遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
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早稲田の桜

2017-04-11 16:11:55 | 雑感


所用があり、東京早稲田に赴いた。都電荒川線で向かったら、窓の外が仄明るい。今を盛りの桜だ。満開のソメイヨシノが窓の向こうに浮かぶ。面影橋という洒落た名前の駅で飛び降り、夕暮れの川沿いを少し歩くことにした。都電で隣り合わせに座った人が、「この季節だけこの電車は人で賑わう」と教えてくれた。桜のせいだそうだ。

満開を僅かに過ぎてはいたが、それでも見事な花ぶりである。チラチラと花びらが川面に落ちては行くが、夕暮れ迫る水面に僅かに花びらが集まっている。花筏というには少し量が足りないが、風情はある。

寂しくないほどの人出で、川の両側がぼーっと霞むほど一面の桜である。この川があの名曲「神田川」の舞台だ。銭湯は辺りにはないけれど、夕暮れでも十分に暖かく、湯冷めはしないくらいの気温だ。ここを若い二人が肩を寄せ合いながら歩いたのかと妄想する。神田川は長いのでもっと他のところかもしれないのだけど、妄想は自由だ。

今年はまだ花の下で座ってする花見はしてないが、豪華な花はここが一番であった。


面影橋

桜まつりの提灯の灯も浮かぶ

歴史は後で作られる

2017-04-05 13:53:34 | 


原田伊織「明治維新という過ち」日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト 株式会社毎日ワンズ 2015年刊

すべからく歴史は後世の人が書く。どうしてもその人の都合の良い用に。前に「本能寺の変」について、数少ない光秀の子孫が書いた本を呼んだが、かなりの信憑性もあり面白かった。その時我々が知ったのは、私達が伝えられているのは、変後僅かのうちに秀吉の命により書かれた歴史書によるものだ、ということ。つまり、光秀追討の正当性を補強するために編纂されたものに依拠しているということだった。

南京大虐殺、韓国従軍慰安婦、原爆投下など、我々の身近にある歴史的事件も、後世の都合によって史実は簡単に歪められてしまう恐れのあることは、身にしみて分かることだと思う。

さて日本の近代史を開いた明治維新もこの伝で行くと、勝利者薩長土肥の都合の良いように編纂されてはいないだろうか。というのが本書の眼目である。明治維新というのは「大政奉還」「版籍奉還」「廃藩置県」の3つの政治的な移行がもたらしたものであり、軍事的には鳥羽伏見の戦いから箱館戦争に至るまでの戦いがそれに当たる。尊王攘夷、勤王佐幕などは、後世の人達が勝手にレッテル貼りをしただけで、開国は日米和親条約の15年も以前から薪水給与令を発令していて、ガチガチの鎖国国ではなかったようだ。

著者の主張は、そもそも明治維新という事件、事変は歴史上存在しない。吉田松陰以下の長州の面々は単なるテロリストである。国家回天の哲学などはもっていない。天皇という旗印を利用して徳川幕府を打倒しようとしただけだ。吉田松陰及びその仲間たちが維新後の陸軍を牛耳り、松蔭の唱えるアジアへの拡張主義に走り、精神論で突っ走り、日本を破滅させた。

幕末、アメリカ、ロシア、イギリスなどと渡り合い、日本の独立を守ったのは、幕府の優秀な官僚であって、日本の文化的なレベルはかなり高かった。日本を開国したのは薩長の志士ではない。坂本龍馬などはグラバー商会の営業マン的な役割を持っていた人物だ、と切り捨てる。

大局的に見るとこの著者の主張は十分に理解できる。ただ、徳川幕藩体制の行き詰まり、下級武士の困窮、などがこの時代の変わり目を産んだのも事実ではあるまいか。しかし漫然と明治維新を捉えていた我が身にとって強烈な刺激を与えてくれた本である。3部作だと言うのでこれからも楽しみである。

花見シーズンin

2017-04-03 15:18:54 | 雑感


四、五分咲の亀城公園

東京では桜が満開を迎えたそうだ。しかし気温は3月上旬並にしか上昇せず、震える寒さでの花見だそうだ。ここらあたりでは、気温は4月平年並みに上昇しているが、肝心の桜はまだ4,5分咲である。3,4日前よりポカポカ陽気が続くので再び亀城公園に偵察に行ってきた。

近くの駐車場からも、薄っすらと白味がかって居る樹々を遠望することができる。いるいる、花の下で早くも宴会を始めている。枝を見るとようやく4,5部咲きまできている。前回ここだけ数輪開いていた太鼓橋袂の桜は見事5分咲きだ。

ウィークデイだが、結構昼間から大勢の人出だ。進学先も決まった学生、生徒などが友人同士連れ立って、開放感を味わっているようだ。そういえばこの春休みが宿題もなく、未来だけが開けたもっとも伸び伸びできた休みだったなあ。

しかし花見というのに妙に静かだ。カラオケ、バーベキュー禁止令がでているらしい。花の下で馬鹿騒ぎをして、日頃の鬱憤をパアッと発散するなんてことはこの頃やらないのか、できないのか、皆さん妙に行儀良くなってしまっている。それでもファミリィや若い人同士には穏やかで、気落ちの良い花見なのだろう。

幸せのお裾分けをもらった気分で公園を後にした。


太鼓橋の袂

静かな花見の宴