熱気球の準備
トルコへ行ったら、ここだけは外せない、と考えていたカッパドギアの二日目の
朝は4:00のコーランの声で目が覚めた。東の空が赤く染まり、西にはまだ満月が
かかっていた。本日はまず熱気球に乗る日だ。am4:00にホテルを出て、9:00に
は戻ってきた。(熱気球に乗る:2011-07-31 掲載参照)空に浮くという体験は、
得難いものだった。朝日が昇る前の東の空も物凄くく綺麗だった。
向こうの岩が「3人の美女」。こちらは日本の美女?
10:00にホテルを出発し、まず展望台エセンテべへ行く。ここから「3人の美女」
といわれる、キノコ岩を見る。ここを取り囲む火山の噴火によって、異なる層の
土や岩石が積み重なり、一番上の比較的硬い層が残り、それが侵食されてあのよ
うな奇観ができたという。とりあえずカッパドギアへ来たなあと実感。
地下都市のいろいろな部屋
丸い大きな扉 アラブ軍の恐怖が偲ばれる
スパイスを調合する岩
そこから、地下都市カイマルク地下都市へ。圧倒的なイスラム軍から身を守るべ
く構築された地下都市は、食糧倉庫付きリビング、家畜の餌やり場、教会、キッ
チン、ワイナリー、スパイス倉庫、などなど。一つ一つは小さいが、8層にもなっ
ており、機能分化しているようだ。柔らかい石を掘った石室、通路の数々は、い
つか見たベトコンの土の中(テト村)に掘られた壕を思い出させた。こんな地下
都市がカッパドギアのあちこちにあるという。通路の途中に設けられた、丸い大
きな石の扉が、アラブの攻撃の恐怖のすざましさを想起させる。
ウチヒサールの谷 岩峰に住居が刻まれている
穴ぼこだらけの岩山
岩山住居の寝室
ベランダで一休み
そこからウチヒサールのキノコ岩の中に住居を構える谷に行き、その住所を見学。
現在も住んでいる個人宅を見せてもらう。砂岩をくりぬいたリビング、寝室、な
ど見せていただく。一部におみやげがおいてあり、これも生計の一部を支えてい
るのだろう。コーラを頼み多少寄与する。この谷には同じようなキノコ岩に郵便
局や交番があり、昔ながらの生活を守っている。
洞窟レストラン
昼は洞窟レストランへ。この土地では加工しやすい砂岩を掘った、住居やホテル、
レストランが有り、近年人気になっているという。洞窟は温度が一定で涼しく、
音がよく響く。照明も壁の反射を主とした幻想的なもので、落ち着いた雰囲気だ。
広間では大正琴のような楽器で演奏があり、日本人団体客と見るや、日本の曲を
ひいてサービスする。つぼ焼きがここの名物だそうな。本来は壺を客の目の前で
割って中味を取り出すのだが、経費節減か我々には壺の口から中身をとりわけて
くれた。後から入ってきた日本人団体客にも同じようなサービスをしている。
トルコの料理は美味しかった。
昼食後はギリシャ人が住む地区へ。扉や窓が青、十字架が飾ってあり、イスラム
文化とはやはり少し違う。この地区の人は20世紀に帰国したそうです。車の中
からざっとみただけで、見張り台の展望台へ。カッパドギアとは美しい馬の意。
この辺りは良い馬が育ったのだろう。
大きな岩の中が刳り抜かれた砦(見張り台)。展望台の下部の谷は崩壊が進んで
いた。近くにはレモンを貯蔵する地下倉庫があるというのに、この崩壊は気にな
る。
本日はカッパドギアを縦横に見た。ここは奇観というだけでなく、自然を生かし、
共生している。この地はイスラムとキリスト教徒のせめぎあいの場でもあったようだ。
世界の奇観を満喫。