということもあって、今までにない盛会だったように思う。特に子供さんの姿が目立ち、境内は活気に満ち満ちた。子供は宝というが、まさに仏国浄土の一端を感じた。

さて、供養物の1つである燈明は諸経論にその功徳が説かれるが、萬燈会とは罪障を懺悔して四恩(天地・国王・父母・衆生)に報じ、一萬もの燈明を献ずる法会のことをいう。実際には一萬燈も燈すことは難しいから、多くの燈明と解釈すれば良いと思う。

供物の中で「水」と「火」は大切だが、萬燈会という法会は火の供養に関してはその最高潮の1つといえるだろう。日本では奈良・東大寺において744年に修されたのが起源とされ、高野山では832年に弘法大師により始行されている。

萬燈会は盆の行事とは限らないが、勝福寺では盆の締めくくりとして平成22年より毎年行っている。お盆の「盆」という意味は割愛するが、盆は先祖供養のみならず、すべての世界の精霊、一木一草にまで慈悲の心を配り、供養の誠を尽くすことを本義とする。言い換えれば我欲を省みる、心をニュートラルにする大事な機会でもあるので、萬燈会で一燈を献ずることの意味は小さくない。

今夜はこの辺で。
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