遅いことは猫でもやる

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カウントダウン(本)

2011-11-16 17:08:39 | 


佐々木譲著 毎日新聞社刊 読書の秋まっただ中で、いろんな著者を味わってみている。雑読、乱読何の脈絡もない。

この著者は「警官の血」「笑う警官」など警察組織の内幕物が専門分野かと思っていたが、このような自治体選挙などに絡むものもあるようだ。

改めて経歴を見ると、北海道夕張生まれ、自動車メーカー勤務を経て、新田次郎賞直木賞を受賞している。大組織の持つ官僚性、非情性などは、メーカー勤務の時に観察、実感したのかもしれない。

この本は故郷夕張のとなり町幌岡市を舞台とし、炭鉱撤退後観光で街おこしをしようという、旧態然とした市政の改革がテーマである。破綻しかかっている保守派市長の長期独裁姿勢に立ち向かう若い司法書士が主人公であるが、現市長の側にすべての旧悪が凝集し、主人公の側に圧力がかかるという設定は、いくら小説といえども、やや単純化し過ぎのきらいがある。

しかし議会との癒着、市長の横暴さなどは程度の差こそあれ、かっての(現在の?)刈谷市でも珍しくない。いやどこの街にでも有りそうである。違うのは財政再建をせねばならない街でないこと、大きなメーカーが有ることくらいか。社会派エンターテイメントという分野があるかどうかは知らぬが、まずまずである。