浅田ワールド
この頃浅田次郎に凝っている。
友人に「オー・マイ・ガアッ」を勧められて以来だが、最近も「蒼穹の昴」、「珍
妃の井戸」、「中原の虹」の三部作を読んだところだ。
この「月島慕情」(文芸春秋社版)は傑作と言っていいのではないか。この本に
は6編の短編が納められているが、冒頭のこれと、最後の「シューシャインボー
イ」は特にいいと思う。
この著者は、人情の機微、一本気な生き方を書かせたら、当代一ではないかと思
う。以前に読んだ『月下の恋人」もホロッとさせたが、「月島慕情」は気っぷの
良さという江戸っ子気質を余すところなく描いている。
主人公は地方生まれの女性だが、あっと言わせるストーリー展開でうーんと唸ら
せられた。
それとこの人は貧乏人を書くことが得意ではないのか。「中原の虹」でも張作霖
に再三「おれは貧乏人だ」と言わせている。そこが私にも共感を呼んでいるとこ
ろなのかもしれない。
裕福な家庭に育った貴方には、ちょっと違う印象を持たれるかもしれないが。
こうしてみると、浅田次郎は長編よりも中短編に佳作が多いように思える。
勿論、そうでもない長編も多いが、記憶力が衰えてきた、自分の特性かもしれな
い。
だが、まだまだ浅田ワールドは捨てがたい。
この頃浅田次郎に凝っている。
友人に「オー・マイ・ガアッ」を勧められて以来だが、最近も「蒼穹の昴」、「珍
妃の井戸」、「中原の虹」の三部作を読んだところだ。
この「月島慕情」(文芸春秋社版)は傑作と言っていいのではないか。この本に
は6編の短編が納められているが、冒頭のこれと、最後の「シューシャインボー
イ」は特にいいと思う。
この著者は、人情の機微、一本気な生き方を書かせたら、当代一ではないかと思
う。以前に読んだ『月下の恋人」もホロッとさせたが、「月島慕情」は気っぷの
良さという江戸っ子気質を余すところなく描いている。
主人公は地方生まれの女性だが、あっと言わせるストーリー展開でうーんと唸ら
せられた。
それとこの人は貧乏人を書くことが得意ではないのか。「中原の虹」でも張作霖
に再三「おれは貧乏人だ」と言わせている。そこが私にも共感を呼んでいるとこ
ろなのかもしれない。
裕福な家庭に育った貴方には、ちょっと違う印象を持たれるかもしれないが。
こうしてみると、浅田次郎は長編よりも中短編に佳作が多いように思える。
勿論、そうでもない長編も多いが、記憶力が衰えてきた、自分の特性かもしれな
い。
だが、まだまだ浅田ワールドは捨てがたい。