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八尾の町のどまんなかに位置するこの旅館は小さな、何の変哲もない宿である。
ここは「みやだ」と濁って呼ぶようだ。
少し早いかな~と思う午後2時前、引き戸を開けて案内を乞うと、遠く奥から
「はーい」という声。暫くして現れた若い人に「駐車場はどこですか」と問うと、
スグそこですと言いつつ、玄関を出て自ら案内に立ってくれる。
車から荷物を取り出して運ぶと、「掃除は済んでありますので、よかったらお使
い下さい」、と本来チェックインは3時としてある部屋に通してくれた。
部屋は2階、中庭に面した8畳の和室。トイレも、お風呂も付いてはいない。廊
下や階段は黒光りするほどきれいに磨きこんである。廊下に大きな姿見が置いて
ある。
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この旅館は、5,6部屋くらいの小さな宿。お風呂も二人で手いっぱいの、大きさ。
それでも籐製の乱れ籠に、バスタオルと、カミソリがおいてありここも清潔だ。
充分ではないが必要最小限のことは、やってある。まさにアットホームな宿だ。
フロントというより帳場で受付を済ます。その後ろは囲炉裏が切ってある、居心
地のよい空間。
街歩きから帰って、ビールを飲んでいると、常連さんらしい人が入ってきて、
「仲間と5人連れだけどちょっとだけ飲ませてくれない」と交渉していた。夕食の準備
の忙しい時間でありながら、「いいですよ」、と入り口のテーブルに案内した。我々に供
されたビールも大瓶で、突き出しに山くらげが付いてきた。
先ほど駐車場に案内してくれた、息子の子供だろうか。1歳くらいの子供がカタ
コトを喋りながら、旅館の内部を走りまわる。なぜかあんまりうるさく感じない。
お爺さんが後を追いかける。田舎の家庭そのものだ。
夕食も、朝食も、地元の食材中心の程のよい品数、調理法の品々。おざなりの刺
し身や、フライではなく、子持ち鮎の焼き魚、野菜の煮物など、ほっとするもの
が多かった。お酒がすすんだ。
なんだか温かく、懐かしい昭和の空気が感ぜられる宿である。熱燗の日本酒をゆったりと楽しむにふさわしい、大人の旅にぴったりの宿だ。もっとも風の盆の時はそうもいくまいが。
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