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北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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競馬場のあった町

2020-12-03 21:19:09 | 釧路&釧根地方

 

 

 

釧路駅北口から少し鳥取方面へ向かった所にある、「駒場通」という幹線道路。

「駒場」と聞くと、元函館市民の私には、競馬場のある「駒場町」というエリアを思い出しますが、実は、釧路の「駒場町」も、町の名前の由来は、函館と同じなのだそうです。

 

 

昨年1月に閉店し、この程、残って営業している店舗の撤退も含めた完全閉鎖が発表された「イトーヨーカドー釧路店」。

 

 

 

その向かいにある、店舗の駐車場と、釧路市役所の鳥取支所。

この辺りに、かつて、競馬場の大きな門が設置されていたそうです。

 

 

 

 

近くにある「駒場公園」という大きな公園。

 

 

釧路にあったという競馬場は、昭和7年(1932年)に設置された公認の施設で、春季3回、秋季4回の開催で、馬券は1枚5銭、年間で8万数千円の売り上げがあったそうです。

昭和14年(1939年)、戦時体制強化のため、年1回の開催となり、同17年に廃止され、敷地は北海道に返還されました。

終戦後、昭和36年(1961年)に、土地区画整理により現在の住宅街の礎が築かれ、かつて競馬場があった町ということで、「駒場町」と命名されたそうです。

 

最後に、昨日の記事で書いた「釧路で初めて飛行機が飛来した場所」の話ですが、競馬場ネタを学習するために読んでいた資料によると、大正6年(1917年)当時、現在の駒場町の辺りに滑走路が整備され、そこに釧路発の飛行機が飛来し、集まった大勢の人の前で、アクロバット飛行が披露されたこともあったそうです。

残念ながら、競馬場も滑走路も、それらしい痕跡は残っていないようですが、そうした歴史を踏まえての散歩もまた楽しいものだなと思います。

 

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飛行場跡

2020-12-02 19:44:42 | 釧路&釧根地方

 

コロナ禍で、今年は一度も利用することがなかった釧路空港。

このまま、昨年5月の上京が最後の利用になってしまうのかなあ・・・。

 

ま、それはそれとして、この釧路空港は、昭和36年(1961年)に現在地で開業し、今に至っていますが、釧路市内には、これ以前にも、「飛行場」が存在していたことを、つい先日知りました。

 

 

釧路市郊外の、一面原野状の土地。

ソーラーパネルがちらっと見える以外は、何も施設はありません。

 

 

なるほど、釧路市有地でしたか。

 

 

 

 

 

写真の位置は大体この辺りなんだけど、昭和12年(1937年)、北方防備の拠点として、この辺りに、50haの飛行場が着工されました。

しかし、札幌への定期便就航が計画されるも実現に至らず、戦局を受けて軍用に転用されるも、利用されることなく終戦を迎え、再び民間飛行場となりましたが、現在の釧路空港開港と入れ替わりに、廃止されたそうです。

 

 

住宅街と市有地の境。

古い地図によると、当時の空港は、フェンスの向こうの土地と現在の住宅街とに跨っていたようです。

ここにあった飛行場は、当時、全国に飛行場を建設するために発行された「愛国切手」という切手の売り上げによる基金を充当したことから、「愛国飛行場」という愛称で呼ばれていたそうですが、ここでピンときたことが一つ。

 

 

 

釧路市郊外の住宅街として有名な「愛国」というエリア。

「もしかして、地名の由来って、空港の愛称と同じ?」って思ったところ、どうやらそのとおりだそうです。

帯広市郊外にある「愛の国から幸福へ」のフレーズで有名になった「愛国」という地名は、北海道開拓と殖民が進められた明治期に、この地に愛国青年団という名の開拓団が入植したことに由来するそうですが、釧路市の「愛国」にはそのような由来があったのですね。

 

これは面白いネタを発掘できたと思ったので記事にしましたが、図書館で読んだ資料によると、「釧路で初めて飛行機が飛来した場所」は、ここではなく、別なエリアなのだそうです。

ということで、次回はその話を。

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庚申塔

2020-11-27 18:24:56 | 釧路&釧根地方

 

米町にある浄土宗の寺院・大成寺(だいじょうじ)。

明治15年(1882年)に、三河出身の忍譽徴源(にんよちょうげん)上人が来釧し、松前にあった「正行寺」の仮説教所を開設したのが最初の記録とされる、市内でも由緒ある寺院の一つです。

 

 

 

その境内の一角にある小屋。

 

 

通常は公開されていないので、扉越しに一枚。

「庚申」とあります。

これは、「庚申(かのえさる)の日に眠ると、人の腹の中の三匹の虫(三尸(さんし)という)が体から抜け出して、その人の罪過を天帝に報告する。それを防ぐために徹夜をする」という、道教の「三尸説」を母体とした、「庚申の日に徹夜をして眠らずに身を慎めば、早死を免れて長生きできる」という考え方が込められているそうです。

後に、この考え方に、仏教や民間信仰、習俗などが合わさり、治病、大漁、豊作、商売繁盛などの御利益があるとして、信仰の対象となっています。

 

この塔は、明治22年(1889年)に境内に建立され、昭和36年(1961年)に、新潟県北蒲原郡次第浜出身の「田村友太郎」氏によって、同じ境内の現在地に移設されています。

田村家は、次第浜から釧路へ入漁し、大正時代には底曳漁業の船主となった一族でしたが、「次第浜」って地名、どこかで聞いたような・・・、

ああそうだ、先日紹介した「日枝神社」にも関係のある地名でしたね。

市内のあちらこちらに足跡が残されているのですね。

 

 

 

続いてこちらは、市内の別な場所。

 

 

こちらも「庚申塔」とあります。

 

 

文字の上に見られるのは、左が「日と雲」、右が「三日月と雲」の絵です。

 

 

これは昭和6年(1931年)5月2日に建立されたもの。

刻まれている「講中一同」とは、先程の大成寺と同じ田村友太郎氏と、同郷者及びその一族の人達で、「七庚申」とあるのは、「庚申」の日は、旧暦で年5日~7日あるところ、7日あることを「七庚申」と呼んで喜ぶ風習があったという意味だそうです。

 

 

 

現在は、鳥居と石碑だけになっていますが、以前は、この敷地内に、「菅谷(かんこく)不動堂」という、新潟県新発田市の「菅谷寺」から請来した不動明王(日本最古の不動だそうです)を祀るお堂があったそうです。

 

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日枝神社

2020-11-22 18:13:56 | 釧路&釧根地方

 

いつもは記事の最後に載せている地図。

今日は最初に載せてみました。

 

この「日枝神社」という場所、近くまでは何度も行っているんだけど、ズバリこの場所には行ったことがなかったので、どんな場所だろうと思い、ちょっと行ってみました。

 

 

 

 

 

住宅街の一角にある「日枝神社」。

釧路の開基に大きな功績を残した「米屋」こと「佐野家」が「越後国三島(さんとう)郡寺泊(現在の新潟県長岡市)」の出自であることは、「佐野孫右衛門」の記事を書いたときに触れましたが、同じ越後国三島郡寺泊から、明治32年(1899年)、手繰網漁業に用いられる「川崎船」という帆船が釧路に進出し、タラ、スケトウダラ、カレイなどの沖合漁業に従事した記録が残されています。

川崎船に乗ってやってきた越後の漁民は、現在の釧路市旭町、川上町に定住し、この辺りは漁師町として繁栄しましたが、昭和2年(1927年)、新潟県北蒲原郡次第浜(現:北蒲原郡聖籠町次第浜)出身の漁師たちが、地元にある「日枝神社」から分霊勧請してできたのが、現在のこの神社です。

現在、この地は住宅街となり、ショッピングセンターもできるなど、こうして調べてみないと、かつて漁師町であったということは分からなくなっていますが、せっかくこういう歴史があるのだから、もっと広く周知されてもよいように思います。

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水道発祥の地~釧路~

2020-11-21 15:18:40 | 釧路&釧根地方

 

先週末(まだ今週か)、市立博物館へ行った帰り、こんな碑を発見しました。

(嘘です。博物館の「学芸員トーク」で紹介されていたので、帰りがけに寄ってみました。)

 

 

「水道発祥之地」とあります。

 

 

 

「水道神社」という神社があったんですね。

写真を見てみたいです。

 

 

 

北海道で初めて近代的な上水道が整備されたのは函館でしたが(その紹介記事)、その函館から遅れること35年、大正13年(1924年)、釧路にも上水道施設が整備されました。

これは、その施設の跡地であることを後世に伝えるものなんですね。

 

 

現在は、「釧路市立病院」の敷地です。

駐車場の角で、接面する道路からも見えるので、分かりやすいです。

 

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