南茅部エリアの散策記を続けますが、今日は、訪れる人はそれほど多くないけれど、地域の歴史において重要な位置を占めるスポットです。
「北海道建網大謀網漁業発祥之地」とあります。
漁業が基幹産業である旧南茅部町エリアですが、「大謀網」というのは、あまり知られていないかもしれません。
「定置網」という言葉なら聞いたことがあるという方も多いと思いますが、「大謀網」というのは、回遊してくる魚を定位置に仕掛けた網で漁獲する漁法のことです。
ここに書かれている「飯田屋与五左衛門」という人物は、浜に押し寄せる魚の群れと周囲の環境に着眼してアイヌの人々と共に漁に励んだそうで、それによって浜は賑わいをみせ、今に至る漁業の町の礎が築かれました。
「大謀網」は、魚を追いかけて網を打つのではなく、魚が回遊してくるであろう海域に網を仕掛け、そこに入った魚を捕獲するという漁法で、この漁法ができるということは、それだけその海域が豊かであることを示しています。
最初に捕獲したのはマグロだそうで、マグロというと、津軽海峡を挟んだ青森県の大間が有名ですが、北海道側でも、南茅部と同じく現在は函館市に合併している旧戸井町のエリアで、「戸井マグロ」としてブランド化されているくらい獲れています。
ですが、南茅部でも漁獲できたということは今回初めて知りました。
青い空と青い海。
この碑があるのは「黒鷲岬」という場所で、漁業の町らしい海辺の光景が広がっています。
岩に止まっている一羽の海鳥を発見。
これ以上ズームするとボケてしまうギリギリで撮っていますが、青い空の下で、気持ちよく休んでいるように見えて心が落ち着きました。