自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★沈下した港、隆起した港 地域の生業どう復興していくか 

2024年06月10日 | ⇒ドキュメント回廊

  その港に行くと岸壁や道路、そして神社の境内の一部も冠水していた。さらに住宅の軒下にも。潮位が上昇したらさらに一帯の住宅や倉庫の床下に浸水する。もし、台風が来たらと思うと、地域住民の不安は尽きないだろう。きのう(9日)七尾市石崎町の漁港で見た光景だ=写真・上=。

  このブログで輪島市の輪島漁港や鹿磯(かいそ)漁港での海底の隆起を取り上げた。同じ能登半島の海でも石崎漁港などでは地盤沈下が起きている。延長800㍍余りの岸壁のうち、県漁協七尾支所近くの一部のコンクリートが崩れていて、海面より沈下している。周辺に土のうは積んであるが、それでも海水が道路に流れ込んでいる。排水ポンプも作動しているが、追いつていない。岸壁から30㍍ほど離れた道路も冠水している。近くには川も流れている。冒頭で述べたように大潮と暴風雨などのリスクが重なれば、住宅地にまで被害が及ぶのではないだろうか。

  さらに残念なこと。石崎漁港はナマコ漁で有名だ。そのシーズンである1月から3月の間は操業ができなかった。地震や津波で生じたガレキや漁業用ロープ、漂着した漁網などが七尾湾内に流れ込み、底引き網漁ができなかったからだ。当面はイカリを使って海底のガレキなどを回収することになるようだ。

  輪島市の鹿磯漁港では海底が4㍍近く隆起した(国土地理院・2月20日公表)=写真・下=。同漁港は日本海のスルメイカ漁の拠点の一つとなっていて、本来ならばこの時季5月から7月にかけて最盛期となるが、ことしは同漁港が使えないことから、スルメイカ漁の漁船の入港と水揚げを金沢港にシフトして操業している。

  漁港と地域の生業(なりわい)は一体化している。港の再生は地域の復興でもある。どう港を再生していくのか。

⇒10日(月)夜・金沢の天気    はれ


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