追われる

　四国から帰ってきたら、「上巻」の最終校正が届いていた。360ページほどある。これだけの本を読むよりも時間が掛かる。もう四校を終えているのであるから、視点を変えてもっと効率よく運ぶ技があるのだろうが、こちらは全くの素人だから、よくわからない。 　

　本を読むときには、脈絡を追う。文字の一つひとつを目に留めていない。つまり大筋を摑むとか、趣旨を押さえる。極めて大雑把に読み進めることができるのに、校正となると表現や文字の誤字脱字、誤植に加えて表現の拙劣さをチェックするから、一つずつをきっちり目に留めておかねばならない。流すように読み進められない。これに私が慣れていない。
　やっていると目がしょぼしょぼしてくる。実際見つかる誤植なども、近いページにポツポツとある。ははあ、ここまでの校正の、この辺りで眠くなってきて、素通りしていたのだなと思う。誤植というよりは誤変換。つまりここは、声に出して音で読んでいて、気が付かなかったんだな。例えば、返還が変換になっていたり、泊まるが止まるになっていたりする。
　何とか昨日中に「上巻」を上げようと思っていたのに、2／3くらいしか終わらなかった。途中、部屋のwifi装置の交換に業者がやってきて、１時間ほどつかったとか、買い物に１時間半くらい行ったということはある。だが、校正をしていて気が付くと居眠りしていたような有様。集中力なのか体力なのかワカラナイが、歳をとって草臥れやすくなっている。

　今朝も朝から40ページくらい片付け、草臥れたので、これを書いている。
　と、メールが来ている。「下巻」のデザインが出来上がり、四校が届いている。目次も表紙もあるから、270ページほどになろうか。向こうさんも早く片付けたいと思っている気配が伝わってくる。

　これも急ぐとなると、あと４，５日はこの状態が続くようになるなあ。コーヒーも買いに行かねばならない。そんなことを考えながら、一休みしているのであります。