遅いことは猫でもやる

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好漢 S氏

2011-09-17 16:54:21 | 友人・知人


R社に勤めていた頃の同僚にS氏がいる。所属の部署は違ったのだが、何故か気が合い、リタイアー後もお付き合いをしていただいている。つい先日もOB会でお会いした。

彼はいわゆる男前であるがキザな所がない。
一緒に勤めている頃からよく遊んだ。夜中まで飲み歩き、午前0時を回って名古
屋白川公園で、トランペットを吹いている若者からそれを借り、彼が吹いてみせ
たこともある。サウナで寝ていたら、となりに寝ていた彼はゲイと間違われて襲
われそうになり、飛び出したこともある。

千葉に勤務していた頃遊びに行ったこともある。御宿の浜を訪れたこともある。酒が強く、飲兵衛であるが、大きく乱れたことがない。気安く楽しい酒であるが、何処か育ちの良さが滲み出る。
仙台出張の折、ミス七夕と知り合い、奥さんにした果報者である。奥方は勿論美人だが、この人
もお高く止まっているタイプではなく、庶民的でしっかりした働き者である。
多治見の家に2,3度お邪魔をしたことがあるが、楽しい家庭だ。

聞くところによると、S家には家系図があり、由緒正しい家柄らしい。また「ごんぎつね」で有名な新美南吉が彼の生まれた近くに住んでおり、おじいさんや家族の人たちと親しくお付き合いがあったそうな。知多の河和にある時志観音は彼の親戚で、一時は仏門への勧誘もあったという。家族で一緒に海水浴に行き、そこでごちそうになったことがある。また昨年桶狭間の戦い450周年の式典が豊明であった際、郷土史家の梶野翁から聞いた話だが,S氏は知多の豪族中山氏の子孫だそうだ。中山氏は織田にも今川にも付かず、様子見をしていたという。90歳近くの梶野翁はS氏のことを「殿様」と呼び、世が世なら御目通りも出来なかった身分差だと言っておられた。

楽しい男なのに、なんとなくきちんとしているのはこんな出自のせいか。見栄を
張らずマイペースで生きている、彼の生き方を尊敬しいるし、羨ましく思ってい
る。大事にしたい友人の一人である。