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伊勢湾台風の爪痕を訪れて・・・・・

2019年11月29日 23時06分35秒 | 見学

国土交通省木曽川下流河川事務所が主催する「伊勢湾台風の爪痕を訪れて」に応募しましたら、参加の案内ハガキが手元に届きました。今年は伊勢湾台風が襲来して60年と言う年で有ります。そんな年に伊勢湾台風の痕跡の場所を訪ねる事が出来るたのは幸せな事でした。

桑名駅 - 春日神社(桑名市片町) - 伊勢湾台風30年碑、高潮防潮堤緊急嵩上事業竣工之碑(桑名市吉之丸)
 - 伊勢湾台風殉難之碑(桑名市大字福岡町) - 伊勢湾台風記念館(桑名市長島町松陰) - 
鍋田神明社(弥富市鍋田町稲山) - 伊勢湾台風殉難之塔(弥富市西末広) - 
木曽川源緑地区河川防災ステーション(木曽岬町源緑輪中) - 源盛院(木曽岬町大字和泉)
 - 治水神社(海津市油島) - 桑名駅


伊勢湾台風の爪痕を訪れてのチラシ。




今日、廻ったルート。
チラシから引用しました。


桑名駅

集合場所の桑名駅北自転車駐輪場前広場です。
集合時間は9時20分となっていました。
まだ、時間前で来ていない人がいます。
全員が揃ったら、名前と何処から来ているかと簡単な自己紹介が有りました。
そして、今日の案内役、NPO法人の久保田さんの紹介がありました。


桑名駅

(09:33)
桑名駅前で待機するマイクロバスです。
このバスで出発します。


春日神社

最初に訪れたのが桑名宗社である春日神社へ来ました。
この春日神社、東海道に面していまして神社の東側が東海道です。
2本の柱が見えますが銅製の鳥居です。




銅製の柱には、読み難くなっていますが字が刻まれています。

それに文字の上の凹みは船が当たって出来たものです。
伊勢湾台風の時、高潮で漁船か、船が流されてきて柱に当たったのです。




揖斐川河畔まで歩いてきました。
見えてきたのが蟠龍櫓です。



伊勢湾台風30年碑、高潮防潮堤緊急嵩上事業竣工之碑

(10:06)










葦の草原の向こう側が長良川で、その向こうに御嶽山が見えます。
その左側の雪山は乗鞍岳です。
海抜0メートルのところから3,000メートルの所まで見えるのが凄いと思いました。
この山々だけでなく、中央アルプスや南アルプスまでも見えました。
これらの山が見えるのも、空気が澄んでいるからなのでしょう。




この場所には木曽川下流河川事務所の解説板が設置して有りました。




バスが揖斐川堤防を走り、桑名市の南部に向かっています。



伊勢湾台風殉難之碑

(10:33)
桑名市の最南端に来ました。
堤防から白い伊勢湾台風殉難之碑が見下ろせます。
この碑。
母親が両側に子供を抱えている姿をイメージしています。




堤防の反対側は海です。
輝く海。
そして、南に伸びていく導流提。
導流提とは、流水による土砂の堆積を防ぎ、流路の維持を目的で河口に設置される堤です。
導流提の名は知っていましたが、実物を見るのは初めてです。




堤防上から目を西に転じました。
何処から来たのだろう。LNG船が見えます。
吃水が深いですので、接岸したばかりでしょう。
船の右手には川越火力発電所が有ります。
発電して各地に電気を供給しています。



前方に見えるのが湾岸桑名ICです。
ここから伊勢湾岸自動車道に乗ります。




湾岸長島ICで下りてナガシマスパーランドの方へ来ました。
ナガシマスパーランドの入口の場所にお地蔵さんが祀ってあります。
このお地蔵さん。
伊勢湾台風の被災者をお弔いしていると案内の久保田さんが話してくれました。



伊勢湾台風記念館

(10:56)
伊勢湾岸道の下を通過し、伊勢湾台風記念館へ来ました。





設置して有った記念館の説明板です。






2階の展示場です。
伊勢湾台風の被災写真が展示して有ります。





屋上に上がりました。
ここは展望場になっています。
西側には揖斐川が流れています。
その先には鈴鹿の山々が見えます。
石灰岩を採取している藤原岳だけは特定出来ます。



「人」の型をした伊勢湾台風締切記念碑です。






碑の横に有った説明板です。
右は伊勢湾台風の説明で左は応急仮締切工事の概要を説明しています。
堤防上で締切工事が完成し、バンザイ。
難苦の果てに完工した堤防。
その喜びは大きなものがあったでしょう。




湾岸長島ICから伊勢湾岸自動車道に乗ります。



鍋田神明社

(11:27)
伊勢湾岸自動車道の弥富木曽岬ICで降りて鍋田神明視野に来ました。
境内に設置してしてある伊勢湾台風殉難之碑です。




碑の裏側に廻りました。
133人の名が刻まれています。
仝と言う字は同じ苗字を現しており、同じウチだろうか。
と言うことは一家全滅と言う事も有ったかもしれません。




こちらは八穂地蔵です。
木曽の代官、山村氏が木曽谷の経済負担を軽減するため、この地で新田開発に取り組んだが台風などで事業継続を断念し、その後を尾張藩が継続し完成させた。
庄屋の服部弥兵衛が八穂新田に地蔵を祀ったものです。
木曽路を歩いた時に山村氏の屋敷に寄った事が有ります。
あの時の山村氏と今日の八穂地蔵が、歴史的なつながりで結びつく事が面白いです。



伊勢湾台風殉難之塔

(11:51)
弥富市西末広の伊勢湾台風殉難之塔に来ました。






塔の両側に明暗をイメージしたブロンズ像が備わっています。
左は明像で(母親が流木の間から愛児を抱き上げ頬ずりして喜ぶ像)
右は暗像で(父親が青年に成長したわが子を自衛隊員の助けを得て収容している像)と配布された資料に記載されていました。
子供を抱きかかえる母親の形相が、迫力が有り何とも言えません。


木曽川源緑地区河川防災ステーション

(12:14)
木曽川源緑地区河川防災ステーションに来ました。
ここの場所で昼食となります。




前方の建物が木曽岬町防災センターです。
1階の会議室でみなさん、持参した弁当を食べました。





この建物。
風水害時の活動拠点施設で災害時の一時避難場所に成ります。
白い箱は地震自動オープン錠付防災ボックスと書かれています。
正常時は施錠されているが、地震後は解錠できるようになっています。





外付け階段で屋上へ上がってみました。
南東の方角です。
名港トリトンの橋脚。
飛島のガントリークレーン。
60年前は建物など何も無かったのだろう。
一面が泥の海となった景色が想像できます。





バスの車窓から。
田から飛び出たパイプ。
地盤沈下で飛び出てしまったのだと久保田さんが説明してくれました。


源盛院

(13:13)
木曽岬町大字和泉の源盛院へ来ました。




源盛院のお庫裡さんと集まってくださった近所の方々です。

みなさん、伊勢湾台風の語り部としてお話くださいました。
そのお話しをメモしたものです。
お庫裡さんは92歳です。32歳の時に伊勢湾台風に遭遇したそうです。
・男性が話した事。
死を覚悟し、家族同士、帯で身体を結び合った。
遺体を見るのに慣れてきて遺体を見ても嫌悪感が薄れていった。
(流れてきた)遺体が何日経っているか判った。
牛、豚、ニワトリ。全て死んだ。
流木が流れた来た。竹やぶのある堤防は切れなかった。
水死体は身体が膨れる。手の平も膨張していた。
(この辺り)40日余り水に浸かっていた。
堤防に多くの遺体が並んだ。遺体をリヤカーで運んだ。
帯で結び合った遺体も目にした。
・別の女性が話した事。
赤ちゃんが6ケ月で亡くなった。
おばあちゃんが牛の下で亡くなっているのを1週間後に発見した。
・別の女性が話した事。
29日が結納の予定日だった。
被災後、食い扶持を減らすために名古屋の旅館へ住込みの仕事で行った。
戻ってきてから、農家の娘であった事もあり、近所の稲刈りを手伝った。(米を貰ったか、お金を貰ったか話されました。)
八海中学校に避難していた。


皆さんのお話をお聞きして、脳裏にモノクロ映像のシーンが浮かびました。
何日も泥の海を眺め続ける。流れてくる人や家畜の遺体。
漂う悪臭。
どなたが話したか、凄い地獄絵だったと言う言葉。
話しを聴いていて、ジィーンとなり目が潤んできました。






木曽川の尾張大橋を西へ向かっています。


治水神社

(14:48)
治水神社へ来ました。
宮司からお話しです。




治水昭和之宮。
伊勢湾台風の犠牲者を慰霊するため建立されたお宮さんです。
神社の玉垣内部に安置して有ったものを外へ出してきてお参りをし易くしたのだそうです。




治水神社の本殿に入りました。
ここでも宮司からお話を聞きました。




バスの車窓から。
左に見える高圧線の鉄塔は長良川の中に位置します。
この地点。
愛知、岐阜、三重の接点の場所だと久保田さんが説明してくれました。


桑名駅

(15:45)
バスは桑名駅へ戻って来ました。
ここで解散となりました。


感想
朝、桑名駅の広場に集合した時、今日の予定など説明が有りました。今日のメンバーは16名でした。応募者が何人あったかと聞きましたら38名の申し込みがあったそうでした。当選して参加できたのはラッキーな事だと思いました。
個人で行くとなると難しいような場所へ今回、連れて行って貰う事が出来ました。それに、一番良かったのは伊勢湾台風の語り部から生の声を聴く事が出来た事です。聴いていて想像できる惨状のシーン。涙が出てきました。歳を取って涙腺が緩くなりました。

伊勢湾台風の慰霊碑や記念館。改めて伊勢湾台風の酷さを感じました。
0メートルの所から見えた3,000メートル級の山が見えました。
シジミ採りの漁船。
導水提。
どれも新鮮に感じました。

最後に
国土交通省木曽川下流河川事務所 様
この度、伊勢湾台風の傷痕の場所を廻り、改めて伊勢湾台風の被害がひどかった事が判りました。
特に「伊勢湾台風の語り部」からナマの声が聞けて良かったです。
企画、実施して戴きまして有難う御座いました。

 

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