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この処高気圧に覆われ晴天が続く。好天になると何となく血が騒ぐ。
若いころ、行事のない休みには何故か早く目が覚め、無理やり家族を起こして遊びに出かけた事が度々ある。その時のセリフは「寝ているのは死んでいるのと同じだ、でかけるぞ!」。行き先も決めずに、とにかく外へ出る、出ればなんとかなる、というものだった。四六時中仕事にかまけていたので家族と過ごす時間が欲しかったというのもあったが、そういうことが度々あると、晴天で時間ができると条件反射的に出かけたくなってしまうから不思議だ。
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こんないい天気だから、展望のきく所が良いと考えたら、やっぱり入笠山だと今年4,5回行っている入笠山に向かう。雲は遠くにしか浮いていないのできっと360度の展望に恵まれるだろう。
いつものように沢入登山口から出発。相変わらず人気の山らしく、駐車場には車が7,8台止まっている。針葉樹の多い林はまだそれほど色づいてはいないが、それでも落葉松は薄っすらと黄色みを帯び、ちらほら見える広葉樹は。赤や黄色が鮮やかである。
歩き始めてすぐ後ろから登ってくる同じ年配ぐらいの二人連れに追い越された。地元の人らしくとても足取りはしっかりしており、お元気である。歩きながら考えた。これはまるで我々の生き方と同じだ。背負う荷物はそれぞれ違うが、結局自分の足で歩くより他はない。スピードも各自で、より高いところまでゆく人も、それほど高くまで行かない人もいる。道は色々先達や仲間によって整備され、おかげで歩きやすい。歩くのは自分だが、こう言う人達のおかげで、安全に迷わずすすめる。中には道無き道をゆく人もいる。とまあこんなことを考えながら、私も息切れしないようにマイペースで歩く。
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途中法華道の分岐をすぎ入笠湿原につくが、一面の枯野原に白樺の幹が逆に鮮やかである。山彦山荘の「営業中」の幟がはためく中を更に登る。ここまで来ると紅葉が鮮やかだ。いつものように登りは岩場コース、下りは迂回コースだと決めて晴天の中を期待しながら一歩一歩登る。入笠湿原から30分強で頂上。富士山は雲の中から頭を出している。後はほとんど見渡せた。御岳は噴煙が殆ど無い。さすがに3000m以上の山々には雪で白い。風は少しあるがゆっくり景色を楽しみながら、昼食のおにぎりを食べ、賑わってきた頂上標識を後にする。
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ここは2000m弱であるが、頂上付近で丁度森林限界になり展望が開けるので、絶大な人気がある。湿原まではロープウェイでくれば、30分ほどで頂上に立てるのも人気の原因だろう。
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