南茅部町の国道278号沿いにあるこちらの施設。
仕事で行く機会が何度かあったのだけど、プライベートで行くのは久しぶりです。
「函館市縄文文化交流センター」。
縄文文化が大いに栄えていたことで知られる南茅部エリアに、2011年にオープンした、縄文文化を今に伝える博物館で、函館市内の遺跡から発掘された、縄文時代の石器や土器、装飾品などの遺物約1,500点が展示されています。
(開設直後に書いた記事)
↑でリンクを貼った記事は2011年の開設直後のものですが、あれから13年、先日紹介した「大船遺跡」をはじめ、周辺の縄文遺跡群が世界遺産に認定されるという大きな変化がありました。
こちらが、このセンターの館長です。
着ぐるみはないのかな。
南茅部エリアの遺跡からは、漆塗りの土器が多数出土しています。
現在でも「漆器」など、広く用いられている漆ですが、日本国内におけるそのルーツは、実に縄文時代まで遡ります。
こちらは、漆糸製品を装着した縄文人の絵。
人々の生活にも広く浸透していたことがわかります。
今では、舗装などですっかりおなじみのアスファルト。
近代に開発されたものかと思ってしまいそうですが、どっこい世界では、かの「メソポタミア文明」の頃(紀元前4世紀頃)から、建物の補強などの用途に使われていたというのは驚きです。
接着剤として使われていたとありますが、旧南茅部町の遺跡においても、新潟県産や秋田県産のアスファルトが出土しています。
展示されているアスファルト。
このような形をしているんですね。
宝石の「翡翠(ヒスイ」も、縄文時代の遺跡から出土しています。
函館市内の遺跡から出土された翡翠は、原産地が、現在の新潟県糸魚川市周辺と特定されており、先程のアスファルトと同様、この時期において既に、海峡を越えた交流が広く行われていたことがわかります。
装飾品としての翡翠が展示されています。
そして、このセンターの一番の見どころは、やはりこちらでしょう。
国宝に指定されている、「茅空(かっくう)」と名付けられている「中空土偶」。
1975年(昭和50年)、町内の女性が農作業中に偶然発見したもので、1979年(同54年)に国の重要文化財に指定され、ベルギー王立博物館、スミソニアン博物館(アメリカ・ワシントン)、大英博物館など世界各国の著名な博物館において展示された後、2007年(平成19年)に、北海道では初の国宝に指定されました。
「茅空」という名前は、「南茅部の中空土偶」から付けられたとされており、内部が空洞になっている「中空土偶」としては国内最大級で、最も薄いところで厚さ数ミリという精巧な作りが特徴です。
寸法としては、高さ41.5cm、幅20.1cm、重さ1.745kg。縄文時代の多くの土偶は女性を表すスタイルとなっているのに対し、この中空土偶は、髭や眉など男性的な表現が混在するという、特徴的な姿をしています。
また、両腕が欠損しているように見えますが、CTスキャンの結果、割れないように内面が調整されている箇所とそうでない箇所があり、都合のよい部位で壊れるように工夫されていたことが判明し、儀礼的な意味合いから、故意に破壊されたのではないかと推測されています。
楽しそうな展示が沢山!
縄文時代から漆があったのですね。
驚きました。
アスファルトもそんなに昔からあるのか〜🤔
ヒスイ、きれいですよね。
糸魚川の海岸、行った事あります。
ヒスイは見つけられませんでした😅
国宝の土偶!
きれいに残っていますね。
農作業中に発見され、それが国宝に指定されるなんて、ロマンチック💕
楽しませていただきました♪
>江戸の秋... への返信
楽しんでいただけたようで良かったです。
他の博物館のことはよくわかりませんが、このセンターは、課外学習で訪れる小中学生も多いようで、世界遺産という話題も相まって、全国各地から多くの来館者が来ているようです。
国宝の「茅空」は、仰るとおり、形がきれいに整っているのも素晴らしいと思います。
仰るとおり、ロマンチックなエピソードですよね。