よく「ギブ・アンド・テイク」というが、今年、「プチ紳士を探せ」運動をしている志賀内さんの講演を聞いて、ギブ・アンド・ギブが正しいことが分かった。「損して得とれ」ではなく「損して徳とれ」である
以下はこんなことに関連して、社内報に載せた文からの抜粋である。
企業は利益を上げねば存続できない。
しかし、目先利益を上げるという事にのみ走ると、逆効果になる。
赤福、船場吉兆、ミートホープ、三笠フーズなどを見ても、あきらかだ。
「やずや」や「ドモホルンリンクル」などの企業・商品イメージは上記の企業と
は対極にあるものを訴えていて、それで業績を大きく伸ばしている。
もう20年近く昔になろうか。得意先の一つに、毎回テキスト代に500万ちかくの発注額で、しかも現金を払ってくれる研修団体(宗教団体)があった。深夜TVでその研修生の、非科学的な研修での死亡が報じられ、高額な研修費もサラ金から借り入れてまで支払わせていると言う報道があった。この報道を吟味し、ビジネス上では、良い顧客であったが、この団体とはすぐに取引をやめた。一年後その中心人物が逮捕されたが、幸い当社には影響は無かった。
これらのことを考えると、「利」の前に「信義」が大切な時代になっているように思う。「利」は私たちの都合であり、信義はお客様との間に結ばれる信頼感である。私たちの都合に合わせてくれるお客様はいないのが普通である。
私達がやろうとしている「顧客別CSNo1」「アフターサービス重視」はまさにこのことを指摘している。信義を大切にすれば「利」はついてくるのではないだろうか。
「信」が源であり「利」は結果であるともいえる。或いは「信」は土壌であり、「利」は果実である。同じように「拡大」の前には「充実」が必要である。業容拡大の前に、質の向上がやられているのか、厳しく点検せねばならない。
これはテクニック論ではなく、企業の本質的なあり方に対する問いかけである。 以上
ちょっと肩に力が入っていますが、目先の「利」にどうしても走りがちな風潮に流されないようにしたいと言う願いから出たものです。