遅いことは猫でもやる

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分相応

2013-11-04 12:26:40 | 


毎日の自分の時間はたっぷりあるので、好きな読書が楽しめる。フィクションの世界に遊ぶのが好きなせいか。小説を読むのは楽しい。畏友と義兄がたくさんの小説を貸してくれたので、山の空気の中で少しずつ楽しんでいる。

伊坂幸太郎 「ゴルデンスランバー」2007年 新潮社刊「バイバイ・ブラックバード」双葉社刊 2010年

このところ、伊坂幸太郎をよく読む。この他にも数冊読んだが、題名を忘れてしまった。つまりエンターテイメントとしては楽しいのだが、あんまり後に残らないような気がする。(本のせいではなく、単に自分の記憶力が退化してきただけかもしれないが)

前書は第21回山本周五郎賞、第五回本屋大賞などの受賞作品だが、ケネディ暗殺の謎をベースに書かれた、国家ぐるみの犯罪というスケールのものだ。だが一体この作品が訴えているのはなんだろう、という疑問が消えない。組織、国家の持つ非情さ、用意周到さが表面に出てこない。後者は太宰治の未完の少説「グッドバイ」から着想を得て、毎回50人に短編を送って読んでもらうという実験的な「ゆうびん小説」だという。個人との繋がりをどう感じろというのだろう?

勿論文句をつけているのではない。己の理解力のなさを嘆いているのだが、エンターテイメントとしてはそれなりに楽しめるので不満があるわけではない。昔からの癖で、もう少し感激性というか、教訓と言うか、ズンとくるものがほしいとつい思ってしまう。

だが、今の私の境遇からすると、この程度の軽さがぴったりかもしれない。