遅いことは猫でもやる

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汽車は出て行く、煙は残る

2010-10-13 08:37:43 | 行ってきました


秋深し。会社のOBの人たちと、日帰りでSLの旅に出かけた。よく晴れた気持
ちの良い一日だった。

小型バスで刈谷を出発し、静岡県の大井川鉄道でSLに乗り、さらにアプト式鉄
道を体験するという旅だ。

久しぶりにお会いしたOBの方々はみな元気で丸くなってきていた。バスの中は
和やかで、用意されたクイズなどを楽しみながら、新金谷駅へ到着。


SL運転席

好天の土曜日とあって、そこそこ人出があった。駅前のプラザロコにはSLが展
示され、列車の到着まで見学できた。

駅のホームは観光客で一杯,SL人気の高さを物語っている。高校生の頃まで乗っ
ていた懐かしい、蒸気機関車が引っ張る列車に乗車。ゆっくりガタンゴトンとい
う振動と煤煙の匂いを楽しみながら秋の山間を走った。


SL列車の中

ああ、汽車が走ってゆく

そこでちょっとしたアクシデントに遭った。
途中下泉という駅で停車したので、写真を撮りにホームに降りた。駅員に出発の
折には汽笛の合図があるのを確かめ、機関車のある前の方に行った。ここで下車
する人に混じって写真を撮っていたら、汽笛一声、汽車が動き出した。アレヨア
レヨという間である。乗る間もあらばこそ、意外に早くスピードを出し、置き去
りにされてしまった。

さあ困った。駅舎は無人で、尋ねる人もいない。観光客をはこんでいる貸切観光
バスが駅前に停まっていたので、乗せてもらおうかと運転手に尋ねたが、反対方
向の可睡斎へ行くとのこと。携帯電話も、財布も車中に置いてきたので、仲間と
連絡も取れない。

タクシーを呼んでもらおうと駅前の布団屋さんに飛び込んで、そこの奥さんに頼んだら
「このへんにタクシーはないよ」とあっさりいわれた。万事休す。
でも田舎の人は親切だ。事情を話したら、「そりゃ困ったね。お父さんが近くに
いたら送っていくように頼んでみる」とどこやらに電話してくれた。5分ほどし
て、軽自動車に乗ったお父さんが登場。「次の停車駅では多分追いつかないので、終
点まで行ってあげる」とこともなげに言ってくれた。約25分曲がりくねった山道
を辿り、終点千頭駅へ。仲間の人の顔が見えたときには、ほっとした。十分お礼
を云って車を降りた。

駅前はなぜか結婚式をやっていて、大勢の人だかり。その混雑の中を、仲間の人
がタクシーに乗り込んで迎えに出発しようとしているところで間一髪間にあった。



そこから歩いてバスへ。次はアプト式列車の発着駅奥泉へ。
アプト式というのは中学生の時の記憶では急勾配の汽車が歯車で登ってゆく方式
だったような気がする。ここは1000ぶんの90の勾配である。谷川沿いの景
勝地をゆっくりと走った。途中アプトいちしろ駅で機関車を接続して、アプト式
区間を走る。今度は置いてきぼりを食わぬよう、十分注意したが駅員も注意して
いる。長島ダムまでの一区間ディーゼル機関車に押されて、ゆっくりアプト式で
走った。



ちょっとしたアクシデントはあったが、楽しい旅だった。お世話をしてくれた方
々に感謝。